パリヌルスの乗っている船と第二船、第三船との3隻による挟撃によって、洋上決戦をいっきに決する。作戦計画は、そのように組み立てられていたのである。
船団は、右手にテネドス島、左手にレムノス島の地点にさしかかっていた。
ときは、朝凪の頃合である。海は思いのほか静かであった。
白いもやを破って出てくる船を発見した。船は、帆を上げていない軍船であった。近くに寄らなければ、確認は無理である。向こうの船も、こちらの船団に気が付いたらしい。船団は洋上に停船している。出てきた船の様子がおかしい、船上の者は兵ではない、だが、船はギリシアの軍船である。双方が身構えた。
トロイからの避難してきた者たちのようである。第二船が彼らの行く手を遮った。彼らは情況を見て怯えている、そして、停船した。
パリヌルスは尋問した。とにかく時間がない。彼は急いだ。
『お前らは、どこからだ。』 『トロイの者だ。』
『何人乗っている?』 『46人だ。』 パリヌルスは、大声で叫んだ。
『判った。アレテス、乗り移れ!彼らの事情を聞け!そのまま船団の後方につけ、急げ!追っ手が来る!』 船団の緊張が一瞬にして高まった。
船団は、右手にテネドス島、左手にレムノス島の地点にさしかかっていた。
ときは、朝凪の頃合である。海は思いのほか静かであった。
白いもやを破って出てくる船を発見した。船は、帆を上げていない軍船であった。近くに寄らなければ、確認は無理である。向こうの船も、こちらの船団に気が付いたらしい。船団は洋上に停船している。出てきた船の様子がおかしい、船上の者は兵ではない、だが、船はギリシアの軍船である。双方が身構えた。
トロイからの避難してきた者たちのようである。第二船が彼らの行く手を遮った。彼らは情況を見て怯えている、そして、停船した。
パリヌルスは尋問した。とにかく時間がない。彼は急いだ。
『お前らは、どこからだ。』 『トロイの者だ。』
『何人乗っている?』 『46人だ。』 パリヌルスは、大声で叫んだ。
『判った。アレテス、乗り移れ!彼らの事情を聞け!そのまま船団の後方につけ、急げ!追っ手が来る!』 船団の緊張が一瞬にして高まった。