イリオネスは、アカテスとオロンテスにはかり、葬儀の場所と段取りのこまごまとしたことを打ち合わせした。
『葬儀の終了後、浜衆や村人たちも招いて、ささやかだが競技大会をやろう。』
と打ち合わせを終えた。
イリオネスは、何時までも湿った思いを引きずっている自分から抜け出したかった。
浜頭の二人は、何かを思いつめた面持ちでアエネアスと話し合っている。アエネアスは、戸口に立って、じいっ~と海を見つめている。彼は、パリヌルスに声をかけ、話の中に引き込んだ。
『パリヌルス、近頃、海上の様子に変わったことはないか。』
『漁に出ている者たちからは異変についての話はありません。私たちが漁をしているのは河口からこちら側ですから、サレト浜頭の浜沖についてはわかりませんが。』
『う~ん、やっぱりそうか。サレト浜頭の浜は、サモトラケ島に近い。パリヌルス、サレト浜頭の話を聞いてくれ。』
『パリヌルス様、昨日のことですが、見たことのない船が浜沖から私らの浜の様子をうかがっているようなのです。私らの浜が、サモトラケの海賊にやられたのは、5ヶ月前の2月の中頃でした。奴らの狙いは、食糧なのです。ちょっと不安なのです。』
パリヌルスは、サレト浜頭の話をしっかと受け止めた。
『葬儀の終了後、浜衆や村人たちも招いて、ささやかだが競技大会をやろう。』
と打ち合わせを終えた。
イリオネスは、何時までも湿った思いを引きずっている自分から抜け出したかった。
浜頭の二人は、何かを思いつめた面持ちでアエネアスと話し合っている。アエネアスは、戸口に立って、じいっ~と海を見つめている。彼は、パリヌルスに声をかけ、話の中に引き込んだ。
『パリヌルス、近頃、海上の様子に変わったことはないか。』
『漁に出ている者たちからは異変についての話はありません。私たちが漁をしているのは河口からこちら側ですから、サレト浜頭の浜沖についてはわかりませんが。』
『う~ん、やっぱりそうか。サレト浜頭の浜は、サモトラケ島に近い。パリヌルス、サレト浜頭の話を聞いてくれ。』
『パリヌルス様、昨日のことですが、見たことのない船が浜沖から私らの浜の様子をうかがっているようなのです。私らの浜が、サモトラケの海賊にやられたのは、5ヶ月前の2月の中頃でした。奴らの狙いは、食糧なのです。ちょっと不安なのです。』
パリヌルスは、サレト浜頭の話をしっかと受け止めた。