『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第8章  クレタ離脱  66 

2019-07-15 04:33:04 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 会所では、アエネアスとイリオネスの地図談義、オキテスの席場においては、パリヌルスとオキテス、そして、ドックスが加わって軍船の改造が話し合われている。
 軍船の改造については、造作工作作業の影響が及ぶ範囲が狭くはない、それだけに話し合いは慎重に進められている。
 まず、準備する軍船の改造に関する用材の件が話し合われる、続いて造作工作の件を話し合う、造作工作に必要とする金具類の調達の件を話し合う、次は、新暦第一の月の建造計画を話し合う。
 オキテスが姿勢を改める、口を開く。
 『ここまで話し合った、新暦の第一の月の建造艇数は、戦闘艇2艇、新々艇2艇の合計4艇としている。営業の戦略上、建造しなければならない艇数なのである。建造船台1艇分に係わる人員が軍船の造作工作にあたることになる。ドックスには、軍船の改造、造作工作の監督業務を担当してもらいたい。ドックス!いいな!』
 『了解しました』
 『パリヌルス、造作工作に必要とする金具類、これの調達には、キドニアの集散所に出向かねばならない。ドックスが業者と昵懇の間柄である、安心できる。パリヌルス、同道して手配してくれ』
 『解った』
 『ところでドックス、ガリダ方には、話し合いの手配をしてあるな?』
 『はい、暦が変わって2日目にガリダ頭領と建造用材について打ち合わせをすることになっています』
 『おう、了解!ドックス、この前に話した製材技術者の派遣の件をガリダ頭領に話しておいてほしい。それの決着についての話し合いは、俺が展示試乗会から帰って、直ちにできるように話し合っておいてほしい』
 『解りました。ガリダ頭領との打ち合わせ、遺漏なくやっておきます』
 オキテスの席場においての三人の話し合いが終わる。
 パリヌルスがオキテスとドックスに話しかける。
 『おう、オキテス隊長にドックス棟梁、今話し合った要領で業務を進めてくれ。ドックス、軍船の改造に関する設計は今日中に完了する。明日、午前中に打ち合わせる。よろしく頼む』
 『はい、解りました。それでもって軍船の改造用材の手配をします。用材が到着次第、直ちに作業にとり掛かります。パリヌルス隊長、軍船のほうの作業準備をよろしく願います』
 『おう、心得た!任せておいてくれ』
 三人は、打ち合わせを終える、話し合いの場を解く、頃合いは昼食時を迎えている。
 パリヌルスは、せっぱつまっての軍船の改造についての日程と工程を思案した。