『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第8章  クレタ離脱   62

2019-07-09 03:59:33 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 会所をあとにしたパリヌルスは、自分の管理管轄下にある浜へと向かう、歩を進めながら思考する。
 アエネアスとイリオネスの態度風情を見る限り建国の地の探索の途に就く大事に対する進捗状態がとどこってはいないと察する。
 パリヌルスは、壮途に就く軍船の整備の構想を真剣に考える、途に就く船は4船を予定している。
 軍船の帆柱2本4枚帆構造、舵構造、走行安定性向上構造について考える。
 『オキテスが浜に不在となる2日間がある、この間に造作、工作を考える』
 思考作業が次に移る、この造作、工作でもって軍船の整備をする、果たして定める期限内に完成させることができるであろうかの懸念が湧きあがってくる。
 パリヌルスは、期限までの造作完了に自信の喪失感を覚える、この自信の喪失をクリアしなければならない、自信があってこその造作作業である。
 彼は想を練る、一連の作業工程を考える、用材の調達、造作、工作に用いる工作金具類の調達を考える、造作、工作の技術について考える、動員について考える。
 思考項目を木板に書きつける、項目別に思考を凝らす、定めた工期内にこれらの造作、工作ができるとほのかに感じる、造作、工作の完了した軍船の姿が瞼の裏に描き出されてくる。
 描き出された船が大海の波を割って進む姿がくっきりとイメージすることができた。
 軍船の改造可能の自信が体中に出来る、身が震える、身を襲った喪失感の消滅を感じる。
 課された大事の遂行に自信の喪失感をクリアしたパリヌルスがそこにいる、彼は、心のうちで叫ぶ!『いける!』『やれる』と連呼する。
 彼は、改造箇所のカタチを頭中に描く、デザイン性を無視する、頑丈構造と機能性を第一義とする、そして、定めた期限内完成である。
 彼は木板を手に取る、構想を図面にする、工程表をつくる、段取り、手順を決めた。
 これらは計画のための構想であって、実行計画ではない、彼は実行計画策定にオキテス不在の2日を脳漿を絞り、没頭する、そして、計画完遂の工程計画を仕あげるとした。
 彼は、これを持って航海の安全性の向上と操船性の効果向上することに自信を持つに到った。

 2日間が瞬く間に過ぎる。
 オキテスが2日間の展示試乗会を終えて帰ってくる。
 オキテス、テカリオン、キドニア集散所、三者の話し合いも順調に終わる、取引のカタチが決まる、テカリオン方に三か月後に引き渡す戦闘艇1艇、新々艇1艇の受注もする。
 展示試乗会においては、新々艇2艇を受注する。
 展示試乗会施行の結果に関係者一同が歓喜する、オキテスがこれまでに築いたキドニス、スダヌスの協力体制が効を奏した結果でもある。
 オキテスが帰る、アエネアスとイリオネスに成果報告をする、パリヌルス、オロンテスがその成果を知る、一同がその結果に歓声をあげる。
 彼ら一同は、展示試乗会を遂行した一同の成果を褒めたたえた。