『それは判ります。統領の決断のなされかたをみて、統領の立ち位置、スタンスを承知しています。一国を建てるということは、それは大変なことです。定かではない未来を見つめての決断です。簡単なことではありません。国が持つ運命は、人間一人が持つ運命とは異なります。私たちは統領に運命をゆだねています。私たちは民族の運命を収束して、統領の双肩に乗っています。そうである限り、統領の決断は民族総員の決断です。私たち民族が統領の決断に従って動くのは当然の成り行きです。民族のモチベートの原点です』
イリオネスは、ためらいなくアヱネアスに胸の内を伝えた。
イリオネスはパリヌルスが来たことに気が付いて振り向いた。戸口に立っているパリヌルスに声をかけた。
『おう、パリヌルスどうした?』
『はい、軍団長、事前協議を終えました。そのことの報告です』
『ご苦労。まあ~、中へ入れ。統領もおられる』
彼は、パリヌルスを招じ入れた。
『パリヌルス、話を聞く』
『報告は二件です。一番目は、明日からのキドニア行きに、新艇のデモンストレーションもかねて、ヘルメス艇を使用したいと考えています。これを許可してください。二番目は、新艇のトレードについて、始めに調査ありきということで、明日、オキテスと私、オロンテスとともにキドニアに出向きます。以上の二件です』
『判った一番目の件、ヘルメスの使用はOKだ。二番目の件は了解した。用向きの詳細は聞かない。以上だ』
アヱネアスが声をかける。
『軍団長、例の件か、動き始めたか。パリッ!存分にやれ』
『判りました』
パリヌルスは報告を終えて浜へと歩を運んだ。彼はヘルメス艇の状態を見て渚に立った。ギアスは、まだ、キドニアから帰っていない。
『まあ~、いいだろう。ヘルメスは充分に手入れされている』
彼は新艇建造の場に足を向けた。建造の場がカタチをなしてきている。オキテスの姿も見える。
『おう、オキテス、万事OKだ』
『おう、そうかそうか、それはよかった。いよいよ、船出だな。新しい時の始まりを感じる。パリヌルス、気持ちがたかぶる、しっかとやろう!打つ手に間違いはない、万端OKだ』
ギアスが帰って来たらしい。彼は舟艇の帰り着いた浜へと歩を運ぶ。
『お~い、ギアス、用事が終わったら、次は、俺との用事だ。来てくれ、いいな』
『判りました』
イリオネスは、ためらいなくアヱネアスに胸の内を伝えた。
イリオネスはパリヌルスが来たことに気が付いて振り向いた。戸口に立っているパリヌルスに声をかけた。
『おう、パリヌルスどうした?』
『はい、軍団長、事前協議を終えました。そのことの報告です』
『ご苦労。まあ~、中へ入れ。統領もおられる』
彼は、パリヌルスを招じ入れた。
『パリヌルス、話を聞く』
『報告は二件です。一番目は、明日からのキドニア行きに、新艇のデモンストレーションもかねて、ヘルメス艇を使用したいと考えています。これを許可してください。二番目は、新艇のトレードについて、始めに調査ありきということで、明日、オキテスと私、オロンテスとともにキドニアに出向きます。以上の二件です』
『判った一番目の件、ヘルメスの使用はOKだ。二番目の件は了解した。用向きの詳細は聞かない。以上だ』
アヱネアスが声をかける。
『軍団長、例の件か、動き始めたか。パリッ!存分にやれ』
『判りました』
パリヌルスは報告を終えて浜へと歩を運んだ。彼はヘルメス艇の状態を見て渚に立った。ギアスは、まだ、キドニアから帰っていない。
『まあ~、いいだろう。ヘルメスは充分に手入れされている』
彼は新艇建造の場に足を向けた。建造の場がカタチをなしてきている。オキテスの姿も見える。
『おう、オキテス、万事OKだ』
『おう、そうかそうか、それはよかった。いよいよ、船出だな。新しい時の始まりを感じる。パリヌルス、気持ちがたかぶる、しっかとやろう!打つ手に間違いはない、万端OKだ』
ギアスが帰って来たらしい。彼は舟艇の帰り着いた浜へと歩を運ぶ。
『お~い、ギアス、用事が終わったら、次は、俺との用事だ。来てくれ、いいな』
『判りました』
