goo blog サービス終了のお知らせ 

『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY          第4章  船出  17

2011-11-29 08:03:09 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『トリタス、これで人払いが出来た。ここでは多くは語らん。いいな』
 『はい、いいですとも』
 『統領、よろしゅうございます』
 アエネアスは、話し始めた。
 『トリタス、急な話だ。俺たち、建国のために船出する。いいか。今日これから、エノスの砦を訪ねる。そこで領主とお前を交えて話し合いをする』
 『判りました。同道いたします』
 『道中において要点について話す。腹が落ち着き次第、出かけようか』
 『判りました。私は、いつ何どきでもよろしいです』
 浜衆たちが戻ってきた。
 『馬の準備が出来ました。お頭』
 『では、統領、出かけましょう』
 『うん、出発するとしよう。トリタス、旨かった。ご馳走になった。有難う』
 四人は馬上の人となり浜をあとにした。頭上を覆う色づいた木々の葉の小道を通り抜けて、やや広めに踏みならされた往還道に出た。アエネアスとトリタスはくつわを並べて先頭を歩んで行く、
 アエネアスはトリタスに話しかけた。
 『お~お、トリタス、お前には大変世話になった。それとともに浜衆や集落の者たちにも世話になった。心から礼を言う、有難う。トロイをあとにして、突然、お前たちの浜に来て、上陸のあのときの争いだ。さぞ、驚いたことだろうと思う。そのような俺たちを快く受け入れて、この土地に住まわせてくれた。厚く礼を言う、有難う』
 『そのように丁寧に言われて、私どものほうこそ、痛み入ります。それで、船出のご予定は?』