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『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY          第4章  船出  13

2011-11-23 08:37:39 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『そうだな、デロス島での逗留を除いて8回くらいかな。風待ち、嵐、避難寄港は含めていない』
 パリヌルスの声が響いた。オロンテスは戸口に立って、この光景に見入った。
 『統領、デロスへの寄港だけですね、逗留予定は何日くらいの予定でしょう?』
 『そうだな、逗留は長くて7日ぐらいの予定だ』
 『判りました。航海日程の組み立ては、お任せください。明朝、統領と軍団長に目を通してもらいます。それで承認頂ければ結構です』
 『パリヌルス、俺たちは、もう出かけていいか』
 『よろしいです。日程と航路、途中寄港等については、オキテスと充分に検討します。この季節です、いい航海日和が続く保障がありません。お任せください。クレタ島に無事に着くことをお約束します』
 『判った。パリヌルス、オキテスよろしく頼む。では、イリオネス、ギアス出かけよう』
 イリオネスがそこに同座している一同に告げた。
 『おう、では、俺たちはいって来る。夜はおそくなろうとも砦に帰る。トリタスはここに泊める。明朝のアサイチは会議だ、議事は、お前に任せる。頼んだぞ』
 彼ら三人は、西門前に用意されている馬に乗って出かけた。
 トリタスの浜に向かう道中で、イリオネスはギアスに下命した。
 『ギアス、今日これからトリタスを連れて、エノスの砦へ行くのだが、道中どのような危険が潜んでいるか判らん。統領を身を挺して護ってほしい。いいな。統領は理由があって帯刀していない。統領の身の安全は、俺とお前で護らなければならない。判ったな』
 イリオネスは短く低い声で強く、ギアスに告げた。