一同の気は締まっていた。安堵した日々の訪れは、もう少し先であることを自覚した。
木々から漏れてくる陽射しは、にぎやかであった。吹きぬける涼風が彼らを和ませている。アエネアスは、オロンテスたちを帰した。
『諸君、いいか。これから、戦略会議を開く。アレテスの持ち帰る情報にもよるが、ポリメストルとの戦いは避けることは出来ない。浜頭のうちのひとりからの連絡では、ポリメストルの手の者、三人が夜も明けきらない頃に、サロスの浜をトロイに向けて船出したらしい。目的は、アガメムノンへの援軍要請と思われる。それ以外に考えられない。援軍がこの地に来るとすれば海路以外に考えられない。皆はどう思うか。』 一同は、アエネアスの話に頷いた。
『統領、話を進めてください。』
『今度のこの戦いは、どちらかが全滅する熾烈な戦いとなる。敵も我らの存在を許せないだろうし、俺の気持ちも敵を殲滅すると決まっている。俺の同胞を、俺の市民を、俺の民族を虐げ、その生命を脅かす奴らを生かしておくわけには行かないのだ。皆もそのように心を固めてほしい。』
アエネアスは、これだけ言うと、鋭い目で一同を見渡した。
木々から漏れてくる陽射しは、にぎやかであった。吹きぬける涼風が彼らを和ませている。アエネアスは、オロンテスたちを帰した。
『諸君、いいか。これから、戦略会議を開く。アレテスの持ち帰る情報にもよるが、ポリメストルとの戦いは避けることは出来ない。浜頭のうちのひとりからの連絡では、ポリメストルの手の者、三人が夜も明けきらない頃に、サロスの浜をトロイに向けて船出したらしい。目的は、アガメムノンへの援軍要請と思われる。それ以外に考えられない。援軍がこの地に来るとすれば海路以外に考えられない。皆はどう思うか。』 一同は、アエネアスの話に頷いた。
『統領、話を進めてください。』
『今度のこの戦いは、どちらかが全滅する熾烈な戦いとなる。敵も我らの存在を許せないだろうし、俺の気持ちも敵を殲滅すると決まっている。俺の同胞を、俺の市民を、俺の民族を虐げ、その生命を脅かす奴らを生かしておくわけには行かないのだ。皆もそのように心を固めてほしい。』
アエネアスは、これだけ言うと、鋭い目で一同を見渡した。