浜頭たちとの会同は終わった。アエネアスは、話し合ったことを振り返っていた。考えてみれば、話題は単純のひと言に尽きることであった。礼を述べ、土地の事情を聞いたに過ぎなかった。彼らにも我々について知りたいこともあろうと察せられた。アエネアスは、今日の探索で、今まだ、見えていない明日を覗こうとしているのである。その結果を踏まえて、我々、総勢900のに及ぶ市民と軍団の者たちの明日を安堵させなければならないのだ。彼は、堅く握り締めている拳の中に、その姿の有り様を想像した。彼は、握っていた拳を開いて、じい~っと見つめた。
彼は、イリオネスとオロンテスたちを呼び寄せた。
『イリオネス、オロンテス、どんな具合だ。』
『どんな具合だと言われる具合は、何の具合のことです。』
『お~お、舌足らずであったな。俺たち皆の食糧事情だ。そのことについて打ち合わせておこう。トロイを離れるときに積んで来た食糧が底がつくのに、間がどれくらいあるかということと、そのあとのことだ。パリヌルス、オキテスも呼ぼう。』
彼は、イリオネスとオロンテスたちを呼び寄せた。
『イリオネス、オロンテス、どんな具合だ。』
『どんな具合だと言われる具合は、何の具合のことです。』
『お~お、舌足らずであったな。俺たち皆の食糧事情だ。そのことについて打ち合わせておこう。トロイを離れるときに積んで来た食糧が底がつくのに、間がどれくらいあるかということと、そのあとのことだ。パリヌルス、オキテスも呼ぼう。』