『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  トロイからの脱出  77

2009-06-24 07:27:23 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 イリオネス、アレテス、パリヌルスの3人は、各自の部署に戻り、部下を呼んだ。パリヌルスは2人、イリオネスは1人、アレテスは1人であった。彼らは、役務の遂行にあたり、その指示を、どのような手段で、各船の責任者に伝えるかについて考えた。
 イリオネスとパリヌルスの役務は、ギリシア軍の襲撃と海賊についてである。彼ら5人は話し合った。陸上のことについては、イリオネスに自身があるが、海上のことについては、パリヌルスである。イリオネスは言う。
 『パリヌルス、戦術と作戦については、お前だ。俺は、お前の指示に従う。それでいいな。』
 『おうっ!判った。体当たり作戦で決める。敵が1隻の場合は、当方は、3隻でこれを押し包んで、敵の船腹に船首の衝角を突っ込む。いいな。俺たちの船は、10年も昔の老朽船とは違う、衝角が鋭く、強く改良されている。俺の予想では、敵船は、1隻か若しくは2隻と思っている。イリオネス、そんなに気をもむな。俺に任せておけ。敵兵と闘うときは、船に積んでいる長槍で闘ってくれ。敵も長槍で来るぞ。槍の石突も鋭く尖っているぞ、使うときは充分に注意するようにな。後続の船に伝えるのは俺に任せておいてくれ。』 パリヌルスの言い分にイリオネスは納得した。
 『心得た。パリヌルス、よく判った。機に臨んで、お前の指示を待つ。宜しく頼む!』