『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  トロイからの脱出  71

2009-06-16 07:38:07 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 余談である。この時代の航海における航法は、沿岸航法であった。船から見える地上の目標物、沿岸の風景、情景、状態を見ての航海であった。それらが目視で見えない闇夜の航海は、原則として、しなかった様であったらしい。多島海といわれるエーゲ海においては座礁の危険が大きく、夜の航海は、熟知した海域を航走するくらいであった。広い太洋においての夜間の航走は、星座北斗七星が頼りの航海であったらしい。星の見えない夜は、長途に及ぶ航海はしないようであった。
 天文航法については、未熟であり、肉眼で判別しやすい、太陽、月、星を頼りにしていたのである。星といっても極々限られた星座のみであったらしい。見づらい北極星よりも、星座の中で船のりたちに頼りにされた、唯一の星座が、彼らに『荷車』と言うあだ名で呼ばれた北斗七星であった。