本日の室戸公演の、『ミュージカルオペラ龍馬』は、ほぼ確実に観に行くことができないことが分かりました。
もはや、これまでかと思ったのですが、ふと、ミュージカルオペラのパンフレットを見ると、安芸市民会館で昨日の日曜日に公演があることが分かりました。
というより、安芸市でも公演があることは以前から知っていたのですが、室戸市での公演を見ることばかり考えていて、安芸市での公演は意識の外でした。
室戸市での公演は行けないけど、日曜日の公演の安芸市なら行けるのではないかと思い、昨日の午後2時頃に、心を決めました。
昨日は、偶然にも、天候が悪くて、けっこう大ぶりの雨でした。雨が降るのは、個人的には、好都合でした。
天候が悪かったということが幸いして安芸市まで観に行くことができました。
この雨は、ミュージカルオペラ龍馬の観劇にとっては、幸運の雨でした。これは、龍馬に呼ばれていると勝手に解釈して、雨の中を安芸市民会館に向かいました。
当然、前売りチケットは持っていなかったので、当日券を買いました。
当日券は、20枚程度あったように思います。S席でよかったのですが、S席がなくて、SS席でした。
驚いたことに、席は前から二列目でした。当日券でこういう席に座れてほんとに、幸運でした。
役者の方が目と鼻の先に見えました。写真撮影をしたいと思ったのですが、こういう舞台は撮影は禁止です。
いろんな幸運が重なって、観劇できたのだと思います。
午後5時20分ころに安芸市民会館に着いたのですが、駐車場は満車状態で、北側にある体育館の駐車場に止めました。
ミュージカルオペラの観劇は全く初めての経験なので、どういうふうに始まって、何がどうなるのか期待と不安の混濁状態でした。
ストーリーは黒船がやって来る場面から始まります。
そこからは、史実に沿って物語は展開していきます。
龍馬のことや、その他の登場人物がどういう人物かということが分かっていないと、史実としてのどういう場面が舞台の上で展開されているのか分からないと思います。
前もって、龍馬関連の知識があるのと、ないのとでは大違いです。
キーワードはいくつも出てきます。
尊王攘夷、土佐勤王党、佐幕派、禁門の変、馬関戦争、薩英戦争、生麦事件、船中八策、亀山社中、神戸海軍総連所、さらには、薩長同盟、大政奉還、海援隊、陸援隊、など。
登場人物についての知識がないと会話の意味とか、この人物たちは何を成そうとしているのか理解できません。
ただし、心配してなくても、そういった知識がなくても、エンターテイメントとして楽しめます。
登場人物の中心は、もちろん、龍馬ですが、龍馬役のオペラ歌手の平良交一さんの声量に圧倒されます。
はじめて、オペラ歌手の声を生で聴きました。
登場人物では、龍馬以外には、グラバー役の持木弘さんの存在が大きかったように思えます。
グラバーは英国人なのに、長崎弁らしき言葉を喋るのがなんとも滑稽でした。
龍馬の妻のお龍さん役の森奈みはるさんが何とも愛らしくて、実際のお龍さんよりは、健気な女性に演出されていたように思います。
演技でいえば、寺田屋の女将のお登勢を演じた二宮さよ子さんが際立っていました。
着物の着こなし、所作、身体の動きは、熟練され、洗練されて、他の役者よりは一つ上のレベルの演技をしていたように思います。
登場人物はほとんど、歴史的にどういう人物なのかは分かったのですが、一人だけ馴染みのない人物がいました。
それは、樋口真吉です。土佐藩藩士だと思うのですが、勉強不足で、龍馬とどういう関係なのかよく分かりませんでした。
グラバーと龍馬の会話の中で腑に落ちないことが一つありました。
龍馬は上海に行ったとグラバーが言っていますが、実際は龍馬は上海には行ってないと思います。
これは、演出上のことですから、細かいことはあまり気にする必要もないのですが、龍馬とジョン万次郎が長崎で会うシーンもあったのですが、史実として、二人は直接会ったことはなかったと思います。
ミュージカルオペラ龍馬はエンターテイメントですから、史実と違う部分があっても演出ということで理解するべきです。
舞台は、中休みの時間を含めて、2時間20分ほどでした。ミュージカルオペラですから、場面と場面の合間には、歌があり、踊りがあります。
踊りでいえば、『おてもやん』の踊りが、何気に面白かったです。
鳴子踊りも当然あるのですが、かなり激しい踊りで、高知のほにや系統の和の舞ではなくて、ソーラン系というか、振り付けされているのが國友須賀さんですから、須賀連風の踊りです。
劇の最後の最後で正調の鳴子踊りも登場します。
幕末には、『ええじゃないか』という民衆の踊りが流行っていたので、その踊りも登場するのではないかと思ったのですが、やはり登場しました。
ミュージカルオペラですから、随所に観客を楽しませる演出がされています。
ほぼ満員の観客は歴史的史実を知らなくても、楽しめたと思います。
個人的に注目したのは、『寺田屋事件』と、『近江屋事件』がどういうふうに演出されているかということでした。
寺田屋事件のシーンでは龍馬はピストルでは誰も殺さずに、刀で立ち回りをしていました。
実際のところはどうだったのかは分からないので、この演出が正しいかどうかは判断できませんが、やはり、幕府の捕り方に向けてピストルを撃つシーンがあってもいいと思いました。
さて、劇の大詰めの、龍馬・慎太郎が最期を迎える、『近江屋事件』です。その場面をどう演出しているのか、もっとも興味がありました。
下手人の一人が十津川郷士の名を名のり近江屋の2階に上がってきます。
劇では、下手人は3人で、龍馬は最初に部屋に入った下手人に二太刀浴びます。それでほぼ即死。
慎太郎は刀を抜いて、三人の下手人と闘います。
実際にこの演出のように、慎太郎が戦ったとしたら、慎太郎が数多くの刀傷を受けたことも納得できます。
あくまで、演出は演出で、史実とは違う部分があっても、エンターテイメントとして楽しむべきです。
ミュージカルオペラ龍馬を一言で総括すると、もう一度見たいということになります。
できれば、DVD化してほしいものです。
地方でありながら、こういう一流の役者のミュージカルオペラ龍馬を観劇できたことは、幸運でした。
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