きまぐれ日記

高知県室戸市の地域情報と写真などの趣味の話。時々エッセイ風に。

komomo

2008年06月28日 09時30分51秒 | 本の話
高知新聞で2度も紹介の記事が掲載されていたので、“komomo”という、写真集を買いました。

写真集といっても、純粋なポートレートではなくて、ある少女が屋形に入って、『仕込みさん』から、舞妓、芸妓になるまでのドキュメント写真集というべきでしょう。

カメラマンは、荻野NAO之氏で、幼少時代、小学校高学年から中学校をメキシコで過ごしています。

この写真集の文章は、小桃(komomo)さん自身が書いています。小桃さんも、メキシコ生まれで、3才で日本に帰り、中学時代は、中国で過ごしています。

カメラマンの荻野氏は、子桃さんがまだ、『仕込みさん』なる以前の、中国にいる時から、撮影を開始しています。

カメラマンと、少女には実に奇妙な縁があって、ドキュメント写真集が作られました。

そもそも、中国にいた少女がなぜ、京都の宮川町の屋形、『花傳』の仕込みさんになったのかというと、それは、インターネットで、当時、芸妓だった小糸さんのHPを見たことにはじまります。

舞妓にあこがれていた少女は、小糸さんと、メールのやりとりを始めます。

メールのやりとりは3年間続き、ついに、中国から日本に来て、小糸さんの屋形の『花傳』の仕込みさんになります。

そして、舞妓、芸妓となっていくのです。

その間のほぼ9年間、荻野氏が撮り続けた写真と、小桃さん自身の書かれた文章によって、“komomo”が世に出ることになったわけです。

ふだんは見ることのできない、屋形の内部とか、舞妓さんの部屋の様子とか、お座敷以外の舞妓さんの生活などが、写真と、小桃さん自身の言葉で語られています。

京都の花街を知るための貴重な資料にもなっています。 

自分自身も舞妓さんを撮る機会はあったのですが、お茶屋さんとか、屋形の内部で撮影するということは、もちろんできなくて、限られた場所での、ポートレート風な撮影で、確かに、きれいに撮れるのですが、ドキュメント写真の場合は、舞妓さんの表面的な美しさを撮るだけではなくて、内面を写したもので、ポートレートでは決して、現すことのできない、生身の人間のエネルギーとか、情念とか、存在そのものの気高さを感じることができます。

こんなふうに、一人の女性を長年撮影したいものです。それこそ、カメラマン冥利に尽きるというものです。 

もっとたくさん、舞妓さんを撮影して、広いスペースで写真を展示してみたいものです。

昨年、室戸郵便局のロビーで舞妓さんの写真を展示したのですが、スペースが狭くて、写真展らしくなかったので、ゆったりと、写真の展示できる場所がないものかと思うのですが。

きちんと、写真の展示できる喫茶店などはないものでしょうか。






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