いつものように、若い人に発破をかけていました。
なぜ、そうネガティブなんだ。
出来ない理由ばかり並べてないで、とにかくやってみろ。
ディフィカルトと言うんじゃない。せめて、ノットソイージーと言え。
あおっても、励ましても動かない後輩にこうして、ああしてと
ていねいに説明しておりました。
経理の女性が、私の熱弁を聞いていました。
若い人は、誰だったか忘れてしまいました。
私の声は、いつもフロアー上に聞こえるほど大きかったのです。
経理の人は、一人で昼食をとりその後英語の原書の小説を熱心に読んでいました。
細身で、雰囲気のある方でした。
私の顔を見て、にっこりと笑い。
「ちゃっちゃとやれ。」と私に聞こえる程度の独り言を言いました。
私は、おおっと思い振り返ったのを覚えています。
ただ、それだけのことです。
その経理の方と広報の方が、どうやら悪がき外人と付き合ったようでした。
純情な若い人は、恋に破れて会社を辞めていかれました。
私に、1枚のCDをプレゼントしてくれました。暗い曲想でした。
もう、一人の経理の人は、私と話していた悪ガキ外人の一人と顔を合わせるなり
熱い抱擁を求めました。そしてキスをしました。大胆でした。
周りには私達三人だけでした。こちらはどうやらうまくいったようでした。
悪ガキの方が、赤くほほを染めていたりして、私には可愛く見えたものでした。
悪ガキには、本国に奥さんがいました。
ちゃっちゃとやってくれました。
2015年1月28日