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子供の夏休み最後の週末に、地元の市営プールへ。公式競技にも使われる50メートルサイズで、加えて入場者も少なかったので、どこかのスポーツジムのプールみたいにゆったり泳ぐことができた。
泳ぎ疲れた後は、プールに併設されているカフェで、折角のカロリー消費を相殺するチョコパフェをたいらげて、駐車場へ向かった。
プールは大きな市立公園の中にあり、駐車場までのコンコースの両脇にはアカマツやヒマラヤスギの巨木が立ち並び、長い木陰を作ってくれていたので、強烈な日射しを避けて、木々の下を歩いて行った。
「あ、セミの脱け殻が、いっぱいある!」と息子の驚きの声。見回すとまわりの木の幹のほとんどに、セミの脱皮した後の脱け殻が、しっかり貼り付いている。
大体、地面から2メートル前後の高さで成虫に羽化しているらしい。中には、低いツゲの葉に掴まっているものもあった。
先日とある公園で、命が尽きようとしているセミを憐れんでみたら、お前何様?とでも言いたげにガンをつけられたばかりだったから、この脱け殻たちをいたずらする気にもなれず、神妙な心持ちで観察するに止めた。
成虫に羽化するまでに7年から10年はかかっているそうだから、脱け殻そのものが、一匹一匹のモニュメントみたいなものだ。長い間準備して、ひと夏で命を燃やす、春の桜と同じくらい、儚さを感じるのは感傷的すぎるだろうか。