8月27日にスズキから新型車ワゴンRスマイルが発表された。
一番のポイントは、全高1695mmのセミトールワゴンながら、後席スライドドアが装備されていること。簡単に言えば、ダイハツ・ムーブキャンバスの対抗馬である。
第一印象では、後出しなのにデザインやスタイリングはムーブキャンバスのほうが洗練されている感じが否めない。スマイルの顔つきは、先代のアルトラパンと同じく先代のハスラー、そしてダッシュボード周りは、現行ワゴンR(派生車なのだからあたりまえか)をベースにラパンのカーナビベゼルと単眼メーターを組み合わせてリデザインした感じで、寄せ集め感が強かったのだ。
しかし、よく外観を見直してみると、後席からバックドアにかけては丸四角のエッジを感じさせない柔らかいラインながら、ムーブキャンバスよりもスクエア感が強く、よりミニバスなイメージがある点に特徴があると感じた。
軽自動車の限られたディメンションの中でのスペース効率の追求は本当に素晴らしいもので、タントを始祖とするスーパーハイトワゴンはその端的なものとして評価するものの、やはり高速域での風圧の影響が否めないサイズと言われる。しかし、ワゴンRよりも若干高い程度の車高で、短いボンネットに四角く凝縮感のあるキャビンはコンパクトカーとして、ホンダが3代目ワンダーシビックのときに唱えたマンマキシマム・メカミニマムのMM思想を一番体現していると思う。
またムーブキャンバスに装備されていないものとして、マイルドハイブリッドシステムがある。日産デイズ/三菱ekワゴンほどではないが、発進時のトルク補助にモーターアシストが入るのは少しだけ環境に配慮しているかなとフル電動車がない軽自動車の中では、CO2排出する罪悪感を軽減してくれる。
それからワゴンRの美点である後席フルフラットがスマイルでも実現できている点。キャンバスでは後席を倒しても傾斜がついてしまい、助手席からのロングフラットが作れない、という弱点があり、車中泊にはやや使いにくい。
おそらくムーブキャンバスも、すぐにマイチェンして対抗した追加装備または価格引き下げをやってくることが想定されるので楽しみにしている。
今の時点では買うなら、ワゴンRスマイルにするだろう。