Afternoon Avenue 25 (by hide_boo)

Perfumeと乃木坂46、IZ*ONEなどのアイドルやクルマやバイク、好きなものついて、だらだら綴ります。

His Life,Her Life

2020-07-25 23:39:48 | Weblog

先週、2つのニュースが自分にとって衝撃的だった。
俳優・三浦 春馬さんの死去、そしてALS患者の嘱託殺人事件である。

後者について、二人の医師の「安楽死」幇助の是非は論じるつもりは無いが、SNSだけの繋がりで、いきなり安楽死を「処方」するなど考えにくい。それはかかりつけ医が長年寄り添って、本人の尊厳や家族の気持ち・事情を十分理解した上で判断するべきものであり、安楽死制度が認められている国でも許されるものではないだろう。

だがそこには推測の域はでないが、ALS患者の方の生を継続することへの絶望・安楽死を求める意思があったこともおそらくは事実であり、そこに生き続けることが果たして「正義」なのか、本当の人間の尊厳がどこにあるのか、改めて考える必要があると感じた。

そして、三浦春馬さんもこのALS患者を主人公とする物語の主演をなさっていたことがある。すべてを視聴したわけではないが、徐々に身体を蝕んでいく病気に対する絶望や生への向き合う姿勢を好演していたと記憶している。

もちろん演じることと、実際は違う。

それでも、三浦春馬さんの仕事場での評判から、非常に気配りをされる方であったことからして、演じる際にはかなりALSについて学習したり、実際に患者さんと面談したりはしていたのではないか。そこで、彼なりの命に対する学びはあったはずと思う。

発見された状況から、自殺である可能性が高いと報じられている。彼が何に絶望したのか、気配りができるからこそ、逆に相手の迷惑を考えすぎて相談ができなかったのか、命を絶つ前に自身の気持ちを誰かに伝えることが出来なかったのか、本当に残念で仕方がない。

ブラッディマンデイのハッカー・ファルコン役が大好きだったファンの思いである。



Make you happy / NIZIU(JYPEntertainment+SonyMusic)

2020-07-12 14:55:50 | Weblog
6月下旬に好評を博して終了したJYPエンターテインメントの日本人オーディション「NiZi Project」から生まれた NIZIU(ニジュー)の”プレ”デビューデジタル配信曲、「Make you happy」が6/30にリリースされた。


サプライズに近い形で、同時にMVもYouTubeで公開され、7/12、約13日目で再生回数はなんと4500万回を突破している。
このMVに対するリアクション動画の数もすごく、既に10以上を観させてもらっていて、日本語歌詞であるにも関わらず、プレデビュー段階で一気にグローバルなファン層を獲得してしまった。

これまでJ-POPは、ほぼガラパゴスな市場なんだと思っていたが、オーディションをコンテンツとして公開し、K-POPの手法でプロデュースされれば、日本語曲でも「聞いてもらえる」のだということを一気に証明してくれた。

作曲はパク・ジニョン本人ということで、こういうポップな曲もかけるのだと柔軟な音楽性には感心。

自分としては、大サビで炸裂する、ラップパートでマユカの日本語ラップとリマの絞めの「~you're my favorite song!!」が小気味良い。


MVでびっくりしたのは、マユカの金髪ながらファニーな印象と、お姉さんキャラだったマヤがまさかの黒髪ドレッドで可愛さ+カッコよさを打ち出したところ。もうこれはビジュアル演出とメイクスタッフが素晴らしい。

初期のTWICEの可愛らしさを彷彿とさせるが、もっとポップで日本人が聞いても聞きやすい、K-POPに偏りすぎない匙加減が効いているように思える。


そしてファンは、NIZIUがオーディションで参加者1万人以上の中から選ばれた「スペシャル」であると同時に、そのオーディションで様々な苦難を乗り越えた姿を知っていて、又、すでにメンバー一人一人のキャラクターを理解している。
このデビューに至る過程を知っているから、この曲も単に可愛い曲というだけでなく、NIZIUの待望のデビュー曲であり、非常に大事な曲であることを分かっているからこそ、そのファンが日本や韓国だけでなく、様々な国に存在していることが、デジタル配信チャートやMV再生回数のとんでもない記録を生みだしているのだ。

JYPではこのいきなりのグローバル展開をどの程度予想していたのだろうか?

根拠は無いが、おそらくは想定以上のファンダムが誕生しつつあることに驚いていることだろう。

オーディション半ばまではおそらく、IZ*ONEのような日韓キャンペーンで売れてくれればというレベル感だったと思う。ところが、ふたを開けたらとんでもないことになった。グランドデビュー曲(ミニアルバムCD+デジタル配信になるだろう)のプロデュースの方向性を日韓対象に安全パイでいくか、もっとグローバルに受け入れられそうな曲調に変えていくか、嬉しい悩みを抱えることになったと思う。

そのようなプロデュースになるのか、次回曲が本当に楽しみだ。

絶望の後で / NGT48(ユニバーサルミュージック)

2020-07-12 13:52:21 | Weblog
NGT48のニューシングル「シャーベットピンク」の7/22リリースが決定し、ミュージックビデオが公開された。7/10公開でブログを書いている2日目午前でまだ8万回再生といったところで、アイドルのMVとしては出だし厳しい状態と言える。

絶賛を博しているJYPのNIZIUが2週間足らずで4500万回に迫っている状況(コンセプトもYouTubeなど全世界にオーディション番組が配信されていたなどバックボーンも全く違うけれど)を同じアイドルグループという目線でみれば、完全に置いて行かれている状況だ。

NGT48の誕生前後は、北原里英の移籍再スタートや、時間をかけた地域密着型の活動の醸成でみせたひたむきさなど、応援したくなるグループであったことには違いなかったし、閉塞感が生まれていたAKB48グループの中で、大きく伸びようとしていた。しかし、2019年1月に表面化した元メンバー山口真帆の自宅前暴行事件の発生、不透明な運営やメンバーの関連性、メンバーのSNSでの疑念を持たれるような不適切な表現、あまりに内情に詳しすぎる文春砲の記事、いろいろなことが重なりすぎて、いまや法的にも事実を解明することが困難になり、運営からの明確で納得のいく説明がないまま、時間が経過してしまった。

そして今年、運営会社の体制が刷新され、1年8か月振りにニューシングル発売で再始動しようとしている。

おそらく当初からのファンは、もやもやを抱えたまま、素直に応援できないというのが正直なところであるはずで、NGTは今後新たなファン層を開拓しなければ未来はないだろう。

そのニューシングルのカップリング曲が今回紹介したい「絶望の後で」だ。


曲調は厚いストリングスでアレンジさせた疾走感のあるアップテンポなもの。歌詞はまさにNGT48の現況そのものを歌っていて、絶望の状況にある中で、予定調和的な希望に満ちた内容にはせず、絶望そのものを歌いきっている。だが、その行間からはメンバー一人一人にこれからどうするのかを問いかけているように感じる。

この歌詞の書き方から、秋元PDが直接的に関与できない状況にあった可能性もあるのかな、と想像するが、単純に距離を取っていただけかもしれないし、それもまた闇の中だ。

MVでは草原にたたずむ選抜16人のメンバーの引きとアップを繰り返し、そこに本間日陽の登山の様子を挟み込んで進行する。
ドローン撮影で俯瞰される細い登山道は、まるでNGTの歩みの危うさを表しているかのようで、途中急こう配の道が本間を苦しめる。
頂上に到着して、本間日陽がその山の鐘を鳴らすと同時に、それまでほとんど動かず、リップシンクだけだったメンバーが大サビで踊りはじめる。


それは決して、「解放」のものではない。


まだ苦しい道が予想される、険しい表情のままだ。

それでも歩きはじめる、その意気だけは共感できる。

曲は改めて聞き返すと、ストリングスや大サビのドラムパターンが、乃木坂46の「君の名は希望」を彷彿とさせる。
「君の名は希望」では、恋愛で世界と向き合いはじめた主人公の希望を歌っているが、この曲はいまだ沈んだ世界にいながら、一歩踏み出そうとするNGTそのものなのだ。