キャプテン・北原里英の完全移籍やドラフト2期生として指名された荻野由佳・西潟茉利奈等のストーリーに惹かれて、結成当初から注目していたNGT48。
先日、NGT48のサードシングル「春はどこから来るのか?」が4月11日に発売すること、同時に選抜メンバーも発表され、総選挙でも選抜入りした本間日陽がセンターをつとめる。
同グループのファーストシングルは昨年の2017年4月12日発売、セカンドシングルが同年12月6日の発売だった。
1期生の合格発表を結成とみれば、2015年7月からメジャーデビューまで1年9か月かかり、セカンドシングルまでは8か月とAKBグループとしてはスローペースだったが、ここにきて、サードシングルは4か月で発売となり、リリース期間が短縮されることになった。
CDリリースでNGTが他の姉妹グループと異なるのは、ソニーレーベルであるアリオラレコード所属であることだ。
ソニーには坂道グループである乃木坂、欅坂があり、運営もソニー側が担っているが、NGTは運営はAKS、CDはソニーという初期のAKB48と同じ形なのだ。
ソニーとしては逃がした魚は大きかったAKBの二の轍を踏まないように、乃木坂では自社運営とした経緯があるが、今回NGTについてはじっくりその人気を計りながら、セカンドシングルのリリースを決めたように思える。
昨年の総選挙でのNGTメンバーの大量当選、リクアワでのNGT関連曲全曲ランクイン等、その勢いはソニーの慎重姿勢を転換させてしまったようだ。
NGTは北原里英の4月卒業後、兼任の柏木由紀を除けば、西潟茉利奈が22歳で最年長となる布陣は非常に若い体制になり、普通ならキャリアのある北原の離脱は大きな不安が伴うだろう。
しかし、新潟・富山ローカルながら冠番組である「にいがったフレンド!」を見ていると、他のグループ番組と異なり、スタジオ収録無しでMCのロッチも全編ロケに同行するスタイルであることから、毎回3名の出演メンバーとロッチの二人との関係性が非常に濃く、メンバーの個性がどんどん引き出されことによって、中井りかや加藤美南などの主要メンバーはともかく、研究生の中村歩加や西村菜那子等もその個性が発掘され、清治麗菜や佐藤杏樹等MC力抜群な若手まで育ってきている。
既に1年超番組が継続されていることや、その他のメンバーも3名限定で2週分収録という露出の多さで、ファンにとってはそのキャラクターを理解するのに非常に有用なコンテンツになっており、当初は顔と名前が一致しなかったメンバーや、目立たず将来が心配なメンバーもあったが、その不安を打ち消したこの番組の功績は大きい。
こうした地元メディアの厚いバックアップは、グループ全体のレベルアップに大きく寄与しているだろう。
そしてもうひとつは北原里英のグループへの関わり方がある。
HKTの指原莉乃のようにプロデューサー的な立場でグループの方向性を緻密に作っていくのではなく、時間はかかるが、メンバー一人一人と関係性を作って、個性を大事にしながらグループを支える、縁の下の力持ち的な役割で臨んだように思える。
引っ張るのではなく、支えるという彼女の姿勢に、結成からの準備期間は「不遇」なのではなく、NGTを作り上げる上で非常に重要な時間だったと言える。
彼女が作り上げたチームワークが仕上がっているからこそ、中井りかの暴走キャラが許され、昨年の総選挙以後のNGT台頭という勢いがついても、振り回される様子もない。
北原卒業以後のサードシングルと総選挙でNGTがどんな動きを見せるか、昨年の勢いそのままという訳にはいかないだろうが、安定した活躍を期待したい。
総選挙では速報でおぎゆか5万票超の結果に対して不正投票なんて噂もあったが、リクアワでの全曲ランクインも含め、その票田には驚かされた。指原と同じ規模の票田が出来上がっているとすれば、次回総選挙も北原離脱があってもランクイン人数がさらに増える可能性が十分にあり、今から楽しみである。