紅白選出に向けての乃木坂46の夏の陣が、「真夏の全国ツアー2015」明治神宮野球場2DAYSの千秋楽をもっていったんの区切りをつけた。
セブンイレブンフェア、映画「悲しみの忘れ方~Documentary of 乃木坂46」、12枚目シングル「太陽ノック」、ドラマ「初森ベマーズ」、真夏の全国ツアー2015と5つもの柱となるキャンペーン、活動があり、夏場の各メディア露出度はAKB48グループと対等か、それ以上になった。これに加えて「欅坂46」のオーディション。個人仕事を含めれば、選抜組はほとんど休みなどなかっただろう。以前の記事にも書いたが、ドラマ撮影が8月の半ばでやっとクランクアップしたという過密スケジュールは、メンバーのモチベーションが高かったからこそ、こなせたもので、その影響が短期間で製作されている12枚目、13枚目のシングルやライブでのパフォーマンスに現れてきてしまっているように思う。太陽ノックのPVはそれまでのドラマ性やメンバー間の関係性を展開した奥の深い作品であったように思うのだが、太陽ノックでは、ガールズルールっぽい合宿テーマながら、気づいたら片思いのような感動はなく、生駒ちゃんをどうしたかったのか、あらすじだけでもしっかりしてほしかったのが、なんとなく可愛く撮れたシーンをつなぎ合わせたような感が強かった。「命は美しい」ではストーリー性はないものの、強烈な月のイメージと激しいダンスシーンで力技で押し切るような迫力があった。
太陽ノックの各タイプのPVは見切っていないのだが、ダンスシーンが揃っていなかったり、という感想、コメントも見られたりする。アイドルなのだから、そこまで追い込まなくても、形になっていればいい、という割り切りも売っていく上で必要なのかもしれないが、シングル=歌とダンスはやはりファンに直接訴えかける一番大事なコンテンツであり、歌自体の感動、グループやメンバー間の関係性にストーリーを感じ、だからこその神推し、箱推しのファンが生まれるのだ。だから、48グループとの差別化を図る上でも、よりアーティスティックにシングル製作は時間とお金をかけて、より「いいもの」を作ってほしいし、メンバー個々のスキルアップも同様に運営側でもっと時間をかけてほしい。
13枚目シングルは、昨年の「何度目の青空か?」のように”これで紅白を獲る!”といった思いが詰まった渾身の一作、というには、選抜メンバー、神宮でのパフォーマンスを見た限り、「軽い」と感じてしまった。「何度目の青空か?」は初めて聴いたときのスケールの大きさ、サビの突き抜け感、乃木坂らしい内面的なテーマ、といった感動が、乃木坂を代表する作品として、今年のライブでは「君の名は希望」「悲しみの忘れ方」と一緒にオーケストラバージョンでフィーチャーされた。メンバーもファンもこれこそ乃木坂、という思いが一致した作品なのだ。13枚目シングル「今、話したい誰かがいる」も曲としては悪くない。ただ、この紅白選出を意識する時期に出すシングルとしては、選出されたメンバーも含めて、「暫定感」が強いのだ。
「何度目~」のときも、選抜メンバーはほぼ固定されてきて、初選抜は斉藤ちはるだけという既に閉塞感が出てきていたのだが、それでも2期生の原未央奈がいたし、星野みなみが若さをフォローしていたので、まだ次へのつながり感はあった。しかし、13枚目では2期生枠が消滅。西野、白石のフロントレギュラーによるダブルセンターは意外性に乏しいし、12枚目アンダーセンターの中元日芽香が選抜されなかったという残念な感じが強い。唯一、今まで2~3列目ばかりだった、衛藤美紗、深川麻衣がはじめて1列目に立つという部分は個人的に思い入れが出たが。
映画の主題歌、という側面を考えるとややシングルとしての賞味期限が期間限定になってくるので、11月から12月あたまにかけて、まさかの14枚目シングルを紅白対応で「ぶっ込んで」くる可能性もあるかもしれない。それならひめたんの13枚目選抜落ちの意味も納得できてくる。13枚目期間はアンダーライブの柱となり、14枚目ではその波に乗って、選抜として紅白に立つ、というストーリーも出来てくる。(だってらじらーであれだけ推していて、紅白ではBABYMETALとの共演もありえるのだから)
自分の勝手な解釈と妄想に過ぎないが、なんかだんだん14枚目の年内リリースがあるような気がしてきた。選抜メンバーも含めて、やっぱり「次」につながる乃木坂を見たいもの。
真夏の全国ツアー2015そのものは、2月の西武ドームバースデーライブの7時間が大きな糧になり、集中力が途切れることなく、2期生を含めすべてのメンバーの意識が高かったようで、ライブについて残念なコメントはほとんど見られなかった。自分はあくまでYouTubeなどで部分的にライブを見たに過ぎないのでえらそうなことは言えないけれど、毎回変わるVTRやセットリスト、そのもてなし感は在宅オタにも十分伝わっている。そして、君希、何空、悲忘のオーケストラ、生田ピアノバージョンを本編最後に配置する感動のパフォーマンスは、メンバー自身やスタッフがしっかり今の乃木坂らしさを把握しているように見えた。この3曲の「軸」があるから、また、新しいものに挑戦できる。
そして、プリンシパル中止の上での、舞台「リボンの騎士」「すべての犬は天国に行く」、10月のアンダーライブ、アンダーライブ武道館2DAYS。舞台はキャプテン桜井玲香が2作連チャンで大変そうだが、生田主演、若月共演でどちらも「じょしらく」とは違って、締まった作品になるだろう。(じょしらくもありなんですけどね)そしてアンダーライブはついに初期から目標になっていた武道館開催。昨年の有明8000人動員は本当に驚きと感動があった。セカンドシーズンとして伊藤寧々の卒業というストーリーで盛り上がった感はあったが、やはり8000人という数字はそれだけではなく、乃木坂アンダーメンバーの地力が無ければ無理だと思う。今年は2期生全員(舞台で新内は抜けるか?)に中軸の永島、川村、中田、ひめたんが健在で、そこに斉藤優里も入るし、2期生休業中の山崎怜奈もおそらく復帰するので、実はライブメンバーとしてはかなり充実しそうなのだ。10月のアンダーライブがソールドアウトを達成できれば、武道館も埋まるだろう。
で、12月17日(木)、18日(金)というアンダーライブ武道館の日程なんですが、実は19日(土)、20日(日)も乃木坂LLCが押さえていて、4DAYSでメリークリスマスショーをぶっこむってのもあったりするのかと邪推してしまいました。。。。でも、ありそうだような、、、