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今年3月に発売された故・大瀧詠一さんや彼の作品についての記事、評論を総ざらいしたレコードコレクターズの増刊号。つい先日、近所の本屋で最後の一冊を見つけて、慌てて購入した。1620円はちょっと高かったが、今までレコードとCDでしか知らなかった「A LONG VACATION」の裏側、というかA to Zともいえる内容の濃さで、あまりのボリュームにまだ前半の2、3の記事しか読んでいない。そんなところでのレビュー。
「A LONG~」のCDに20周年版、30周年版のリマスターがあることは知っていたが、特に30周年版にオフ・ボーカル・トラック、つまり純粋なカラオケが入っていることをこの本で初めて知って、「EACH TIME」のリマスターと一緒に購入したくなっている。20周年はたしかにリードシンセが入っていて、アレンジの構成を聴きとるには邪魔だった。
記事の中では、冒頭に掲載されている能地 佑子さんの「とけない魔法がかけられた唯一無二の”歌謡曲”」の中で書かれていた「飽きない」の一言に激しく共感した。「A LONG VACATION」を初めて聴いたのはアナログLPで中学生の時だったが、それ以来、カセット、MD、DAT、CD、MP3とメディアは次々変わっても、かならずダビングして音楽プレーヤーの中に入れている。大瀧さんのやるせないボーカル、いろいろな仕掛けがされているらしいアレンジ、切ないメロディー、松本 隆さんの情景とモノローグの交錯した短編小説のような詞の世界、そうしたものが聴くたびに入れ替わり、立ち替わり、私の心を刺激してくれる。自分にとっては「音の楽園」なのかもしれない。
まだまだ他にも色々な記事があって、読むのがもったいないくらいで、じっくりと読み進めているが、これ、図書館で所蔵してほしいくらいの「資料」である。読むとすべてのCDをコレクションしたくなってきそうで恐ろしい。すくなくとも30周年版は買うぞっと。
PS
最近、乃木坂46の外仕事というのか、個人や何人かのメンバーがいろいろなメディアに露出していて、もはや追いつけなくなった。そんな中で、4月からフジではじまった水曜歌謡祭に白石麻衣と生田絵梨花が2週連続で出演している。この番組、とにかく歌のうまい(あたりまえか)プロが集まってコラボしていて、FNS歌謡祭や僕らの音楽の流れを組んでいる。その番組には、乃木坂46やAKB48がコラボメンバーとして出演しているのだが、やはり歌一筋の方々とのパフォーマンス力のギャップが大きくて、見ている側がハラハラしてしまった。
特に白石麻衣が参加した山口百恵の「PlayBackPart2」では、華原朋美、May-Jとのコラボは、少々厳しい出来だったかもしれない。白石麻衣は乃木坂の中では、素人から出発してボーカルもダンスもメンバーの中では成長してはいるのだが、あくまで乃木坂での話で、華原朋美から引き継ぐ箇所で、歌い始めの音程がふらついたときに華原朋美がおそらく失笑していたのが画面にうつっていた。もし自分が白石麻衣の立場であれば、これは相当に悔しい。いわば乃木坂の顔である白石麻衣としては、乃木坂はこの程度と思われるのではないかと絶対に思うはずなのだ。
乃木坂運営がこの歌番組に敢えて乃木坂46の中心メンバーを投入したのは、パフォーマンスのギャップを知りながらも、メンバーの成長を促す意向なのかと考えたが、それならもっと十分なボイストレーニングやレッスンを番組に参加する下準備として、時間を取るべきだ。先日エムオンで放送された1周年バースデーライブの中で、渋谷ブルースを白石麻衣と高山一実が生歌で披露していたのは実に見事で、しっかりリハーサルができれば、プレイバックパート2だって歌いこなせる実力が白石麻衣にはある。
翌週、SMAPの「夜空ノムコウ」を和田アキコさんとコラボしたときには、和田アキコさんがしっかり白石麻衣をフォローしてくれて、アイコンタクトでハーモニーパートをリードしてくれている素晴らしい場面があった。もちろんまだまだ歌唱の面では番組のレベルに追い付けないにせよ、こうした素晴らしい先輩とかかわることで成長してくれるかもしれない。もし、白石麻衣がこの番組をチャンスとして、歌唱力を生田絵梨花並みに伸ばすことができれば、ビジュアル・パフォーマンス両面で真に乃木坂の顔になる。ファンとしては、厳しいオーダーを頑張ってこなしてほしいと願うばかり。がんばれ!まいやん!