前作からかなり待たされた選抜発表を経て、ようやくミュージックステーションやラジオで披露された乃木坂46の新曲、14枚目のシングル。
乃木坂46の表題曲としてはおそらく初めて、このシングルをもって同グループを卒業する深川麻衣個人に当て書きされた歌詞となっている。
それ故、乃木坂ファンにとっては感涙むせぶものがあるのだが、一般向けとして考えると、云わば卒業するメンバーへの送辞的な歌詞になっていて、
乃木坂のスタンダードである「君の名は希望」や「何度目の青空か?」のようなストーリー性が薄いために感情移入、共感が得にくいかもしれない。
それを思うと「君の名は希望」は本当に傑作なんだなあ、と改めて感じる。
しかし、今後の深川麻衣の卒業までのイベントやライブが進むにつれて、この曲は今の初披露した時点よりももっと大きい存在になる可能性も秘めているように思う。
「君の名は希望」だって、メンバー一人一人の個性や過去の事情が徐々に知られるにつれて、歌詞とメンバーの思いがリンクして、少しづつ乃木坂の神曲になったのだから、
この「ハルジオン~」も深川麻衣の卒業とともにひとつのスタンダードになるかもしれない。
曲調は春らしい、又、卒業をテーマとしたと感じられるアップテンポでストリングスを厚めに配したアレンジ、口ずさみやすいメロディーで、前作「今話したい誰かがいる」
から続けて担当しているAkiraSunset氏とAPPAZI氏の共作。君の名は希望のUSAGIの杉山勝彦氏と同様に乃木坂のイメージを大切にして作られているように
感じられ、両氏はおそらく今後も乃木坂の楽曲を担っていくだろう。
いつも拝読している「ジョン・アレチボルトの冒険」ブログによると、今回握手会参加券付きCDが前作までペースを上回る売上が上がっているそうで、やはり紅白
効果と深川麻衣の卒業の話題など乃木坂46を勢いづける要素はたくさんある為だと思うが、一般販売がどれだけ伸びるか、2016年の乃木坂を計る大事な1作になるだろう。
インターネットの無料放送でメンバーの素を全開にした「乃木坂46時間TV」の中で、なんと第3期生募集のアナウンスが行われた。確かに永島聖羅、深川麻衣という選抜・アンダー
双方の主要メンバーが卒業するという点で、新陳代謝として新しいメンバーを加入させるというのは分からないではないけれど、今の2期生ですら選抜に挙げられない状況の中で、
募集するなら2期生の充実にもっと力を注いでくれ、と運営に申し上げたい。
乃木坂46時間TVの中で一番感動したのが、自分は初めて視た、2期生 伊藤純奈、寺田蘭世、佐々木琴子、渡辺みり愛、鈴木絢音、山崎怜奈6人がパフォーマンスした深川麻衣
セットリストライブでの「ボーダー」だ。さすがにアンダーライブで鍛えられたダンスは思った以上にキレがあってカッコよかったし、歌唱も特に伊藤純奈の力強さが印象に残る等、
選抜メンバーが一人もいないユニットなのに、これからの可能性を秘めた存在感を示していたように思う。
アンダーライブの全国ツアーが始まるが、それが2期生やアンダーメンバーの終着点ではない。握手会でも2期生の売上は増加していると聞くし、現行選抜メンバーとは別チーム、
別ユニットでシングルを出して、新しい乃木坂の形を試してみてもいいのではないだろうか。なんかだんだん2期生推しになってきたかしら?