じぇじぇじぇ~!ってことで、ついにあまちゃんが昨日最終回を迎えた。4月からの放送開始から遅れること3カ月、7月からハマりはじめて総集編やら朝まであまテレビやら音楽会やらファンの集いまで録画しまくり、どっぷりあまちゃんの世界に浸かっている。
自分だちの世代には「あるある」が多すぎる小ネタの大群。細部にこだわりすぎていると思いきや、どんでん返しを喰らわすクドカンの脚本。クドカンの脚本を忠実、且つ大胆にアドリブ芝居まで採用して盛り上げていくNHKの演出陣。まあ、朝ドラという枠でよくぞここまでやったと、驚きの連続だった。
毎朝15分という短さは、ドラマに集中できるし、集中することで画面のあらゆる場所に仕掛けられた小ネタを見つけ出すことができ、それにとらわれているうちに予想外のストーリー展開に足元をすくわれている。
能年怜奈は、最近の出演作、高校生レストランや鍵のかかった部屋でも見ていたし、あさイチや音楽会、伝えてピカッチなどの出演もチェックしたが、失礼ながら彼女自身というより、やはりあまちゃんの天野アキを演じている能年怜奈が抜群の魅力を持っていたのだと感じてしまう。
1回目の放送ではもう19歳だったはずの彼女は役そのものの16歳にしか見えなかったほど、幼い感じだったのに、ストーリー展開とともにどんどん素顔をさらけ出して、やりたいとおもったことに片っ端から挑戦していくアキの成長が、能年怜奈自身の成長と見事にシンクロしてしまった。もちろん彼女自身にも集中力やアドリブに強い一面や、綾瀬はるかや大竹しのぶに通じそうな天然といったチカラで、ドラマの中でコメディエンヌとしての才能が発揮されていると思う。しかし、海女のアキちゃんの魅力は彼女一人の力だけではなく、夏ばっぱ、春子ママとぶつかって育まれる家族関係、面倒臭い腹黒ユイちゃんとの親友関係、種市先輩やミズタクとの男関係、いっそんやヒビキ、ストーブさんに対する強気に攻める関係、さまざまなシーンが天野アキの魅力を生み出し、またそこに収束されていく。
能年怜奈を言葉を借りれば、大人の顔をした幼稚園児が集まっている北三陸の面々。クドカンはスナック梨明日のようなたまり場での会話のやりとりを描くのが抜群で、一人一人のキャラクターがしっかり立っているから、勝手に登場人物が話し始めているような感じがする。長内夫妻はストーリーの展開上、息子を亡くした過去や震災後仮設住宅に入っているなどの身の上が明かされているが、弥生さんや美寿々さん、花巻さんは私生活まではあまり明かされていない。しかし際立った性格設定と演者のパワーで勝手に視聴者がどんな人生送っているのかが想像できてしまう。だからキャラクターに対する共感がよりいっそう深まり、リアスのボックス席でくすくすほくそ笑みながら、彼らの会話を楽しんでいるのだ。
当分は大多数の方と同様に1話からリピートする生活になるだろう。10月14日の総集編がどんな編集になるかも楽しみだし、あまちゃん2、またはスピンオフ(いったい何パターンできるだろう。有り過ぎて恐ろしい)が作られる可能性は高いと思う。ちゅらさんが何度かスペシャルで後日談を描いているし、それ以上のインパクトがあるあまちゃんなら、NHK側のハードルは低いはず。あとはキャスティングの問題だけだろう。
とにかく主演女優がアイルビーバックと宣言しているのだから、どんな形でも新作を実現してほしい。