もう大晦日。
午後から晴れたので、本日の夕食材料を購入するべくカミさんと歩いて近くのスーパーへ向かう。
道すがらの家々の玄関を見ていると、正月飾りをしているお宅が非常に少ないことが分かった。
正確に件数を数えたわけではないが、印象からは6割近くの家が飾っていない。3割がごく小さな飾りやコンパクトな松飾りとしていて、それこそ見栄えのする豪華な正月飾りをしているのは1割程度。
カミさんの意見では、スーパーで購入できる正月飾りも1000円前後はするし、1日の食費を考えたら、おいそれと正月飾りも買えない物価高ってことなのではないかとのこと。
なるほど、世間では賃上げの空気がだいぶ強まっているが、それ以上にモノの値上げのスピードが早い。正月飾りという慣習を捨てても一食の費用を浮かせなければならない、そんな切実な世相が表れているのかもしれない。
「衣食足りて礼節を知る」
とうにクルマのフロントグリルに正月飾りをすることもほとんど廃れているし、年賀状もメールやSNSで代用される時代に、玄関の正月飾りもなくなっていくも当然なのだろう。衣食足りて、、、余裕ある世の中にならなければ、礼節を重んじる慣習やしきたりも消えていくということかもしれない。
ウクライナ紛争もイスラエル・パレスチナ紛争もいまや日本の経済に影響を及ぼし、対岸の火事ではなくなっている。国際社会が安定しなければ環境問題対策も先送りにされていく。正月飾りが消えていく現実からそんなことを考えた午後だった。
正月飾りがされないことを批判も否定もするつもりはない。世間体を気にするよりも節約せざるを得ないのが今の世の中なのだから。