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Untersee-Boot

あるいは感想記として

『スポーツドリーム』 5/30

2009年05月31日 | スポーツドリーム
今回のゲストは、ラグビー元日本代表の松尾雄治さん。

松尾さんといえば、新日鉄釜石で日本選手権7連覇。
少し前まで1月15日の成人の日に日本選手権を見るのが恒例、いや、ラグビー&晴れ着姿が風物詩という感じでしたので、松尾さんの勇姿もよく憶えていますが・・今は成人の日っていつだっけ?
日本選手権も成人の日開催ではなくなってしまいましたし、う~む、昭和は遠くになりにけり、であります(笑)。
・・そんな昭和話は置いといて(笑)。


松尾さんは、「運動しかやるな、勉強は一切するな」というお父さんに育てられ、小学5年生からラグビーを始めたそうで。
家に遊びに来た友達がラグビーボールを見て、「丸いの(ボール)ないの?」と言ったときには、お父さんから、

松尾 「「お前らなに言ってんだ、このボールこそ君たちの気持ちがね、このボールに入るんだ」って言うわけよ。その、「丸いボールなんていうのはね、投げたらそっちいきっぱなしだ」と」
南原 「(笑)」
松尾 「「このボールはどこ行くかわからないし」」
南原 「そうですよね」
松尾 「「一人じゃ遊べないようになってるんだ」って言ったんだな」
南原 「一人じゃ遊べない、なるほど」
松尾 「壁にぶつけても返ってこないでしょ」
南原 「ホントですよ」
松尾 「変な形してて」
南原 「はい、楕円形の」
松尾 「だから「皆で遊ぶためにね、このボールは出来てるんだ」って言われて」
南原 「あ、なるほど」
松尾 「えぇ、すごくね、うちの親父はね、全然勉強してないんですけど」
南原 「うん」
松尾 「哲学者なんですよ」
南原 「それはでも真理ですね、ひとつの」
松尾 「そうですよねぇ」
南原 「一人じゃ遊べないように出来てる」

と言われたとのこと。
で、続けて、

松尾 「だからラグビーから得たものっていうのはホントにね、格好いいこと言うようだけど、自分では、一人では何も出来ないってことなんですよ。だから皆で何かしよう」
南原 「はい、はい」
松尾 「ね」
南原 「はい」
松尾 「それで、その中でやっぱり僕も、座右の銘で、最近ね」
南原 「はい」
松尾 「なったんだけども」
南原 「はい、はい」
松尾 「個性尊重というね」
南原 「おぉ」
松尾 「一人一人ほら、顔も全然違うじゃないですか」
南原 「違いますよ」
松尾 「俺、こんな変な顔してるし」
南原 「いやいや」
松尾 「ね」
南原 「体格も違うしね」
松尾 「全部違うんですよ」
南原 「はいはい」
松尾 「その違う人たちと」
南原 「はい」
松尾 「どう生きていくかっていうことが大切じゃないですか」
南原 「それ世の中の縮図みたいなものですよね」
松尾 「そういうことですよ、それがラグビーなんですよ」
南原 「なるほど~、良いこと・・」
松尾 「終わっちゃったじゃないですか」
南原 「いや、まだまだです(笑)」
松尾 「ハッハハハ」
南原 「まだまだです(笑)、終わってないですよ(笑)」

というやり取り(笑)。
この手の話は喋りなれてるという感じの松尾さんと南原さんの上手い相槌で、番組開始早々話がいい感じにまとまってしまいましたが、もちろんこれで終わりではなく(笑)、続いては、今、松尾さんが監督をやっている成城大学ラグビー部の話に。
松尾さんは幼稚園から高校の途中まで成城(松尾さんいわく成城は「その当時はどこも行くようなところがない方とか、どうしようもなくてどこも受け入れられない子たちが行ってたことが多いんですよ」とのことでした(笑))だったので、成城大学の監督に就任したとのことでしたが、

南原 「いや、僕ね、すごく今気になってるのがね」
松尾 「はい」
南原 「あぁいう数々の、ねぇ」
松尾 「うん」
南原 「輝かしい賞とかもらった方が、今、成城大学のラグビー部の監督・・」
松尾 「えぇ、そうなんですよ」
南原 「2004年から始めて」
松尾 「もう6年目ですね」
南原 「で、これがね、ちょっと面白い(笑)、就任当時は」
松尾 「うん」
南原 「廃部寸前だったんですか?(笑)」
松尾 「いや、ホントに19人しかいないでね、部員が」
南原 「えぇ、えぇ」
松尾 「女子のマネージャーがいるんですよ」
南原 「えぇ」
松尾 「それが9人もいてね(笑)」
南原 「え?」
松尾 「男19人に女9人っていうね」
南原 「(笑)」
松尾 「何かちょっとね」
南原 「(笑)」
松尾 「変なラグビー部だったんですよね(笑)」
南原 「で、しかも、僕、強いのかな?と思ったら、そん時そうでもなかったんですか」
松尾 「弱いに決まってるじゃないですか」
南原 「(笑)」
松尾 「19人って、他の大学は100人以上いるんですから」

(中略)

松尾 「最初行ったときなんか、もう挨拶も何もないんですよ」
南原 「え?」
松尾 「ホントに」
南原 「ちょっと待ってください、え?若い人たちは、松尾雄治さんのプレーは見たことない」
松尾 「知りません知りません、全然知らない。僕も引退して25年ですから」
南原 「僕らはもう、テレビを通じて見てましたけども。あ、ということは、もう、「あ、また新しい監督が代わって来たんだ」」
松尾 「そうそうそうそう、そんな感じです」
南原 「えぇ、「な、何だ、この人」」
松尾 「そういうこと」
南原 「「OBらしいよ」つって」
松尾 「えぇ」
南原 「「元、何か日本代表」「あ、そう」」
松尾 「うん」
南原 「「面倒くさい人が来ちゃったんじゃないの?」って」
松尾 「ハッハハハハハハ、そういう感じです(笑)」
南原 「「俺らは楽しんでやろうと思ってるのに」」
松尾 「いやいや、ホントそういう感じなんですよ」
南原 「それ見て、パッと見てどうだったんですか、現代っ子たちは」
松尾 「現代っ子・・だから、まず挨拶からですよ、ホントに。「オェ、オェーっす」なんて(笑)」
南原 「アッハハハハハハハ」
松尾 「「何だそれ?」みたいなね」
南原 「「エェ、エェーっす」」
松尾 「ちょっと・・」
南原 「「チョリーっす」みたいな(笑)」
松尾 「だけどさ、そう(笑)、そうなんですよ」
南原 「(笑)」
松尾 「そこでね、やっぱり今の・・我々難しいんですよ、彼らにね、入ってくのが」
南原 「「チョリーっす」とか、「ウィーっす」「ウィーっす」って(笑)」
松尾 「まず初めに穴の開いたジーパン買いに行ってね」
南原 「あ(笑)」
松尾 「何しろ穴の開いたジーパンじゃないと何か彼らとね、共通の精神になれないような気がするんだよね」
南原 「あ、松尾さんがそこに下りていって合わせたんですか」
松尾 「そうなのそうなの」
南原 「いや、「テメーら!お前、挨拶ぐらいしろよ!」って言わなかったんですか?」
松尾 「最初ちょっと言ったけど(笑)」
南原 「はい」
松尾 「いや、「挨拶しようよ」って」
南原 「「挨拶しようよ」」
松尾 「「挨拶しよう」」
南原 「はい」
松尾 「「挨拶の練習しよう」って言って」
南原 「はい」
松尾 「それでだんだん出来るようになったんです」
南原 「あ、だんだん声出すようになったんですか」
松尾 「だんだん声だすようになって」

という感じだったそうで(笑)。
そして、

松尾 「高校時代」
南原 「はい」
松尾 「花園ラグビー場で、ね」
南原 「はい」
松尾 「行こうとか」
南原 「はい」
松尾 「その、いろんなところで」
南原 「目標がね」
松尾 「決勝戦に行こうとか」
南原 「はい」
松尾 「そんなことを考えたことがあるヤツは一人もいないわけですよ」
南原 「アッハハハハ」
松尾 「何しろ(笑)、ね、ラグビー部で走ってったたら、だんだん女子のテニス部に寄ってくみたいな」
南原 「アッハハハハハハハ」
松尾 「そういうラグビー部を経験したヤツばっかりだから」
南原 「(笑)」
松尾 「何て教育していいかわかんないし」
南原 「はい(笑)」
松尾 「彼らに」
南原 「接点が・・」
松尾 「もうちょっとそのラグビーの楽しさ」
南原 「なるほど」
松尾 「今度は、逆に言うと勝つ楽しさ」
南原 「なるほど」
松尾 「また、泣く感動」
南原 「はい」
松尾 「そういうことがないんですよ、全く、彼らにはね」
南原 「はい、はい」
松尾 「「へぇ~、負けちゃった」みたいなね」
南原 「はい」
松尾 「やっぱりそれはさ、勝っても負けてもつまんねぇじゃねぇかって」
南原 「なるほど」

というエピソードや、

松尾 「試合の前に」
南原 「はい」
松尾 「準備することもないんですよ。明日こそ俺は頑張るぞって思うようなのはないんですよ」
南原 「(笑)」
松尾 「もう、すぐにもう練習終わったらすぐ飛んで帰っちゃうようなヤツがね(笑)」
南原 「(笑)、「チーっす、お疲れっす」(笑)」
松尾 「ゆっくり来て飛んで帰るんだよね」
南原 「アッハハハハハ、それでスポーツとは、それは適当にやると適当の楽しさとか悔しさとかないと」
松尾 「うん」
南原 「ホントに一生懸命やって」
松尾 「そうなんですよ」
南原 「ホントに悔しいとか」
松尾 「はい」
南原 「ホントに楽しいってことを」
松尾 「はい」
南原 「現代っ子たちにわからせようと」
松尾 「そうなんですよ」
南原 「だんだんだんだん変わってきてます?」
松尾 「だんだんくるんですよ、やっぱりね」
南原 「何か、チームを強くするためにグラウンド近くに引っ越して、月に1回自宅で鍋パーティーを開いている・・」
松尾 「パーティーっていうわけじゃないんですけども」
南原 「はい」
松尾 「ご飯を皆で一緒に食べようということでね」
南原 「はい」
松尾 「鍋をたくさん作って」
南原 「はい」
松尾 「最初のうちは、もうね、もう全然ダメだったんで」
南原 「はい」
松尾 「ホントに週に2回とか、多いとき週に3回とか」
南原 「はい、「来い」と」
松尾 「まったくダメなんですよね」
南原 「はい(笑)」
松尾 「もう、入ってくるときから靴はこんがらがっちゃってグチャグチャだし」
南原 「アッハハハハハ」
松尾 「人ん家の玄関なんだと思ってんだ!みたいなね」
南原 「アッハハハハハ」
松尾 「もう何しろダメなわけ」
南原 「ハッハハハ、自由奔放なんですね(笑)」
松尾 「それで、食べるときだって、何もね」
南原 「はい」
松尾 「食べさせてあげるから俺にお礼を言えとか言ってるわけじゃないんですよ」
南原 「はい、はい、はい」
松尾 「普通のことでしょ、「いただきます」って言うのと、「ごちそうさま」とか」
南原 「はい、はい、ハッハハハ」
松尾 「そういうのでもうイライライライラしちゃって」
南原 「ハッハハハ」
松尾 「ところが、だんだんだんだんそれがね」
南原 「変わってくる」
松尾 「変わってくるんですよ」

という話も披露(笑)。
あの松尾さんが・・あの日本選手権7連覇の松尾雄治が、松尾さんのことを何も知らない現代っ子相手に悪戦苦闘してる、という話は、まるで映画みたいだな~(笑)。
南原さんも、「松尾さん今面白い戦いしてますね~」「松尾VS現代っ子」「この結末が是非見たいんですけども」「いや~、今、(松尾さんの)現状がまた面白いですねぇ。何か目に浮かんでくるようですね。何かそういう昔ね、高校で悪い高校のところを良くなったっていうドラマがありましたけども、これはこれで新しいドラマかなと僕はすごく興味深く聞きました」と言ってましたが、確かに、今の松尾さんは大学生版平成の『スクール・ウォーズ』を体当たりでやっているという感じです(笑)。
情熱的に話をしていた松尾さんは泣き虫先生ではなさそうですが(笑)、この先、松尾さん指導のもと成城大学ラグビー部がどうなっていくのか楽しみです(『Get』あたりで長期取材をしてくれないかなぁ・笑)。
ちなみに、最初は、「オェーっす」と言ってた選手たちも、こんなプレーは誰も見てないだろうというプレーに対し絶対見逃さず「お前、よくあそこで戻っててタックルしたな」というふうに松尾さんが声をかけていくと、返事も「ウェー」から「はい」に変わっていったとのこと。
そして、明治大学の4軍か5軍と試合をしてボロ負けしたけど一生懸命タックルに行くようになったり、去年は部員が30人に増えて7年ぶりに入れ替え戦にも出場したとのことですので、松尾さんの指導で現代っ子たちも確実に変わっていっているようです。


あとは、ずっと9番のスクラムハーフをやっていて日本代表にまでなったのに、大学3年のときに10番のスタンドオフにポジション変更。でも、それで明治大学が日本一になり、10番のスタンドオフでまた日本代表になった、という話もしてましたが、

松尾 「だから僕はね、そこでね、ホントに学んだことはね」
南原 「うんうん」
松尾 「だから物事・・理屈を先に考えると」
南原 「うん」
松尾 「絶対出来ないっていう結論になるわけじゃないですか」
南原 「そうですね」
松尾 「日本の代表選手がポジション変わって違うポジション行って」
南原 「うん」
松尾 「またここで日本代表選手になるなんて思わないわけですよ」
南原 「そうですよ、僕らで言ったらボケとツッコミが変われってことですよ」
松尾 「アッハハハハ」
南原 「明日からツッコミになれとか」
松尾 「まあまあ、そうですよね」
南原 「(笑)」
松尾 「アウアウなっちゃうでしょ?」
南原 「はいはいはい」
松尾 「やっぱそういうことですよ。だから、でもね、やっぱそこが出来ないって自分で考えるような人間か、そうじゃないかなんですよ」
南原 「なるほど」
松尾 「そこが」
南原 「うん」
松尾 「うん・・に、気が付いちゃったんだな。やってみなきゃわかんないじゃねぇか、やろうぜ!」
南原 「そうですよね、やってみたらそこで新しい自分に出会えるかもわかんないですもんね」
松尾 「そうなんです」

というやり取りも(笑)。
今回も、松尾さんの話をお笑いに例えて、聞いてる人に噛み砕いてわかりやすく伝えていた南原さんでありました(笑)。


来週に続く・・・。