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Untersee-Boot

あるいは感想記として

ゆく年2021

2021年12月31日 | あれこれ
       

気がつけば今日は大晦日。

今年も「古今狂言会」も「お気楽ライブ」もなくて寂しいな~・・・と思っていたら、「つれづれ発表会」開催のお知らせが!?
思わぬ情報、嬉しい限りです。
チケットが取れるのかちょっと心配ではありますが、楽しみにしたいと思います。


私ごとで言えば。
今年は、例年以上に落語会や寄席に出かけた感じ。
南原さんの舞台がなかったことの反動・・というのもなくはないのですが(笑)、寄席に行くと生の舞台はやっぱり良いな~とつくづく思います。
書き残した落語会などのレポもまだあるのですが、それはまた来年にでも、ということで。

来年の南原さんの舞台の成功や、ウンナンのコンビでの活躍を願いつつ。
良い年をお迎えください。


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Xmas2021

2021年12月24日 | あれこれ

           



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あれこれ2021秋・冬 その2

2021年12月19日 | あれこれ
11月の鈴本に続き。

       

12月は末廣亭へ。

       



末廣亭十月下席、喬太郎師匠が主任の興行で、仲入り後、大爆笑をさらっていたきく麿師匠のことが気になり、きく麿師が主任を務める十二月上席へ。
まずは初日。

久しぶりに見た陽気なジキジキの音曲漫才で笑ったり、初めて見る松旭斎美智・美登さんのマジックにノスタルジーを感じたり(笑)、菊之丞師匠の「幇間腹」に笑いながらもさすがだな~と感心したりしつつ、仲入りに。
仲入り後は入場料が割引ということで、お客さんがゾロゾロと入ってきて場内はだいぶ賑わってました。

仲入り後、まずは。
弁財亭和泉師匠。
二つ目の時に聴いた記憶があるようなないような・・の和泉師ですが、真打になってからは初めて。
「匿名主婦・只野人子」という噺、すごく面白かったな~。
生活感とリアリティのある新作。
只野人子恐るべし、です(笑)。

米粒写経の漫才も大笑い。
インテリジェンスなネタという感じですが、それがイヤミではない構成になってて面白いな~。
それから、ボケも面白いけど、サンキュータツオさんののツッコミのワードも秀逸で、終始爆笑でした。

彦いち師匠。
いわく「仲入り後は気の振れた人が次々と・・」とのことでしたが(笑)、確かに、当たらずとも遠からずといった感じです(笑)。
本編はお馴染みの「つばさ」。
何度聴いても爆笑の噺です。

文蔵師匠は「千早ふる」。
じわじわくる面白さという感じの文蔵師版「千早ふる」。
で、サゲの「とは」の意味について、よくあるサゲでは終わらず「トリのきく麿にまかせよう」と言って高座おりてしまい、客席爆笑でした。

楽一さんの紙切りをはさみ。

トリのきく麿師匠が登場。
マクラでは、東京デブサミットの話などありつつ(笑)。
自粛期間中に覚えたという、ヨーデルを披露。
♪寄~席出~る日~♪というフレーズが、耳に残って仕方ありませんでした(笑)。
本編は「守護霊」という噺だそう。
初めてでしたが、爆笑また爆笑。 
高座で繰り広げられる兄弟げんかに大笑い。
子供なら言いそうなやり取りが最高でした(笑)。
それから、文蔵師の無茶ぶりのサゲも見事に回収。爆笑しながらも大感心でした。
大笑いしてこれで終わりかと思ったら・・・。
「初日は特別ということで」と小林旭さんの♪昔の名前で出ています♪を熱唱するきく麿師匠(笑)。

         

歌ってるときは撮影オッケーということで、私もパチリ。
今までもきく麿師匠の♪昔の名前で出ています♪は聞いたことがありましたが、スタンドマイクを使い三番まできっちり歌ってるのを聞いたのは初めて(笑)。
さすがの美声に、場内手拍子で大盛り上がり。
盛況のうちに幕が閉じた、末廣亭十二月上席の初日でした。

きく麿師匠が主任を務める興行は初めてでしたが、めちゃくちゃ面白くて行って良かったな~。
楽しい高座を反芻しながら、家路についた夜でした。





末廣亭十二月上席四日目。
この日は土曜日だったので、昼の部の途中から。

       

小ゑん師は「ぐつぐつ」。
この噺、噂では知ってたけど初めて聴いた(笑)。
おでんの擬人化落語、面白かったです。
あ、それから、桟敷席の一番前に小学校低学年らしき女の子がお母さんと座ってましたが、ちくわやハンペンの会話に大笑いしてました(笑)。


夜の部。
この日は早い出番だった、彦いち師匠。
ゴッサムシシティ(浅草)の話(笑)などの、爆笑のマクラのあと。
本編は「みんな知っている」。
何度聴いても面白い噺です。
ただ・・・今どきエ〇本を持ってる高校生はいるのかな??という疑問も。
今はみんなデジタルなんじゃないかという気もしますが、とまれ、杉本くんが気の毒なことに変わりはありません(笑)。
あ、それから、噺の途中に携帯電話が鳴るハプニングがありましたが、彦いち師匠は笑顔で「私の時間はオッケー」。
アクシデントも咄嗟のアドリブで笑いに変えるところは、さすがだな~と大感心でした。

菊之丞師匠は「長短」
ふだんよく聴く「長短」ではなく、"長さん"が関西弁の「長短」。
こういう設定は初めてでしたが、面白さは変わらずでした。

粋曲の小菊師匠は、三味線と歌で「仮名手本忠臣蔵2分40秒ハージョン」(笑)。
初めて聴きましたが、今の季節らしい歌を聴けて良かったです(これ、喬太郎師匠の歌う芝浜・・♪ブルーライト芝浜♪の元祖みたいなもの、ということでいいのかな?笑)。

小満ん師匠は「あちたりこちたり」
先月の鈴本以来ですが、何度聴いても面白い小満ん師匠です。



仲入り後。
この日も仲入りからのお客さんも多く、ほぼ満員になる盛況でした。


花いち師匠は「土産話」という噺だそう。
花いち師匠もこの噺も初めて聴きましたが、としても面白かったですし、サゲもうまくて感心でした。

米粒写経の「昭和を抱きしめる時間」の漫才に、この日も大爆笑。
わかるようなわからないネタもありましたが、昔の映画好き、武将好きなボケと冷静なツッこみに大笑いでした。

文蔵師匠の「時そば」、正楽師匠の「中村吉右衛門」の紙切りがあり。



トリのきく麿師匠が登場。
マクラでは、鯉昇師匠から聞いたという、お酒好きで頭蓋骨にひびが入り空気当たると気絶してしまう師匠の話(きく麿師匠は名前を度忘れして誰なのかわかりませんでしたが、翌日、春風亭扇枝師匠だと判明しました・笑)があり。
この日も♪寄~席出~る日~♪のヨーデルを披露(笑)。
そして本編は「今夜も!!寝れナイト」という噺。
いや~、面白かったな~。
爆笑につぐ爆笑で笑い疲れてしまいました(笑)。
きく麿師の新作は、どうゆう展開になるのか予想ができず、気付いたら爆笑してる感じ。
この噺も初めてでしたが、「なんでこんなことになってるんだ!?」と思っているうちに大爆笑。
「今夜は寝れれれれナナナイトトト!」のフレーズがしばらく耳から離れませんでした(笑)。

で、この日も最後は小林旭さんの♪昔の名前で出ています♪を熱唱するきく麿師匠。

       

「初日は特別に・・」と言ってたけど、毎日歌ってるのね(笑)。
大盛り上がりのうちに終演。
そして、下りた緞帳の向こうから「気をつけてお帰りくだささささい」というアナウンス。
てっきり前座さんかな??と思っていたら・・・。
ツイッターできく麿師匠から「本人です」というリプライが!?
この場を借りて、大変失礼しました。そして、わざわざありがとうございました。

最後の最後までサービス精神旺盛のきく麿師匠。
この日も大爆笑で大満足の夜でした。






末廣亭十二月上席五日目。
日曜日ということで、この日も昼の部の途中から。

          

小ゑん師匠は昨日に続き「ぐつぐつ」
昼の部トリは正朝師匠。
「夢金」(かな?)とても面白かったです。



夜の部。
前座さんの「牛ほめ」に続き。
けい木さんは円丈師匠作の「フイッ!」。
円丈師匠が亡くなったのを受け、小ゑん師がこの噺を演るかな??と思っていたのですが・・・。
まさかここで聴けるとは!?ちょっとビックリでした。
小ゑん師の「フイッ!」を初めて聴いた時の衝撃と爆笑は今でも忘れられず、その発想に大感心した記憶が。
喬太郎師で聴いた、爆笑と哀しみを兼ね備えた「ぺたりこん」も円丈師匠作ですし、彦いち師匠で何度も聴いてる「遥かなるたぬきうどん」も円丈師匠だと最近知り、ただただその才能に驚くばかりです。
ご冥福をお祈りいたします。


その後は、ジキジキのご陽気な音曲漫才や、いい声の歌奴師の「浮世床」、松旭斎美智・美登さんの上品な声で言う「いらっしゃい」がクセになるマジック(笑)、菊之丞師匠の「河豚鍋」という噺で笑ったりしつつ、仲入り。



仲入り後。
和泉師匠は、ちょっとドタバタしながら登場。
前に仕事があり入り時間を間違えたそうで。
ちょっと息が切れてる感じもしましたが(笑)、それはそれとして。
本編はこの日も「匿名主婦・只野人子」。
二度目も面白かったですが、別の噺も聴いてみたかったです。

風藤松原の漫才は(多分)初めてでしたが、おっとりとした優しいツッこみがクセになる面白さだな~。

彦いち師匠は「今日終わって、あれはなんだったんだろう?と思う・・」と話してましたが、確かにそんな感じで終わるのが今席の良さのような気がします(笑)。
本編は「長島の満月」。
面白さと切なさが交錯する、何度聴いても不思議と感情を揺さぶられる噺です。

文蔵師匠は「のめる」。
正楽師匠は、はさみ試しの相合傘とパンダの二枚だけ切って退場。
ちょっと時間が押してたということもあり、あっという間の高座でした(笑)。


トリのきく麿師匠。
マクラでは、昨日も話してた、頭蓋骨が割れて風が当たると気絶する、という師匠の話(前述した通り春風亭扇枝師匠)。
あと、この日は円歌師匠や、はん治師匠のモノマネを披露してヨーデルは無し。
何でだろう?と思っていたら・・・。
本編の「殴ったあと」が、浪曲がたっぷり入ってる噺でした(笑)。
浪曲に聴き入りながら、気がついたら大爆笑の連続。
ホントに面白かったな~。
そして、笑いながらも、あけみさんの幸せを願わずにいられませんでした(笑)。

最後は「江戸時代から寄席に伝わる歌」を披露、ということで(笑)、♪昔の名前で出ています♪を熱唱。

       

大きな手拍子で大盛り上がりのうちに終演。
この日もめちゃくちゃ楽しい時間を過ごすことが出来て大満足。
帰り道、二日続けて行って良かったな~と、改めて思った夜でした。








末廣亭十二月上席の合間、12月8日は、渋谷の伝承ホールで行われた「第一回 一年を振る返って春夏秋冬 彦いち・白酒二人会」へ。

       


開口一番は三遊亭ごはんつぶさんの「道灌」。

そして、白酒師匠が登場。
まずはこの会の趣旨説明をしていましたが、いわくこの会は「そこまでの会じゃない」そうで(笑)。
最初はタイトルにあるように一年を振り返り、春夏秋冬のそれぞれの噺を二人で演る・・という案もあったようですが、結局そうはならずに、普段はあまりやらない噺をやる会になったとのこと。
普段寄席でやるには合わない、ホール落語でやるのも中途半端な噺があるそうで「ある意味希少な会」「落語会のノミの市」とのことでした(笑)。
それから、二人会は普通A→B→B→Aという出番なのが普通ですが、この会はA→B→A→Bになったと、飄々と話していて思わず笑ってしまいました(笑)。
その後も、軽く毒舌を交えた話があり。
本編は「しびん」という噺。
確かに、全然知らない噺だな~。
白酒師らしく軽妙な口演で面白かったです。


続いて登場した、彦いち師匠。 
この会の主旨について、最初の案と変わったけど「でも、まぁいいか」という話をしつつ(笑)。
10年前の3.11の時に鈴本演芸場にちょうど出ていたという話や、十月の末廣亭の話も。
末廣亭で「猫と金魚」を聴いてたお客さんの反応の話は何回もしており、定番のマクラという感じになっていますが、ちょうど私も現場に居合わせていただけに、何度聴いても笑ってしまいます(笑)。
本編は「今年一回しかやってない」という「舞番号」。
彦いち師らしく、爆笑しながらも不思議な余韻が残る噺。
久しぶりに聴けて僥倖でした。
あ、それから、途中、円丈師匠も登場して大笑い。
彦いち師匠もやはり円丈師匠から大きな影響を受けたんだろうなと、改めて。



仲入り後。
最初に話してた順番通り、白酒師匠が登場(笑)。
最初に口演した「しびん」について、「仕込みを忘れてた」そうで。
確かに、サゲがイマイチよくわからなかったのですが、そういう理由だったのか、と納得でした。
で、二席目は「安兵衛狐」という噺。
これも初めて聴く噺(かな?)。
確かに寄席などでは聴かない噺で、面白かったです。
途中「萩を見に行く・・」という場面で、季節が違うけど「まぁいいや」といういい加減なところも白酒師らしく良かったです(笑)。



最後の彦いち師匠は、SWAの着物に着かえて登場。
マクラでは、オリンピックの女子柔道の話や、大学時代の空手部の先輩の話などなどに大爆笑。
途中、亡くなった川柳師匠の趣味の話も少ししていましたが、「時間がないのでまた後日」ということで、面白そうな話なのに詳しく聴けずに残念無念でした(笑)。
本編は「青畳の女」という噺。
彦いち師匠が女心を・・いや、揺れる乙女心を熱演(笑)。
彦いち師が女性を演じるのは珍しい気もしますが、終始爆笑でした。
そして、最後は座布団を使って巴投げ(笑)。
「いつもより狭い」「危ないから」と言いながらも見事に技を決めてましたが、マイクが落ちるハプニングも(笑)。
落ちたマイクの頭(っていうのかな)を彦いち師匠がさすりつつ、大きな拍手のなか終了。

この噺はお初でしたが、やっぱり面白かったな~。
座布団を使っての技は、白鳥師の弟子のぐんまさんがジャーマンスープレックスをしてるのを一度見たことがありますが(笑)、彦いち師匠の巴投げは初めて。
普段は見れないものを見れて、これまた僥倖でした(笑)。

       

帰りは渋谷駅へ向かう途中のイルミネーションを眺めながら、

       


楽しい時間を振り返りつつ、家路についた夜でした。






彦いち師と白酒師の二人会の翌日。
またまた末廣亭へ。

       

末廣亭十二月上席九日目。

菊之丞師匠の久しぶりの「片棒」に大笑い。
ケチん坊のマクラからの流れもさすがだな~という感じで、笑いながらも感心の菊之丞師でした。
その後、小菊師匠の歌と三味線の忠臣蔵や、小満ん師匠の渋い「時そば」などがあり、仲入り。


この日も仲入り後にお客さんが入り、最終的には8割くらいの入りで盛況でした。


花いち師匠は「かわいい指南」という新作。
花いち師は花禄師匠の弟子だそうで。
花禄師は藤井青銅さんと同時代ラクゴという新しいかたちの新作落語を演ってるというのを、以前、青銅さんのコラムで知りましたが、そのお弟子さんならば新作をやるのも当然なのかもしれません。


彦いち師匠。
マクラでは、自身が実際に見聞きした、"彦いちカメラ"に収められた「いい話」を披露(笑)。
市馬の会長の話や、山小屋での本人の特徴の話など、今までに何度も聴いてますが、やっぱり面白いな~。
彦いち師いわく「これね、しばらくおもしろいですよ」と言ってたけど、確かに山小屋の話はジワジワ来ます(笑)。
さらに、初めて聞く御柱祭での「いい話」も大笑い(ホントは全然いい話じゃないけど・笑)
そして「通常は言わない」「皆さんとは共犯関係なので」と言いながら披露した、川柳川柳師匠の趣味の話に大爆笑。
昨日の二人会では時間の関係もあり、この話を聴けず残念だったのですが、翌日にすぐ聞けるなんて!?
こんなに嬉しいことはありません(笑)。
彦いち師いわく、川柳師の話は「楽屋では古典なんですけど」だそうで。
ただ、このおもしろ話は共犯関係者として表立っては書けないことを、悪しからずご了承ください(笑)。
あと、円丈師匠のエピソードなどにも大笑いしつつ。
本編は「あゆむ」という噺。
こちらもとても面白かったです。


歌武蔵師匠は「稲川」というお相撲の噺。そして正楽師匠の紙切りのあと。



きく麿師匠が登場。
彦いち師匠が「おあと、デブをお楽しみに・・」と言ってたけど、歌武蔵兄さんがいた!?と焦ってた、という話や、この日もヨーデルがあり(笑)。
本編は「つきいち」という噺。
喫茶店ヒヤシンスで織りなされる、摩訶不思議な噺・・・。
筒井康隆氏の小説を連想させるような、時空がゆがんだような、想像力を試されるSF的発想の噺。
こんなブッとんだ落語を作って、それを当たり前のように演っちゃうところが、きく麿師のすごいところだな~と、大笑いしながらも、大感心でした。
二度、三度と何回も聴きたくなる噺でした。


最後は、天保元年から寄席に伝わる歌を披露(笑)。

          


この日は、きく麿師匠が作り出す不思議な空間に迷い込み、よくわからないまま大笑いした。
そんな感じの夜でした(笑)。





そして、翌日も末廣亭へ。

       

末廣亭十二月上席千秋楽。

菊之丞師匠は「短命」。軽妙な語り口、さすがという感じで面白かったです。
小菊師匠は、この日も2分40秒バージョンの仮名手本忠臣蔵(笑)。
小満ん師匠は「粗忽長屋」。爆笑という感じではないのですが、ジワジワとくる面白さで良かったな~。
小満ん師匠の枯れた感じにこの噺は、とてもいい組み合わせなのかも。


仲入り後に入って来るお客さんを含め、この日も8割くらいの入りで盛況でした。


花いち師匠。
演目名はわかりませんが、とても面白かったです。
ホタテや炙りしめ鯖などを、手ぬぐいと扇子で表現し、あると思い込む・・という噺。
確かに舞台上に、ホタテも炙りしめ鯖もカニも見えました(笑)。

風藤松原の漫才もおもしろいな~。
飄々とした雰囲気とやさしいツッこみに大笑いでした。

文蔵師匠は「千早ふる」。
大笑いの噺のあと、今回もサゲの「とは」の意味を、きく麿師に無茶ぶりしてた文蔵師でした(笑)。
 
歌武蔵師匠は「宗論」。
お相撲関連じゃない噺を聴く機会はあまりないのですが、めちゃくちゃ面白かった~。
終始爆笑でした。

正楽さんは、時間が少し押していたので、ハサミ試しの相合傘と円丈師匠だけ。
短い時間でしたが「宗論」の息子の口調まねをしたりして、爆笑の高座でした(笑)。




そして、トリのきく麿師匠。
いわく「正楽師匠はこの芝居のってる」そうで。
普段の正楽師匠と、この芝居ののってる正楽師匠のモノマネを披露していましたが、出番を終えた正楽師匠が高座に乱入(笑)。
すぐに帰ってしまいましたが、こんなことをするなんて、確かに正楽師匠はこの芝居のってます(笑)。
その後は、歌武蔵師匠との東京デブサミットの話などありつつ。
本編は「ブラジル産」。
この日に「ネタ出し」した噺だそう。
きく麿師匠が「変な噺」という通り、カップルの会話がどんどん変になっていく不思議で変な噺(笑)。
きく麿ワールド全開という感じで、爆笑また爆笑。
きく麿師匠は巻き舌好き、巻きたいだけなんじゃ?という気もしますが(笑)、とまれ「ブララララジルルル」最高でした。
あ、それから、文蔵師匠からふられたサゲの意味も、爆笑の中ちゃんと回収していて、さすがでありました。
「多分この噺は二度と寄席ではやりません」ときく麿師匠は言ってましが、そんなこと言わず、また巻いて、いや、演って欲しい「ブラジル産」でした(笑)。

そして最後は「江戸時代から伝わる」「ブララララジルから伝わった歌」を披露(笑)。

       

三番まできっちり歌い、大きな拍手のなか幕。
緞帳が下りたあと、きく麿師匠から「気をつけてお帰りりりりりください」の送り出しのアナウンス。
四日目の「今夜も!!帰れナイト」に続き、最後までサービス満点、大笑いのうちに終了した、末廣亭十二月上席の千秋楽でした。

          


今回、きく麿師匠が主任の興行は初めて行きましたが、あまりにも面白くて初めてなのに5日も通ってしまいました(笑)。
"令和の爆笑王"と言われているそうですが、確かに、その名前にふさわしい高座でした。
きく麿師匠が作る新作はどれも独特で、展開がまったく予想できない不思議な噺ばかり。
連日大爆笑。
とても面白くて最高の5日間でした。




またまた、落語の話を長々と書いてしまいましたが、最後までご清聴ありがとうございました(笑)。


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あれこれ2021秋・冬

2021年12月18日 | あれこれ
紅葉もそろそろ終わり。

        


        


        


季節はすっかり冬という感じの今日この頃。
いかがお過ごしでしょうか。
私はといえば、寄席通いの日々が続いていましたので、今回も落語の話をあれこれと。




鈴本演芸場十一月下席昼の部は、喬太郎師匠が主任。
ということで、土日祝日の計4回鈴本へ。

          

まずは初日。
開場は12時でしたが、11時半に着いたら早くも行列が。
入場もすでに始まっていたようで、会場内は多くのお客さんが。
この興行から、一席づつ空けて座るソーシャルディスタンスではなく、最前列以外はお客さんを入れる通常のスタイルに。
客席は老若男女でほぼ満員でした。


やなぎさんの新作「ベランダ」という噺や、喬之助師の「堪忍袋」、とぼけた感じでな~んか面白い(笑)馬遊師の「無精床」などがありつつ。
彦いち師匠は「熱血!怪談部」。
マクラでは「今日初めての高座でエンジンかかり始めで・・」などと言ってましたが、爆笑また爆笑の高座。
この噺は何度か聴いてますが、最後まで(?)聴いたのは初めてかも。
とても面白かったです。


権太楼師匠の「町内の若い集」という噺、さん喬師匠のテンポよく面白い「時そば」などがあり、仲入り。


さん花師匠は「棒鱈」。
これまでにない独特な工夫もあり、面白かったな~。
二つ目の小んぶの時にも何度か高座を見てますが、真打になってから急に良くなったんじゃないかな?と、落語素人ながら感じました。


扇辰師匠のお馴染みの「田能久」、二楽さんのメトロン星人の紙切りがあり(笑)。


15時30分。トリの喬太郎師匠が登場。
満員の客席見て、「第六波の第一歩が・・」と挨拶(笑)。
その後は、この日登場のやなぎさんとやなぎさんの地元の北海道の学校寄席に行った話(やなぎさんイジリ炸裂・笑)や、さん喬師匠のらしいエピソードなどもありましたが、「わかってるだろうね、SNSを悪用するんじゃないよ」とのことでしたので、詳しい話は全面的に割愛させていただきます(笑)。
そんなこんなの約10分の爆笑のマクラがあり。
本編は「やとわれ幽霊」という噺だそう。
まったく初めて聴く噺だったのですが、この日の数日前に行われたSWAの高座でネタ出しされた噺のようで。
中年の男たちが廃校になった母校に行くと・・・という噺。
最初から爆笑また爆笑。途中色っぽいネタもありましたが「扇辰がさっき(客席に)子供はいないと言ってた」ということで大人なネタも全開(笑)。
彦いち師の「熱血!怪談部」の流石先生も出てきたりして、終始大笑い。
そして・・・最後はちょっとホロリとさせ、元気のでるような展開に(最近涙もろいのでジワッと涙出かけた・笑)。
サゲも綺麗に決まり。
16時06分、大きな拍手のなか終演。


「熱血!怪談部」と同じ幽霊ネタを敢えてやるというのも珍しい感じもしましたが、それはそれとして。
出来たばかり(?)の「やとわれ幽霊」を聴けて僥倖。
めちゃくちゃ面白いのはもちろん、年代的に心に響く噺でとても良かったな~。
大満足で夕暮れ迫るなか家路についた秋の夜でした。



          



鈴本演芸場十一月下席昼の部三日目
この日は勤労感謝の日。
客席は若い女性も多く老若男女で満員、仲入り後は札止めになる盛況でした。

 

やなぎさんは「先生の話」。何度か聴いてますが今回も面白かったです。
馬遊師匠は、登場するなり「持ち時間が・・」「なんでこんなマクラふったんだろう・・」などのぼやきがとまらず大笑い(笑)。
どこまで本気なのかわからないぼやきのあと、本編は「替わり目」。
味のあるしゃべりで面白かった~。

彦いち師匠は、お馴染みの爆笑のマクラのあと、本編は「睨み合い」という噺だそう。
彦いち師いわく"ドキュメンタリー落語"とのこと。
電車内で繰り広げられる、彦いち師が目撃(?)した人間模様に大爆笑でした。
彦いち師はマクラで、今、NHKの新人演芸大賞をテレビで放送していて楽屋でみんな見てる、という話をしていましたが、彦いち師もその昔、NHK新人演芸大賞落語部門の大賞をこの「睨み合い」という噺で獲った、というつぶやきを、たまたま目に。
なので、この噺だった・・のかもしれません(間違っていたら悪しからずです)。


さん喬師匠は「そば清」。
さん喬師演じる清兵衛の「どーも」の声が聴けて良かったです(笑)。


仲入り後。


さん花師匠は「あくび指南」。ところどころ工夫しながらの口演、面白かったです。
扇辰師匠の「権平狸」、二楽さんの紙切りがあり。



15時33分、喬太郎師匠が登場。
マクラでは、池袋の話をたっぷり。
西武線と東武線、三越の話などなど大爆笑の話を約18分。
これはてっきり「すなっくらんどぞめき」かと思っていたら・・・。
本編は「母恋くらげ」。
「みなさん、古典じゃなくてすいません」と言いいつつも、爆笑また爆笑の「母恋くらげ」。
途中、やなぎさんの噺の校長先生が出て来たり、扇辰師の狸、あくび指南なども出てきたりして大笑い。
でも、みかんを食べる場面は詳しく演じる喬太郎師匠。
いわく「古典出来ないと思われると癪だから」とのことでした(笑)。
大爆笑のなか16時04分終演。
緞帳が下りてくると、座布団を外し深々とお辞儀をする喬太郎師匠でしたが、その後、顔を上げるとくねくねと両手と体を使ってタコのマネ(笑)。
幕が下りきっる最後の最後までサービス満点でした。

この「母恋くらげ」は、噂には知ってたけど実際に聴くのは初めて。
前々から聴きたいと思っていたので、この日出会えてラッキーでした。
それから、くらげの形態模写が出来るまでのいきさつなども大笑い。
そして、以前、小猫さんがくらげを演ったときに「喬太郎師匠とは流派が違います」と言ってた意味が、ようやくわかりました(確かに違う・笑)。


鈴本のビルを出て、夕暮れが迫る上野の街を歩きながら、この日も大満足で家路についた勤労感謝の日でした。



          



鈴本演芸場十一月下席昼の部七日目。

前座の小きちさんは「子ほめ」、続くやなぎさんは「転失気」、翁家社中の太神楽をはさみ、喬之助師匠は「長短」。
そして、この日もとぼけた感じで馬遊師匠が登場(笑)。
マクラでは、前の三人のネタ帳を見て「(似たような噺は出来ないので)やる噺がない」というボヤいてた馬遊師匠(笑)。
「牛ほめ」は出来ないし「鮑のし」も出来ないし・・と、ボヤいているうちに時間が経ち「12分後には消えてなくなります」と自虐ネタも(笑)。
馬遊師匠の独特の雰囲気は、唯一無二という感じ。
この日で3回目でしたが、だんだんクセになる面白さです(笑)。
ちなみに、本編は「味噌豆」という噺でした。

彦いち師匠と交替出演の白鳥師匠。
マクラでは、馬遊師匠について「独身で結婚相手を・・」と花嫁募集してみたり(笑)、「「味噌豆上手く出来なかったと言っといて」と馬遊が言ってたけど「知らねえよ」と話したりして大笑いでした。
本編は「老人前座じじ太郎」で、面白かったです。


権太楼師匠はお馴染みの「代書屋」。何度聴いても大笑い。
さん喬師匠は、のどの調子が悪く前日はお休みだったようで。
この日もまだちょっと調子が悪そうでしたが、お体はお元気そうで何よりでした。
ちょっと短めの「替わり目」のあと、のどが本調子ではないということで、踊りを披露。
「奴さん」という踊りだそう。
三味線と歌に合わせたさん喬師匠の踊りは艶やかで、さすがという感じでした。


仲入り後。
さん花師匠。
二つ目の時、"やなぎ"になるはずだったそうですが、直前になって師匠のさん喬師から「やなぎはお前には色っぽ過ぎる」と言われ小んぶになったそうで(笑)。
「あの(今の)やなぎ色っぽいですか?」というさん花師匠の言葉に大笑いでした。
本編は「初天神」。
こちらも色々工夫されていて、とても面白く良かったです。

扇辰師匠は「お血脈」、この日は正楽さんの紙切りがあり(さん喬師匠と喬太郎師匠というお題でしたが、二人の横顔とても似てました)。


15時30分。喬太郎師匠が登場。
「今回の興行は「金原亭馬遊とゆかいな仲間たち」でお送りしてます」という挨拶に、場内爆笑。
ついさっき、とぼけた馬遊師匠のあの高座を見てるので、笑わずにはいられませんでした(笑)。
その後は、「この興行はさん喬師匠と権太楼師匠が良心」という話や、学校寄席に入った話。
そして、柳家の最終兵器の小三太さんの話も(笑)。
この日の鈴本の夜の部でトリを務める小三太師匠の、小さん師匠が亡くなられたときのエピソードに大笑い(笑)。
喬太郎師いわく「最終兵器なのに不発」とのことでしたが(笑)、俄然興味が湧いてきた小三太師匠でした。
で、「今から文七元結できない」「今日は魂の解放だ」ということで(笑)。
本編は「ハンバーグが出来るまで」。
爆笑、爆笑、また爆笑から・・・。
サゲの台詞が、聴くたびに心により沁みてくる噺。
聴けば聴くほど味わい深い「ハンバーグが出来るまで」でした。
終演は16時07分。

この日も満員の鈴本演芸場。
行って良かったな~、面白かったな~としみじみ。
これだから喬太郎師詣ではやめられないな~と、改めて思った土曜日でした(笑)。



        



鈴本演芸場十一月下席昼の部八日目。

やなぎさんは「親子酒」、喬之助師匠は「芋俵」。
続いて登場した馬遊師匠。
いわく「転失気」をやろうと思ってたけど「芋俵」のオチがおならなので、おなら繋がりの噺は出来ない・・と、この日ものっけからぼやいていた馬遊師匠(笑)。
で、この日は「鮑のし」。
昨日「出来ない」とばやいていた「鮑のし」を聴けて良かったです(笑)。
終わったあと、一息ついて胸をさすりながら高座下りる馬遊師匠(笑)。
最後まで思わず笑ってしまいました。


権太楼師匠は「不精床」。
お休みのさん喬師匠(体調の問題ではなく、予定通りの休演)に代わって出演の小満ん師匠は「あちたりこちたり」。
飄々とした語り口が良いな~。


仲入り後。
さん花師匠は「初音の鼓」。
これも工夫されていて面白く良かったです。
扇辰師匠は「三方一両損」を途中まで。
二楽さんは、珍しく怪獣もウルトラもなく(笑)「忠臣蔵」と「がーこん」というお題でした。



15時30分、トリの喬太郎師匠が登場。
マクラでは、学校寄席に行った話や、九州に行った話、空港でガチャガチャをやった話などお馴染みの話をしていた喬太郎師匠でしたが、いわく「今日はことのほか気合が入らない」そうで(笑)。
夜に"日活ロマンポルノ50周年記念「艶笑夜噺 古今東西」"という会があり、そちらに気を取られていると、正直に告白してましたが(笑)、馬風師匠がその昔に出演していた「蛸と赤貝」という日活映画の話など、大笑いでした。
そんなこんなのマクラが22分ほどあり。
本編は「一日署長」。
途中「真剣に古典やればよかったと後悔してる」などと言いつつも、大爆笑の連続。
定番の歌は、この日は「東京ホテトル音頭」ではなく「芝浜の歌」。
ブルーライトヨコハマのメロディにのせ、♪五十両としば~はま~♪を熱唱する喬太郎師匠(笑)。
「芝浜」を最初から最後まで歌い切り、場内は大きな手拍子と拍手で大盛り上がり。
この歌を聞けただけで大満足(笑)。めちゃくちゃ面白かった~。
ちなみに、この日の犯人は二楽さん。
説得に来るのが、「図体がでけぇくせに芸風が優しい」さん花師匠(笑)、扇辰師匠、喬太郎師匠の三人。
凶悪な寄席芸人の二楽さんは、山内えりこ嬢に「桃太郎切ってみろ」と無理難題を言ってました(笑)。
大爆笑のなか、16時08分終演。


この日も爆笑また爆笑の高座。
計四日間通いましたが、いずれも大爆笑で大満足。
出来ることならもっともっと行きたかったな~。
とまれ、めちゃくちゃ楽しかった、喬太郎師匠が主任を務める鈴本演芸場十一月下席でした。




        



それから、話が少し前後しますが。
十一月下席の途中の11月25日に、エポックなかはらで行われた「喬太郎・白酒二人会」へも行ってきました。

武蔵小杉駅のとなりの武蔵中原駅にある、エポックなかはら。
客席は老若男女、一席づつ空けるソーシャルディスタンスで満員でした。


        


喬太郎師匠は、先代の小さん師匠の話などのマクラのあと、本編は「初音の鼓」。
たぶん喬太郎師では初めて・・だと思いますが、軽妙な感じで面白かったです。

白酒師匠の「百川」はお初。
でも、なんか懐かしい感じも・・・。
う~む、なぜだろう?と思っていたら、何度もCDで聴いた志ん朝師匠の「百川」を思い出させるからだ・・・と、一人納得。
志ん朝師匠の噺をベースに、白酒師らしさを加えたという感じで(百兵衛の訛りなどは白酒師ならでは)、とても面白い「百川」でした。


仲入りをはさみ。


白酒師匠の「花色木綿」。
こちらもお初でしたが、正統派の古典に白酒師らしさを加えた噺になっていて、大笑いでした。


トリの喬太郎師匠は「仏壇叩き」。
マクラなしで、たっぷり30分。
「笑いがない噺だから」と、ちょっとしたくすぐりがありつつ。
途中からは、シーンと静まり返る満員の場内。
聴こえてくるのは、喬太郎師匠の声と衣擦れの音だけ。
固唾を呑んで、旦那と長二のやり取りに聴き入ってしまいました。


この日は、古典をたっぷり四席(前座さんも含めると五席)。
大爆笑の新作もいいけど、ジッと聴き入ってしまう古典も良いな~。
喬太郎師匠の「仏壇叩き」は久しぶりでしたが、改めてこの噺の良さが分かったような気がした、喬太郎・白酒二人会でした。





あれこれ2021秋・冬 その2 に続く・・・。


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