矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

めぐり合わせ

2015-09-13 23:43:42 | 日記
本日は、家族とお買い物ができた穏やかな日でした。長期間不在でしたので、家族そろっていられることを本当にありがたく思っています。

昨日のお天気のときに、洗濯物を全部したのでとってもよかったです!お掃除も昨日やったし、今日は午前中、休養していました。

午後以降は、ご縁としかいいようのない巡り合わせの会合がありました。本当に素敵な時間と空間を共有でき、これからの生き方やキャリアにもお互いにインパクトがあるような、そんな集まりでした。

自宅に戻り、家族と記念日のお祝いをしました。

ご縁を大切に、いまを大切に、と改めて思う日となりました。

ワインとチーズの勉強開始

2015-09-13 23:24:10 | お料理、食事
欧州に行ったり来たりすると、ワインとチーズに触れる機会が多くなり、もっと知りたいなあと思います。

休日の本日は移動時間に、ワインの概要とチーズの概要を読みました。なるほど、と少しわかった気分になりました。

教育学を学んでいると、「知識の羅列」と「知識の機会的暗記」でなくて、現場で「使える知識」をどうやってみにつけようかと思案します。まるで「感染症」と同じかな、と。学生の身になれば、感染症は、微生物も多数、抗菌薬も多数、それに臨床推論が重なり、「よくわからない」という流れになるのかな??と想像します。

ワインもチーズも、産地(工場、作り手)、原料、作り方(醸成, 熟成)という"variable 変数”で多数の分類。

最終の教育アウトカムとして、この地域では、こんなワインとチーズがあって、このようなお料理にはこんなワインが適当かな、とか、自分の好みの、「フルーツ系の香りで、甘口でさわやか」なワインをオーダーするにはどうしたらよいか、ということにフォーカスして学びたいなあと。

だいたい、甘口というとドイツワインとか、アイスワインなどを勧められます。リースリング種のブドウでつくったドイツワインは甘口だそう。いままでに好きなワインは、ドイツワインの甘口のマドンナなんとか、という名前のワインでした。スーパーで売っているもの。

バンクーバーに行って教えていただいたアイスワイン。これは絶品。ブダペストでもアイスワインに近いワインを購入しました。こちらも独特の甘口。本場のドイツでもアイスワインを購入したことがあります。

今回は、パリの空港で、家族の記念日をお祝い用に、白ワインとめずらしいアップルのアイスワイン(これはカナダ産でした!)を購入。水戸の「百年梅酒」も私は大好きになり、自宅に1本購入しています。親しい方に贈答としてお送りしました。

チーズも、材料、硬さ、熟成によって分類されていることを知りました。

フランス、イタリア、オランダ、などいろいろな国でつくっていること。

分類が、ナチュラルチーズとプロセスチーズに分かれることも本日学びました。
なるほどなあ、とちょっと知識がつくと、選ぶのがたのしいですね。欧州のホテルで朝食に出てくる、うすいチーズ。これなにかなあ、と好奇心から取ってしまいます。

以前、ロンドンスクールのコースの最後に旅行でイスタンブールの友人宅に泊めてもらっていたときに、朝食に毎回出てくるのがトマトとモッツァレラでした。当時はそれがなにかわからず、白いかたまりで、なかなか美味しい食べ物だなあというぐらいの感覚でいただいていました。

オランダの"ゴーダチーズ"の中身と意味がわかるようになったのは収穫でした。




Master of Global Health at Maastricht University

2015-09-13 01:57:04 | グローバリゼーション関連
今回の学会中に出会ったマレーシアの若手の方から教えていただいたコース

出身は、マレーシア、18歳まで育ち、その後undergratuate英国の大学、キャリア経験として東京大学で4年間勤務、その後、Maastricht大学のマスター1年間、という流れです。20代後半ぐらいの女性で、とっても活発で積極的で好感を持ちました。

Global Healthのマスターコースの学生ということで、いろいろなお話をしました。9月2日にMaastricht大学で開催された医学教育のグローバル化に関するシンポジウムのランチタイムで。

お話を聞くと、コース内容がとても魅力的でした。カリキュラムとして、3ヶ月ぐらいインド、タイ、カナダの大学でelectiveが認められているとのこと。また通常コースの途中も、提携大学のこの3つの学生とディスカッションできるデザインだそうで、すごい時代になったなあ、と感心していました。

オランダの大学ですが、このコースは英語で実施されています。魅力的なコースと思いましたので、ご紹介です。

"public health"からさらに進化して、"global health"に特化したコースが生まれているのですね。

パリ経由で無事に帰国しました。

2015-09-12 23:20:56 | 旅便り
本日、無事に帰国しました。成田、水戸は快晴ですばらしいお天気でさわやかさに感動しました。

スコットランドは寒く、イタリアのミラノ、ローディーは暖かく持参した洋服も着れてうれしかったです。

ロディーの街の夕焼け


ロディーのかわいい食器たち


帰りの便でお隣に座った方がフランス人の女性で、日本人とご結婚されており日仏英語の3カ国は最低できる、スペイン語、イタリア語もできるといううらやましいマルチリンガルの方。看護師資格をお持ちで日本で医療通訳もされているとのこと! 東京オリンピックに向けてはもちろん、普段でも日本にくる外国人の方の支援などもされているそうです。

いろいろなsmall talkで、楽しかったです。アテンダントのかたと優雅なフランス語でやりとりされているのをいいなあ、と見ていました。アテンダントのかたは男性でしたが、私が朝食直前まで熟睡?していたので、起きたら、
ボンジュール、「おはようごっざいます〜」みたいに日本語で声をかけてくださり、ほっとしました。

今回、エールフランスで往復したのですが、音楽のセレクションがよくて感激しました。乗ったかたはご存知と思うのですが、緊急避難の説明ビデオが斬新で、ふだんならあまり真剣には見ない説明ビデオを思わず、楽しく見れる工夫がありました。さすがフランス、イノベーティブなアートでうれしかったです。

帰りは成田からバスで水戸に直通バスで戻りました。ちょうど稲刈りの風景を見ることができ、感慨深かったです。





開き直っていたらFound baggage

2015-09-11 00:10:08 | 旅便り
昨夜は、baggageクレームの手続きをして一旦、Lodiという町に予定通り宿泊して様子を見ました。昨夜はシャワーを浴びて、さっと午後9時頃から寝ました。

朝起きてからonlineで自分の荷物のstatusをチェックしても"continuous tracing 捜索中”というサインで、どこにいってしまったのかとだんだん気を揉み始めていました。

これまでの人生で、3回目のLost baggage。幸い、全部出てきました!

1回目は、New YorkからHouston に引っ越ししながら参加したアイルランド・ダブリンの学会WONCAに初めて参加したときに起きました。Aer Lingus (アイルランド航空)で、New York (JFK)からLondon (Heathrow)での乗り換え時に、時間が足りず、Dublin に荷物なしで到着してしまいました。そのときも学会で、移動中のラフな服装しかない状況で3日ぐらい学会参加して、帰る日の前日にスーツケースがホテルに配達されました。

2回目は、在米中にAir Canadaでトロント経由で日本に帰ったときになぜかバックが届かず。2日後に成田に取りに行ったら到着していました。こちらも真っ青になりながら待機していました。

3回目になると、ジタバタしても無駄なので、onlineでチェックした後、「今を楽しむ」ことに決めて学会参加したり、さわやかな風に吹かれながら散歩したり、ショッピングしました。

だいぶ肝が座ってきている自分に気がつきますが、それでも精神的にはかなりのストレスです。

そのストレスを忘れるぐらいLodiの町はとてもかわいらしい、コンパクトで、重厚な歴史の町でした。
歴史は重厚で、それでいてとても穏やかで、さわやかな気候で、平和で広い公園が町の中心部に広がっており、環境にすごく癒されていました。


午前中は学会に行ってレジストレーションして、name tagをもらって通常通りの参加をしました。
日本人のご関係者の方とも無事にお会いできました。さわやかな街並みにとても癒されながら、徒歩で学会会場まで行き、Duomo教会を中心とした町と広場に出て、しばし散歩しました。


歴史のある建物での学会ランチの後、ホテルに戻り、荷物の探索開始。ともかく空港に行ってみて到着しているかを確認する作戦にしました。夕方空港に戻り、確認したところ、無事に到着しており、ほっと安堵しました。

空港からホテルに戻り、学会ディナーが予定されていたので、早速着替えて、歩いてディナー会場へ。




素敵な出会いもあり、なんとか予定をこなすことができました。インドの元学会長の方といろいろお話しでき、非常に勉強になりました。50ぐらいの学校を経営している方で、日本びいき。神戸牛、和牛、長野などもご存知です。学校のお話になったので、国際医学部をつくりたい旨をお話したら、まずは投資してあげるから英語の学校をつくったらどうかとご提案いただきました(結構本気のお顔でした。。。)

明日は、帰国の途につきます。

鬼怒川決壊ニュースに驚きました。

2015-09-11 00:05:46 | 旅便り
自分が住んでいる地域の近くで、鬼怒川決壊の大災害になっているニュースを見まして、大変、驚きました。

外国の友人たちが、大丈夫かと連絡をくれたりして、ニュースが甚大であることを瞬時に理解しました。
映像をみる機会がなかったので、オンラインニュースを見て、愕然としました。

病院にも大雨特別警報に関する注意が流れていました。

ご関係者の方のご無事をお祈りするばかりです。

珍道中 Lost baggage とtraveling chef

2015-09-09 19:10:07 | AMEE 欧州医学教育学会
本日は早朝から Glasgowを出発して、London Heathrow空港からミラノに入りました。


特に問題はない予定でしたが、ミラノのLinate空港に着いた途端に、荷物が出てこないハプニングになりました。同乗していた大半の人の荷物が出てこず、Lost Baggageにクレームすることになりました。隣に座っていた人も南米出身で米国ワシントンDCに住んでいる人ですが、イタリアの家族に会いに来ていた旅でのLost baggage。
Healthrowでの大規模なシステムエラーと説明されていますが、まだ荷物がどこにいったのか不明です。Onlineでstatusを見ています。

私もさすがに最後のミラノでこのようなことになるとは、日本に帰る間際で荷物が入れ違いになるリスクが高く、明日は学会どころではなくなりました。明日は荷物が到着しないかを確認するためにミラノの空港に戻ります。



今日から、国際農村医学会 International Rural Health Congressが開催されるLodiという町に滞在しています。


ピンチのときは、旅は道連れで、Baggage claimの長い列に並びながら、隣に座っていた人、その後ろの人とsmall talk.タイなどの東南アジアなどを旅して、今度はアムステルダムに行く予定のイタリア人の方がいました。お話を伺うをシェフだそうで、アジア系のキッチンを見てきたので、それも取り入れたイタリアンをつくりたい、といっていました。見るからに才能ありそうな感じの20代ぐらいの方で、Awesome!と隣席した人と感激しました。

珍道中となって、AMEEの学会で学んだことが遠い昔のことのようです。。




AMEE Day 2

2015-09-08 23:32:33 | AMEE 欧州医学教育学会
本日も非常に有意義な学会でした。2007年にノルウエーのトッテンハイムというところで開催された会から参加しております。2009年は欠席(スペインのマラガでした)。それ以外はほぼ毎年発表して参加しています。

今年はワークショップに応募しましたが、採択されなかったので、発表はなしでした。
1月のAPMECと、3月のOttawa Conferenceにはabstractを出しました。

さて、学会の本会で、いつも楽しみにしているFringeというinnovativeな教育方法のセッションにも出ました。

やはり楽しく学べる機会をいただきました。

明日、イタリアのミラノ近郊のLodiというところで、国際農村医学会というのがありまして、1日だけ見学に伺います。

次回、東京で開始されるそうで、お手伝いさせていただく予定です。

AMEE Day 1

2015-09-08 00:45:33 | AMEE 欧州医学教育学会
刺激的で興味深いセッションが多く、どれに参加するか迷いますが、2010年から医学教育学を学び初めて、
参加するセッションがかなり変わりました。

今年は、Ph.Dリポートという, Ph.Dプロジェクトが終了した人がoral presentationするセッションが2つあるのですが、2つとも出たいと思っています。High qualityのcutting edgeの内容だからです。

そのほかシンポジウムも興味深いセッションフォーマットになっていました。

300名?ぐらい集まる広いホールに、披露宴形式に丸テーブルが並び、シンポジウムですが、一方通行のレクチャでなく、プレゼンテーション後、small group discussionが含まれる形式でした。インターアクティブかつ、ディスカッションを取り入れており、斬新だと思いました。

また今年から、Flipped Classroom形式のセッションもあり、最先端の教育フォーマットで学会自体もデザインされています。

昨日のワークショップで、peer-teaching(学生の臨床前教育で)がルーティンになっている大学があることを知りました。学生が学生を教えながら、教官もいる形での基礎医学をcase-basedで学ぶセッションです。

いろいろやってみたい教育フォーマットが多いです。自分の教育現場にて応用します。

Maastricht 同窓会 Alumni workshop

2015-09-06 23:55:23 | 医学教育
AMEE(欧州医学教育学会)のpre-conferenceのときに、Maastricht大学が必ず開催している同窓生向けのworkshop.

今年も参加できました。非常に興味深いテーマでした。

Residencyトレーニングが、患者アウトカムにどのように影響するのか、ということを取り扱った内容です。
世界のリサーチの方向が、教育のインパクトでもっとも高次にある患者アウトカムにさらにシフトしていくことを予感しました。

Alumniの集まりはとても刺激的です。今回も世界有数のトップリサーチャーであるファカルティが何名も参加しており、私たち学生、卒業生とグループディスカッションするデザインでした。いろいろなアイデアがすぐに出てきて、アカデミックに刺激になります。

私のプロジェクトについても、今後どうすべきか複数のファカルティに相談しました。みんな親身に聞いてくれるのでありがたいです。また同じPh.D学生の立場の人も何名も参加していて、彼らとセッション後話せて、とても勉強になりました。Ph.Dコースは主役は自分であり、自分が主体として、ファカルティに自分にserve (日本語になりにくいのですが、自分のために助けてもらう・働いていただくというニュアンス)していただくように働きかけるんだよ、と教えていただきました。確かに。受け身的に指示を待たないこと。

今年の学会のOpening ceremonyは、バッグパイプの演奏ありで、非常に盛り上がりました。楽しいひとときでした。

15年ぶりに母校 London Schoolへ

2015-09-05 22:54:07 | London School of Hyg
15年ぶりに母校London Schoolを訪れました。こちらもたどり着くまでに地図がなかったこともあり、以前の記憶で周囲の方に聞きながら探し回りました(google mapが使えなかったので非常に困りました)。工事中の若い方がgoogleしてくれたおかげで無事に到着しました。感動です。


学校内には、英国人として初めてノーベル賞を受賞したSir Ronald Ross (マラリアが蚊によって媒介されることを発見した功績)の受賞メダルなどがたくさん展示されていました。


熱帯医学のあの"Manson"の肖像があり、こちらも感動しました。


移動中にそのほかもさまざまな出来事、ハードルがあり”珍道中”ながら、グラスゴー入りしました。
UK ポンドが高く、円安のため、悲鳴をあげるくらい物価が高く出費がかさんでいます。なんとかサバイブせねばと。。。タクシーが高く、ちょっと乗っも10ポンドぐらい(2200円ぐらい)です。駅前で朝食を購入してみたら、8ポンド (1700円ぐらい)。ホテルのBuffetは、22ポンドでした(4700円近い)。

フライト中のミラクル。3人掛けの席でしたが、3人ともAMEE参加と判明。全員ドクター。ほかの二人がsmall talkしているのが聞こえて、実は私も参加します、となってびっくりでした。

オマーンの女性、オーストラリアの女性と3人とも女性。オマーンの方は、私が一度お会いしてみたいと思っている「砂漠に創った世界一の学校」のスワーダさん(オマーンに帰化)をご存知ということでした。
Small worldです!

Oxford珍道中...

2015-09-05 01:02:33 | 旅便り
本日は、日帰りで、26年ぶりにOxfordへ向かいました。


電車で1時間程度ですが、そこまでたどり着くまで、”ちょっと波乱万丈”。ホテルのConcergeで言われた所用時間よりも、やはり多くかかり、早めに出ていたものの、あわや予約した電車をミスしそうでした。
久しぶりに乗ったTubeが、途中でエレベーター故障のため、別ルートへ乗り換えのアナウンス。最初、??という感じで、まさか自分が向かっているPaddingtonという駅には行かないから別ルートで向かうように指示が出されていました。ぼーっとしていたので、自分のことを言われているのに気がつくのが少し遅かったら乗り越していました。

そこから、Paddingtonにちゃんと着けるtubeに乗り換えて、なんとか到着しました。その後は予約したチケットを取りに行かないといけないのですが、そこがまた次のハードルで、どのマシンを使うべきか探し回ることに。。並んでいる人に聞いて、やっとチケットを受け取り成功。ようやくプラットホームも決まって、乗れました。1時間ほどで、なつかしのOxfordへ到着。少し晴れ間もあって、かわいらしいコンパクトな街並みを見て歩きました。その後Oxford大学へ。

午後は、History of ScienceのMuseumへ。感動の訪問になりました。
Sir Alexanderが、確かOxford大学で発見したペニシリンですが、実用化にはすぐには至りませんでした。

その後、フローリーとチェーンがペニシリンを精製して大量生産化に成功した、当時の機材が展示されていました。

いっぱい写真を取りました。またレポートします。顕微鏡や時計や、レントゲンや、医学の歴史も展示されており、私は釘付けでした。



さらに、以前は行ったことのなかったOxfordが誇る世界最古の博物館に行きました。
West meets east. という感じで、古代文明、大航海時代に西と東の交流があり、美術品などが変化したことを順番に確認できる方法で展示されているものを駆け足で見て回りました。感動的でした。エジプトのマミー(ミイラ)や、Cyprus (キプロス島)の遺跡出土品など。

夕方は無事にロンドンにOn timeに戻りました。
映画で大ヒットしたという"Kinky Boots"というミュージカルを見ました。
これはすごかったです! 全員総立ちのStanding ovationでした。(全員総立ちのovationは初めて体験しました)

医学教育のグローバル化 シンポジウム便り

2015-09-04 00:32:20 | 医学教育
マストリヒト大学とトロント大学が共催で開催した医学教育のグローバル化に関するシンポジウム。
私の予想以上に多数の参加でびっくりするほどでした。

会場は、”披露宴形式”で、椅子がすべて”前向き”にセットされていたところはさすがでした。


ディスカッションも非常に活発でした。

グローバルヘルス教育を取り入れる医学部が増えている状況で、この分野はあまりリサーチされていないことから、世界各地から集まって会合が開催されました。

目的は、これまでの受け入れ・教育支援などの経験をシェアし、お互いに学びましょう、という趣旨でした。

リサーチの内容というよりは、経験のシェアと、その水面下にある(まだ表だっていない)課題や成功へのカギなどをディスカッション(brain storming)するというものでした。

マストリヒト大学は、サウジアラビアから学生を政府間提携レベルで受け入れており、最初の卒業生が今年母国でインターンとして働いているそうです。現地の卒業生に比し、コンピテンシー(パフォーマンス)の点で、際立って優れているそうです(学生からの報告による)。

そのほかイエメンや、アフリカ(モザンビークなど)へ教育プログラムを輸出して、支援している経験がシェアされました。

”カリキュラムの輸出・移植”や、先進国の学生がほかの国(アジア、アフリカなど)でelectiveをする、または、アジア、アフリカなどの学生が北米、欧州などでelectiveをする意義、などについて議論がされました。

そもそも、"Global health"で目指すコンピテンシーが何か、ということで議論にもなりました。

最終的な議論のまとめで、

”いろいろなコンテキストで、柔軟に適応・対応できる”

”いろいろな文化背景を持った患者に、柔軟に適応・対応できる”

ことが求められる、ということでまとまりました。

まるでカメレオンのように、古代ローマのことわざの"郷に入っては郷に従え”式に、医療者はflexibleに患者のニーズに対応できるようになる必要がある、というものです。

”医学教育のグローバル化”という表現や現象が、かつての植民地化を彷彿とさせるため、現在では、
Harmonization 調和という単語が使用されてきているそうです。

現地で上手くカリキュラムなどが運用できるカギは、
1. コミュニケーション
2. 個人的な信頼関係

とのコメントはなるほど、と納得しました。

ほか多数、パールがあるのですが、書ききれません。。


ロンドン入り、明日はOxford大学へ

2015-09-03 23:33:10 | AMEE 欧州医学教育学会
本日、Maastrichtから、Brusselsを経て、ユーロスターでLondon入りしました。


ロンドン側の駅に、「回転寿司」があったので、思わず試してみました。高いですね〜。


トンネルを通って電車でロンドン入りするのは2回目です。1回目は15年ぐらい前に短期にロンドンに住んでいたころ、ロンドン-パリ間を往復しました。とても便利でした。時差があるので、2時間かかることを忘れていました。

ロンドンの空港には2010年に一度降り立ったのですが、ロンドン市街に出る時間がなかったため、今回は15年ぶりのロンドン市街になります。随分、スタイリッシュなホテルもあり(自分が宿泊しているところは非常に都会的)、とってもワクワクする街です。


明日は日帰りでOxford大学へ。こちらは、四半世紀ぶり。21才のとき以来の訪問です。学祭古都という感じの重厚な建物が多く、可愛らしいコンパクトな町が当時とても好きでした。欧州の文化の多様性を直接体感した自分にとっては人生を決定づけた、major turning pointになった町です。

ロンドンの街は、白夜で21時頃まで明るくて、とても刺激的です。


エンターテイメントの街でもあり、人気レパートリーのミュージカルも観ました。圧倒的な歌唱力と観客もストレートな喝采と声援があり、LondonやNew Yorkで観るときはいつも、とっても賑やかで、盛り上がります。

シンポジウム便り:Health Professions Education Globalized

2015-09-02 19:11:44 | 医学教育
しっかりとreflectionしたいと思いますが、本日のマストリヒト大学およびトロント大学共催の”医学教育のグローバル化”に関するシンポジウムは、大変、素晴らしく、刺激的, inspiringでした。

シンポジウム中に自分がメモしたキーワードなどをまとめたいと思っています。

スピーカーは、世界各地で、交換プログラムを実行している経験者の方、カリキュラムなどを別の国に”輸出”している方、逆に”現地で受け入れている方”などでした。文字通り、”世界中から”集まった方々でした。

強いて申し上げるなら、米国から参加者はいなかったこと。主催はカナダも含まれていますが、どちらかといえば、英国圏内の国のため、少し意味合いが異なると感じました。

マストリヒト大学が協力している国々、特にアフリカやサウジアラビア、イエメンなどの中東からの登壇が際立ちました。アジアからは、シンガポールからのスピーカーが唯一含まれていました。

セッションそのもののデザインも、さすがマストリヒトというべき斬新なデザイン。

オープンディスカッションも多く、議論から学ぶことが多かったです。

日本に関しては、会場で偶然にも、マレーシア人で、英国で大学を出て、その後、なんと東京大学で教育にかかわっており、今年の9月からマストリヒト大学でMaster of Global Healthを取得するコースにいる方に出会いました。日本語も流暢で、英語、マレー語、北京語と数カ国語を話す方です。また岐阜大学に3ヶ月滞在したことのあるマストリヒト大学の有名教授の先生ともいろいろお話できました。

非常に楽しく、アカデミックにも有益な時間でした。

この後、自身の頭の整理と復習をするため内容をリポートします。