矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

霧雨のように。。。

2011-09-15 11:32:59 | 医学教育
先日、沖縄県立中部病院の遠藤先生のご講演で、”霧雨のなかを歩いていたら気がつかないうちに、濡れてしまった”という曹洞宗の道元のことば引用されていました。

遠藤先生が、お師匠の先生のもとで研修していたら、自然にその先生に匹敵する”匠たくみ”な診療を身につけることができた、というお話でした。

医学教育の理論を学び始めたおかげで、その意味が身にしみてわかりました。

”学習環境”の学習に与える影響、ということです。

Learning environmentにより、いかにパフォーマンスが変わるか、ということですね。

学習理論、教育理論を学ぶ前に、自分でも、どこをどう変えれば日本の教育がよくなるか
考え続けていましたが、”環境から学ぶ要素”ということを、初めて自覚したのを思い出します。

在米中では、”あたりまえで空気のようになっている”状態では気がつかない”環境から多大に学んでいるということ”を、いかに日本で実現したらよいかを考え続けています。

私自身は、自分のトレーニングの経過を振り返ってももっとも学んだのはベッドサイド、
特に指導医とのラウンドであったことは非常に明確です。

Teaching roundこそが、臨床教育の核であると信じています。それをいかに充実させるかが自分自身の課題でもあります。時間、マンパワーの状況から制約は多いなかで、最大限のアウトカムを引き出す環境の構築が目標です。

今年は、国際共同研究を実行することが最優先です。ありがたい機会を頂戴し国外出張が多いです。反面、自分が一番大切に思うTeaching roundが十分にできていないことを悲しくも思います。

いつでも、どこでも、自分のベストパフォーマンスを提供することが本物のプロフェッショナルだと思います。よい意味で緊張感をもちながらいろいろなことに取り組みたいですね。。

家族との時間もそれ以上に大切にしつつ。。。