◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「心労をわずらわせている」って?

2010-01-13 20:55:28 | 気になる言葉、具体例
                            心労も吹っ飛ぶわね
 漢字が読めないA・T氏の次は・・・どうにも日本語が下手なH・Y氏です。「安心してお暮らしできるように」とか、「心労をわずらわせている」とか、「成長の波の中に」とか、毎日何かしら変なことを言っています。政治家らしく、「私は」もちゃーんと変なところに入れますよ。
 「安心してお暮らしできるように」については昨年9月2日に書きましたから省きます。「心労をわずらわせている」については、ご自身のイメージはどうだったのか、それは不明ですが、テロップは「心労を患わせている」でした。
 「心労」とは、心配したための心の疲れ、「患う」とは、病気にかかること。心労のあまり寝込むということはありますが、それは、心労によって体調が悪くなるということで、心労そのものは病気ではありませんね。よって、「心労を患う」とは言えません。「心労をかける」が一般的な表現でしょう。
 そもそも、「患わせている」という言い方そのものが成立しにくいですね。病気になるほどの心労をかける、苦労させる、いじめ、過労、薬害、意識の低いキャリアーによる感染拡大などなど、「患わせる」と言えなくもない事例はありますが、患わせるというより、患うほど○○する、患うほど○○させる、という言い方のほうが自然です。
 では、もう一つ、もしもテロップが「心労を煩わせている」だったらどういうことになるか。「煩わす」は面倒なことで疲れさせるという意味なので、正しい表現は「心を煩わせている」であり、「心労を煩わせている」では重複になってしまいます。ということは、「患わせている」でも「煩わせている」でも、どっちみちありえない言い方で、「心労をかけている」もしくは「心を煩わせている」と言わなければいけません。
 「心労をかけている」と「心を煩わせている」は「疲れ」のレベルですが、「患う」は疲れから一層進んで病気にまでなってしまうのですから、H・Y氏は「心労」について疲れ以上の深刻なイメージを持っていたのかもしれません。でも、本人は非常に恵まれた環境にいますから単純な重複という可能性もあり・・・、ま、どっちにしろもうちょっと日本語を勉強してください。え? 日本語より日本経済だって? そうですね、テロップの作業者が気を利かせて「心労をかけている」と書けばよかった・・・のかな( ̄ ̄)?
 え? 「成長の波の中に」は何なんだって? すみません、長くなったのでまた後日ということに。(⌒・⌒; ホンナラ~

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