◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「ありま・・」ってどっちや?!

2011-06-01 19:32:26 | ディクテーションについて
                               100万円のおつりっ

 ディクテーションを本業としてやっていたとき、受注→入力→チェック→最終チェック→納品という流れの中で、私は入力を主にやっていました。入力をする人とチェックをする人は録音を聞いて作業します。チェックをやっていたとき、「あります」とはっきり言っているのに「ありません」と書いてあるのを見ました。でも、これはたまにあることなのですよ、別に驚きはしません。
 「あります」が「ありません」と聞こえる、「ありません」が「あります」と聞こえる、あるいは「あります」か「ありません」か判別できないこともあります。「あり」まで聞こえて「ま」がかすかに聞こえ、「す」あるいは「せん」は完全に聞こえない。こうなると、話の内容そのものに詳しい人間でないと判断できません。全くもぉ~(-_-;)こんな話し方で一体だれに何を分かってもらおうっていうんですかね。
 さて、驚いたのはもうちょっと後です。話が終わってから質疑応答があり、質問者がたまたまその部分について念を押すように「あるのですね」と尋ね、話し手が「あります」と答えた、にもかかわらず、そこでも「ありません」と書いてあったのです。普通はここでさっきのは「あります」だったのだと気づいて直しますが(ーー;)、直すのが面倒でここも「ありません」にしちゃったのかなぁ ┐( ̄д ̄)г。
 この人(Aさん)はベテランで、Aさんが入力したものは録音を聞かないでさらっと読むだけ、そういう簡単なチェックで納品しているという話でした。そういうわけで、チェックするというより、「勉強になるから録音を聞きながら見て」と言われてこれを見たのですから困りました。勉強? これで? あのぉ~~~、間違いだらけなんですけどぉ~~~。最終チェック担当の人にそう言ったら、「ふぅん、Aさん、調子悪かったのかなぁ?」ですって。あのねぇ、そういうことではないと思いますよ。
 話し手が「これで計算すると××、あ、えっと、○○ですから」と言ったら、××は言い間違えた部分、○○は訂正した正しい部分、例えば、「これで計算すると1530円、あ、えっと、1530万円ですから」だと、1530円ではなく1530万円が正しいわけで、「これで計算すると1530万円ですから」となりますよね。ところが、Aさんときたら、「これで計算すると1530円ですから」と書いてあるのです。
 しかも、この話し手が、間違える、間違える、一体何を慌てているのか、緊張しているのか、数字に限らず、間違えて言い直し、また間違えて言い直し、何度も何度も「××、あ、えっと、○○」が出てきて、Aさんはそれを全て××と書き、○○は無視、ちゃんと聞こえるのに無視、ぜ~んぶ、○○ではなく××のほうを書いてありました。こんな不可解なことって、あり? あったんです!
 実態はこうなのに、ほとんどノーチェックで納品していたというのですから、発注者は自ら録音を聞いて誤りがないか確かめているのかいないのか、気になりました。確かめていない人は確かめたほうがいいですよ。正しい日本語で、明瞭な発音できちんと話す話し手、非常に聞きやすい完ぺきな録音、十分な資料、状況がよく分かる親切なメモ、そして、複数の優秀で誠実な作業者・・・なんてありえないのですから。
 ところで、皆さんお気づきですか? 今度は何だって? あまりにもナレーションが気持ち悪くて見なくなった番組「大改造!! 劇的ビフォー・アフター」を久しぶりに見たら、何かが違う・・・ナレーションがあまり気持ち悪くないのですよ。ひょっとして原稿を書く人が替わったのかな~( ̄・ ̄)?

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