日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

これも「人の心理」なのかも・・・肥満と低カロリー飲料

2014-01-17 21:15:47 | アラカルト

ここ数年、飲料水市場で大きく伸びているのが、「低カロリー飲料」や「0カロリー飲料」だ。
この「低カロリー(まだは「0カロリー」)飲料とは別に、ミネラルウォーターという市場も伸びているようだが、大きく伸びているのは「トクホ」の認定がされている、ソフトドリンクなどだ。
業界動向:清涼飲料水の現状
「トクホのコーラ」を飲んでも、さほど体に影響があるとは思えないのだが、「同じコーラを買うなら、健康に良さそうなトクホのコーラ」という気分で、購入をしていると思う。

今日の、毎日新聞の「世界の雑記帳」には、その「低カロリー飲料と肥満の関係を取り上げている。
毎日新聞「世界の雑記帳」:低カロリー飲料を好む人、食事の量は増加=米国調査」

この記事を読んで、思い当たることがあった。
随分前、「ジャンクフードが大好き」という方のお話を聞いていたら、その方は「サプリ好き」ということも判ったのだ。
そして気になって、他のジャンクフード好きの人にも話を聞いたところ、やはり「サプリ好き」だった。
ジャンクフードを食べながら、栄養バランスのことを考えサプリで必要栄養素(多くの場合、野菜に多く含まれているビタミン類)を補給している、と言うのがその理由だった。
彼らの考えは「ジャンクフードを食べるため、栄養補給のためにサプリを飲んで、栄養バランスを整える」ということらしい。

その理由の他に「サプリで栄養補給をしているので、安心してジャンクフードが思いっきり食べられる」ということも話してくれた。
多くの人は「ジャンクフードを止めて、普通の食事をすればサプリなどは、ほとんど摂らなくても良いのでは?」と思うのではないだろうか?

おそらく、それと同じ考えで「低カロリー=太らない」→「沢山飲んでも、食事の量を減らさなくても大丈夫」→「肥満になる」と言う「肥満スパイラル」に陥っているのだと思う。
それだけではなく、「ジャンクフード好き」と言う生活者の世帯の多くが、いわゆる「貧困家庭」か、それに近い経済状況にあるとも言われている。
これはあくまでも、米国での調査なのだが、日本でも同じ様な傾向が見られる少しずつ見られる様になってきているのでは?と言う、気がしている。

「どうせ飲むなら、体によいほう」という考えと、「自分にとって都合の良い理解」が、肥満の要因でいることを十分知る必要があるかも知れない。


「金の斧と鉄の斧」どちらを選ぶ?

2014-01-16 21:17:48 | マーケティング

 イソップ童話の中にある「金の斧、銀の斧」というお話を知っている方は、多いと思う。
 
福娘童話集・今日のイソップ童話より「金のオノ、銀のオノ」
 
 正直者の木こりが、川のそばで古いオノを落とし困っていると、川から神様が現れ「おまえの落としたオノは、これか?」と言って金のオノを出すが、正直者の木こりは「違います」と答え、「では、これか?」と神様が、銀のオノを出す。木こりは「それではありません」と言うと、「これか?」と、次に神様が出したのは、木こりが落とした古いオノで「これです」と答えると、神様が「正直な木こりだ。おまえに金のオノ、銀のオノもあげよう」というお話だ。

 その「イソップ童話」の「金の斧、銀の斧」を元にした、ラジオCMがある。
 CMなので、童話通りの結末ではない。
 こちらは、正直者の木こりが「金や銀の斧」を見て「神様、金や銀は(草を刈るには)やわらか過ぎて、使えません。出来れば鉄の斧3本にして下さい」と、神様にお願いをする、と言う結末。
このラジオCMを聞いた時、「なるほどな~」と思ったのだ。

 イソップ童話では、「金・銀・鉄」の市場価値という視点から見ている話だ。
 正直者の木こりにとって、「金や銀の斧」は「富の象徴」となるコトはあっても、自分が使い慣れた鉄の斧のほうが使いやすいだろう。しかし、神様側から見ると「富の象徴」を与えることで、木こりの正直さを褒め称えたと言えるだろう。
 だからこそ、その後の欲張りで嘘つきな木こりが同じ様に金と銀の斧欲しさに、わざと川に自分の斧を落とし、神様にウソをつくのだろう。

 一方ラジオCMでは、正直者の木こりが「仕事に使えないから、金や銀の斧は入らない。金や銀の斧と同等額の鉄の斧3本の方が、私には必要だ」と、言っている。
 と言うことは、木こりにとって「富の象徴」である「金や銀」よりも、「仕事で使える」ということのほうが、価値が高いと考えていると言うことになる。

 ラジオCMのように、単純に「金や銀の斧=鉄の斧3本分」と言う市場価値ではないと思う。
 ただ、木こりが「仕事に使う斧」という価値観の中では、「鉄の斧3本分」が「金と銀の斧」よりも価値があるのだ。
 世間一般の価値観と、個人の価値観の間には、この様な「仕事」や「ライフスタイル」、その時の状況によって同じでは無い、と言うことだと思う。
 それほど「価値観」というモノは、「様々な条件や環境によって違う」と言うことなのだ。
 その「様々な条件や環境」の違いが、市場の中には溢れていて、実は「価値を決める」のは、社会よりも個人である、と言う意識を持つことが「市場を知る」ということかも知れない、と考えたのだった。


東京都知事選の争点って???

2014-01-14 15:27:46 | 徒然

細川護煕さんが、都知事選出馬を決められたようだ。
強力な支援者は、小泉純一郎さんだ。
お二人を結び付けているのは、「脱原発」。
細川さんは、「フクシマ事故」発生直後から「脱原発」ということを、様々なメディアで訴えてきた。
一方、小泉さんが「脱原発」を言う様になったのは、東京電力をはじめとしてご自分が首相の頃に説明を受けていた内容と実態が大きくかけ離れている、と言う事実を知ったときからの様だ。
これは、小泉さんご自身が、以前行った記者クラブでの場で「なぜ脱原発という考えを持ったのか」ということを説明していらっしゃる。

他の候補者として注目をされているのが、舛添要一さんだろう。
ところが桝添さんからは「脱原発」ということよりも、「2020年開催(予定)の東京オリンピック」のほうが、中心のようだ。
猪瀬さんの献金問題が起きたのは「202年の東京オリンピック開催」が決まった後だった。
穿った見方なのだが、元々猪瀬さんの役割は「東京オリンピック誘致」までだったような気がしている。
猪瀬さんご自身と言うよりも前の石原さんの意志を継いで「東京オリンピック誘致」を進めたが、国会議員さんの中には、「しがらみが無いクリーンで文化人」と言うイメージの良さが、オリンピック誘致には向いているが、いざ開催となるとその「政治家としての技量(というか、与党だけでは無くいわゆる業界との人脈など)に難あり」と思った人がいるのでは?と言う気もしている。違う見方をするなら「オリンピック誘致までのピンポイント起用」として適任だったのが、猪瀬さんだったのでは?と言う感じがするのだ。
その後は、自民党公認の都知事がオリンピック開催までを仕切ることで、関連業界、特に建築・土木の関係をよくしていきたい、と言う思惑もあったのでは?
事実、安倍さんになってから大幅に予算が増えたのは、いわゆる「族議員」さんたちの発言力が強いこの様な分野だった。
それを強く感じたのは、2020年のオリンピックの組織委員長に元総理の森喜朗さんが決まったからだ。
確かに誘致の時から委員長のような立場だったと思うのだが、個人的には「目立つことがお好きな方なので、ラグビーのW杯開催だけでは物足りなかったのかな?」と言う気もしているが、自民党にとって、何かと有利な人が組織委員長になったという印象もある。

その様な穿った見方で見て見ると、桝添さんというのは自民党から離れた人ではあっても、自民党側としては、適任だと判断してもおかしくは無いと思う。
自民党側としては「脱原発」に世論が動くよりも、「オリンピックの開催」を世論の中心にした方が、何かとメリットが高いかも知れないからだ。

もう一つは、細川さんご自身が中心となって「東日本大震災復興プロジェクト・森の長城プロジェクト」が、自民党が進めているコンクリート製の防潮堤計画と真っ向から対立すると言う点でも、自民党としてはおもしろくないと思う。

「他の候補者の方々が注目されない」と言うのは問題だとは思うのだが、そう考えると今回の都知事選は、単に「脱原発VSオリンピック」ではないように思うのだ。


様々なことを考えさせられた週末

2014-01-12 18:25:42 | 徒然

昨年、「がん征圧月間」に合わせて放送されたNHK・Eテレの「ハートネットTV・がんと就労」というテーマのフォーラムに、昨日出かけてきた。

「がん」と言う病気そのものは、日本人男性の2人に1人、女性の3人に1人が罹り、3人に1人は、がんで亡くなっている。いわば「日本の国民病」の様な病気だ。そして、がんの研究、治療は日進月歩。腫瘍内科医(「抗がん剤」など薬によってがんを治療する専門医)の中には「がんは、死ぬ病気ではなく、慢性疾患になってきている」という医師も、少なく無い。
それだけ薬による治療成績が上がり、「余命○○ヶ月」と宣告される患者よりも、がんと言う病気と上手に付き合いながら、長い人生を終える患者のほうが増えつつある。

しかし、現実は「がん=死ぬ病」というイメージが社会的に強く、「がんに罹患した」と上司に報告しただけで、「会社を辞めなくてはならない」という雰囲気になることを恐れ、退職をする人が多いと言う現実がある。
会社の規模が大きければ、「傷病手当」などの福利厚生制度がしっかりしているので、その心配はまだ少ないが、昨今の様に不安定な非正規雇用者が多い中で、その不安定な雇用の状態で「がんに罹患」してしまうと、患者さんはいきなり収入の道が断たれるケースが少なくない。
零細企業においては、福利厚生面は当然、元々余剰人員などいるはずもなく、社員ががんで倒れることは、意外だが経営的な問題になりやすいと言う面があると言う。

それに拍車をかけるのが「高齢化社会」という点だ。
「高齢化社会」というのは、単に「高齢者が多い社会」というだけでは無い。
「労働人口が減ってきている社会」と言い換えられ、「労働人口の減少」は、税収や社会保障費の収入の減少ということにも繋がっている。
 「労働人口の減少対策」として、「65歳定年」や「女性の就労の促進」等が進められる大きな理由だ。だが、現実はどうだろうか?
統計で見ると、日本人男性の「がん罹患年齢」が急上昇するのが60代なのだ。60歳で定年された方が、数年後がんで亡くなったと言う話を、聞いたことがある方は多いのではないだろうか?

「女性の就労」と言う問題にしても、「働く女性」そのものは増えているが、その多くがパートタイマーなどの「非正規雇用」だ。もちろん、働く女性側にも「扶養控除内で働きたい」という希望が多いからなのだが、その希望ができるのは、主たる世帯収入がある夫がいる場合で、離婚などによりシングルマザーとなって仕事をしている女性が「非正規雇用」であるケースも多い。また、「派遣社員、契約社員」という働き方も一般的になってきている点も、「女性の就労」と言う点で、難しさであり、病気になった場合、退職させやすい環境だと言える。

昨年11月、厚生労働省の試算によると、「がん」を理由にした退職などによる社会的経済損失は、1兆8千億円だという。
実は平成24年6月に決まった「がん対策基本推進計画」では、「就労問題」が取り上げられている(具体的に「就労」という項目とはなっていない。「働く世代のがん対策」と「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」等が該当する内容)。
厚生労働省:がん対策基本計画(注意:pdfファイル)
企業側も「がん対策」に取り組むと言う時期が来ているのに、それが企業にも社会にも理解されていない現実・・・と言うことを考えさせれらたのだった。
いずれにしても、「お金の切れ目が、命の切れ目」という社会は、問題だと思う。


 


「同じモノを買うなら・・・」生活者と企業の意識が変わりつつある

2014-01-10 19:40:27 | マーケティング

最近、買い物に行くと様々な商品パッケージに、ちょっとした変化を感じることがある。
それは、パッケージに「売上金の一部を○○○に寄付をします」と、小さな文字が印刷されている商品が増え始めているということだ。

例えば、国連食糧計画(通称:WFP)には「世界の子ども達に給食を提供することで、学校に通いやすい環境をつくる」という活動がある。
その活動を支える一環として「レッドカップキャンペーン」という、キャンペーンをしている。
WFP:RED CUP CAMPAIGNサイト
参加企業をみると、コンビニから食料品会社、学習塾など様々だ。
その中でも、特に食料品会社が多いのは、当然だと思うのだがこのキャンペーンに参加している商品には、「RED CUP」とキャンーン参加の告知が、小さく印刷されている。

そして昨年暮れ見かけたのが、「能率手帳」から名前が変わった「NOLTY」の手帳やカレンダーだった。商品価格の内10円を東日本大震災で被災した子ども達の教育支援に寄付をする、と言う内容だった。

拙ブログに来て下さる方の中で、同じ目的(例えば新しい手帳)で同じ価格の商品を買おうとした時、一つは「○○へ寄付」と書いてあり、他の商品には書かれていない、と言う場合、どちらの商品を選ぶだろうか?
おそらく、ある一定数の方は「○○へ寄付」と書いてある商品を購入すると思う。
言い換えるなら、「同じ目的・同じ価格の商品を買うなら、少しは社会貢献できたほうが嬉しい」という気持ちがあり、それを企業側も知っている、と言うことだと思う。

企業側にとっても、「寄付をする」と言うことは売り上げに影響することなので、そう簡単に参加する、と言う訳にはいかない。
しかし、「寄付をする」ということで、1商品あたりの利益は若干減ってもその考えに賛同する生活者が多ければ、最終的には商品全体の売り上げは増える。
何よりも「社会貢献、社会的活動に関心の高い企業」というイメージを生活者に与えることになり、企業イメージのアップにつながる。

生活者の「モノを買うコトが社会貢献につながる」という「ちょっと嬉しい買い物」という感覚は、フェアトレード商品が登場し始めた頃から、生まれた感覚という気がしている。
最近では「エシカル商品」と呼ばれる、自然に配慮をした商品を謳う企業も増えてきている。
フェアトレード商品も「エシカル商品」も、価格的にはやや高めなのだが、あえてこの様な商品を選ぶ生活者が増えつつあるのも事実だ。

その意味で、生活者も企業も「社会とどう関わっていくのか」という姿勢が、モノを買う一つの基準になりはじめている、と言うことだと思う。
その様な意識変化が、これまでとは違う「結びつきのある市場」を創り出していく様な気がする。



都知事選と東京電力

2014-01-09 20:30:17 | アラカルト

今朝の朝日新聞の一面に、東京都知事選に細川護煕さんが小泉純一郎さんの支持を受け、出馬か?と言う記事が掲載されていた。
細川さんと小泉さんとは「脱原発」という点で、一致しているが他の点ではどうなのだろう?
とは言うものの、今回の都知事選は選挙をするコトになった猪瀬さんの問題からの反省を受けた候補者というよりも、「脱原発」が争点になりそうな勢いだ。

「脱原発」となれば、都知事選云々では無く今の内閣に対する東京都民の考えを示すことになる。
その意味で、都知事選の持つ意味は「福島第一原子力発電所」という、自分達の生活圏外から電力供給を受けていた東京都民が、自分達の生活のあり方も考える選挙なのかも知れない。
その選挙結果によっては、今の国進めている「原発再稼働への動き」や「原発輸出」に、何らかの影響を及ぼす可能性もあるかも知れない。

「かも知れない」というのは、いくら国に対して影響力があると考えられる都知事選であっても、一自治体の首長を選ぶ選挙という点では、他の地方自治体の首長選挙と変わりが無いからだ。
今の安倍さんの勢いなら「都知事選の結果に関係なく、今の原発再稼働への動きを止めるつもりは無い」と、言い放つ可能性のほうが高そうな気がする。

ところで、今日FMのニュースを聞いていたら「東京電力そのものが、とても厳しい状況にある」ということを改めて感じた。
そのニュースとは、オランダの公務員年金基金が保有している東京電力株を昨年の秋~少しずつ売り払い、現在は総て売り払ったと言う内容のもの。
ロイター:オランダ年金基金が東電株売却、原発事故処理懸念で

海外の年金基金が、日本のいわゆる「資産株」と呼ばれる企業の株式を所有していたことについては、別段驚くことではない。
これだけ経済のグローバル化が言われている時代なのだから、保有していて当然だろう。
むしろ、不況と言われながらもある程度安定した経済力を保持してきた日本の「資産株」なら、リスクは少ないと考えられていると思う。
むしろ売却理由のほうが、大問題だと思うのだ。

日本の株主では考え難いかも知れないが、オランダ年金基金側が「原発事故処理問題」について何度も説明を求めていたという。
それに対して、東京電力から回答がでないことが「企業として問題がある」と判断し、売却をしているのだ。
東京電力の主な収益源は、一般家庭や企業から徴収する「電気料金」。その収益から生まれる配当益の受け取り先は、国内だけではないと言うことだ。
その中の世界でも有力投資家としての一面をもっている、海外の年金基金から「(投資先)企業として問題がある」と、言われた様なものでその影響は、東京電力が思っている以上のもののような気がする。

いずれにしても東京電力にとって、都知事選の結果とオランダの年金基金が行った保有株の売却は、影響が大きい問題だと思う。


やしきたかじんさんとがん

2014-01-08 18:43:04 | 徒然

関西で活躍をされていた、やしきたかじんさんが亡くなられた。
早期の食道がんが見つかり、テレビ番組などを降板して治療に専念されていた、と言うことだったが、その後、腸閉塞などを発症されていたという。
それでも、一部のメディアからは大阪の繁華街・北新地で飲み歩いている姿などが報道されたりしていた。

亡くなられたたかじんさんは、「自分のやりたいことをやっていただけ」とおっしゃると思うのだが、がん種は違うにしても「がん」と言う病気を体験した側からすると、「がん」という病気と向き合うことが出来なかったのかな?と言う気がしている。
と言うのも、食道がんの要因として上げられるリスクは「喫煙と飲酒」だからだ。
当然、治療となれば担当主治医からは、喫煙はもちろん飲酒も止められていたと思う。

実は、女性と男性とでは「がん告知」後の行動が大きく違う、と言われている。
男性の場合、ネットなどで情報を収集するのと同時に、身辺整理を始めると言われている。
それが女性の場合、夫以外の家族に相談をしたり、自分が加入している生命保険の契約内容を確認した入りする、という。
実は、私も「要精密検査」と言われたその日に、自分が加入している生命保険の契約内容を確認し、契約約款まで読み直した。

そう考えると、たかじんさんにとっても「がん告知→治療」という過程は、常に「がん=死」を意識されていたのかも知れない。
「どうせ死ぬなら、自分のやりたいことをやって・・・」と、思うのも当然だとも言えるし、一般的な「がん治療」の考えを覆す内容の「がん治療拒否、放置の勧め」本が、昨年のベストセラー本の一つだったことを考えれば、やはり「がん=特別な病気」というのが、社会的イメージなのかもしれない。

しかし、がん治療そのものはここ数年で大きく変化してきている。
腫瘍内科医の先生によっては「がんは慢性疾患になりつつある」という程、効果的な治療が受けられる様になってきており。その現実は余り知られていない様な気がする。
上述した「男性が、がん告知を受けた後の行動」にある、「ネットで情報を収集する」と言っても、実はネット検索の上位に表示されるものは「闘病記」か、「○○療法」などという「広告」で、効果が高いと認められた最新の治療情報(=国立がん研究センターのサイト 「がん情報サービス」 )にまで、なかなか辿りつけない、と言うのが現状なのだ。

個人的には、たかじんさんご自身ががんと言う病気と向き合い、元気な姿で再びテレビに登場してもらいたかった。
「がんなんて病気はね、上手に付き合えば普通に生活できるんですよ」と、しゃれっ気タップリに話すだけで、どれだけ多くのがん患者さんやその家族が元気になり、日本の社会全体に対しても「がん」と言う病気のイメージを変えることができたと思う。
それだけに、とても残念な気がするやしきたかじんさんの訃報だ。


今年は、発想を少しずらしてみよう

2014-01-06 19:46:08 | 仕事のコツ

今日から仕事始め、と言う方も多かっただろう。
「仕事はじめ」とは言うものの、まだまだお屠蘇気分が抜けず、本格的な仕事始めは来週14日からという感じかもしれない。

ならば!今週は「ちょっと発想を変える週間」と、考えてみてはどうだろう?
先日紹介した「抹茶シャンパン」を提案していたのは、京都の老舗茶舗・一保堂茶舗さん。
その関連で京都の日本酒のサイトをチェックしていたら、「桃の天然水スパークリングと日本酒を合わせて、カクテルのようにして・・・」という一文を見つけた。
カミング:上京区で唯一の酒蔵佐々木酒造さんをたずねて
余談だが、この「佐々木酒造」さんは俳優の佐々木蔵之介さんのご実家だ。

「老舗だから冒険的で大胆な発想が生まれる」と言う部分は、若干なりともあると思う。
自分の事業となる基礎がしっかり出来ているので、何かあれば原点に戻り、また新しいことにチャレンジするコトができるからだ。
しかし、何も老舗でなくても、発想を変えるコトはできると思う。
変えるコトは出来なくても、「少しずらしてみる」と言うことはできるのではないだろうか?

例えば「寝台特急」をテーマに揚げてみる。
ご存じの通り、「寝台特急」は廃止の一途を辿っている。
残るのは、いわゆる「走る高級ホテル」のようなタイプだけだ。
廃止される理由の一つが、新幹線に代表される「高速化」。
それに拍車を掛けそうなのが「リニアモーター」ということになるのだが、「高速化」を進める大きな理由はなんだろう?と、考えると「昼間の長距離移動の時間短縮」ということになると思う。

「昼間の長距離移動の時間短縮」と言う点だけで考えれば、確かに「寝台特急」は向かない。
しかし「寝ている間に長距離を移動できる」と考えると、また違った需用が起きてくるのでは?
これまでの様な2段ベッド(3段ベッド)の「ベッドを座席と考える」のではなく、「一つの部屋」の様に考え「ファミリータイプ」の座席にすれば、このお正月休みの大渋滞に巻き込まれることもなく、運転手役のお父さんもラクだろうし、子ども達も周囲に気兼ねなく、旅行を楽しむことができるのではないだろうか?
場所と時間によっては、自然を満喫できるロケーションや朝食サービスとして沿線の名物を提供すると言う方法もあるのでは?

ファミリー向けと言うだけでは無く、ビジネス向けとしても「寝ている間に移動できる」というのは、魅力的だと思う。
もちろん運賃などの問題も大きいが、移動先で十分楽しむ・仕事をするため「時間を買う」と言う発想になれば、それも違ってくると思う。

「寝台特急」といのは、あくまでも思いついた一例。
仕事の合間に、この様な「(無駄な?)発想トレーニング」をして、仕事に向かってみてはいかがだろう。


今年のお正月広告

2014-01-05 17:54:17 | CMウォッチ

毎年、年明けにその年の「お正月広告」について、エントリしているのは拙ブログの古い読者ならご存じの通り。
そして、今年その「お正月広告」を書く気になれなかった。
理由は「代わり映えしないタレント起用」と言うこと。

昨年暮れから、新聞紙面だけでは無く年末年始向けテレビ番組雑誌などの表紙に登場していたのは、アイドルグループ(と言って良いのだろうか?)の「嵐」だった。
テレビ雑誌の表紙は、NHK「紅白歌合戦」の白組司会ということを考えれば、違和感は余りないのだが、年末~年始にかけ新聞に掲載された企業広告でも「嵐」が随分と起用されていた。

「嵐」が起用されることが悪い訳では無い。
「嵐」に問題がある訳でもないし、メンバーそれぞれが様々なテレビ番組などで活躍をし、グループとしてだけでは無く、個人としても人気が高いと言うことも知っている。
ただ、「お正月広告」という年に1回の「企業メッセージ」を伝える広告に、様々な企業が「嵐」を起用していることに、違和感を感じたのだ。

いくら人気があると言っても、同じタレントさんを数多くの企業が起用すると、起用した企業の印象よりも、起用されたタレントさんの印象が強くなり、企業広告として「どんな広告で、どんなメッセージがあったのか」という印象がほとんど残らない。
これは「嵐」に問題があるのではなく、「嵐」というアイドルグループを「人気があるから」という理由で、起用した広告制作側の問題なのだと思う。

もう一つ言えることは、「お正月広告」が打てる企業が、随分減ったと言うことだ。
いわゆる家電メーカーなどでも積極的に「お正月広告」を打っていたのは、「嵐」を起用していた日立くらいで、パナソニックや1,000人を超すリストラを発表したソニーなどの「お正月広告」は無かった様に思う。もしかしたらあったのかも知れないが、印象には残っていない。
言い換えれば、「お正月広告」を見ると、その企業の「元気度」がある程度判ると言えるかも知れない。

その中で唯一と言って良いかも知れない、印象的な広告があった。
万年筆の「パイロット」の広告だ。
サイトで確認をすると、2013年制作となっているので「お正月広告」として制作されたものではないようだが、「さあ、自由だ」という言葉に、「これから始まる、ワクワク・ドキドキ感」を感じる。
パイロット:企業広告2013年「さあ、自由だ」
昨年からの「美文字」ブームということもあり、万年筆を使って「ことばを書く」ことが増えそうな今年。何も「ことば」でなくても良い。「自分らしい気持ちを表すツールとして万年筆はある」と言うことを、上手に表現している様に思う。

昨年から始まった、政治主導の社会的締め付け感がある中だからこそ、「さあ、自由だ」と言うコピーはとても力強く感じる。
人気タレントを起用しなくても、印象に残る広告はできる・・・そんなお手本の様な気がする。


抹茶シャンパン?

2014-01-04 17:35:17 | アラカルト

お正月休みも明日まで、と言う方は多いのではないだろうか?
今回のお正月休みは9連休、と言う方も多かったと思う。
そんな休み後1日。
明日は、お出かけ先から戻って自宅でゆっくり・・・と言う方も多いと思う。

お正月休みの締めくくりに、こんな飲み物は?と言うのが、今日のタイトルだ。
この提案をされているのが、京都にある老舗・一保堂茶舗だ。
WEBサイト内にある「お茶のある暮らし」というブログ風のコラムで、不定期に更新されている。
一保堂茶舗:お茶のある暮らし (2013年12月8日掲載分)

コラムそのものは、「急須で淹れるお茶」の需用掘り起こしを目的にしているのだと思う。
実際、3年ほど前の年の暮れに一保堂さんで「大福茶」を買いに行ったとき、たまたま来店をされていた関東からこられた方が「我が家では、急須でお茶を淹れるので・・・」と、わざわざ話されていた。そう考えると、今ではペットボトルのお茶が一般的で、急須でお茶を淹れると言うことが、特別なことなのかも知れない。
だからこそ、「急須で淹れるお茶の楽しみ」として、この様なコラム風のブログで「お茶とあうもの」と言う提案をされているのだろう。

その中で、シャンパンと抹茶という組み合わせは、意外な組み合わせというよりも、「そんな組み合わせあるのか?」というある種の驚きがあった。
京都と言えば、銘酒が多い所でもある。
京都市内の造り酒屋さんはほとんど無い様だが、それでも銘酒が多い所として、全国でも有名だ。
その京都にあって、日本酒ではなくあえてシャンパンと抹茶をあわせると言うのは、随分大胆な発想という気がする。
日本酒の美味しさと抹茶の美味しさがあわないのかも知れないが、この発想の大胆さは老舗ならではなのかもしれない。
「抹茶」そのものを知り尽くしているからこそ、この様な大胆な発想が生まれるのだろう。

「老舗」と言うと、その「歴史」の様なところばかりに目が行きがちだが、様々な時代変化の中で生き抜く力を持っている企業だとも言える。
過去にとらわれること無く、常に新しいモノが提案できる力。
時代の変化に対して機敏に動くことのできる柔軟性。
その様なモノが備わっているからこそ「老舗」となり得るのだと思う。

それにしても・・・「抹茶シャンパン」。
ドクターストップ状態の私は飲むコトができないが、とても興味がそそられる「祝いのお酒」だ。