日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業にとって、株主という存在

2013-06-27 12:48:38 | アラカルト

先週から始まった「株主総会Week」も明日で、最後となる。
今回もいろいろなニュースがあった。
昨日エントリをした日産のゴーン氏の給与、ソニーの海外株主からは「エレクトロニクス事業と音楽事業などの切り離し」という提案とその回答、シャープは大赤字の決算でも役員報酬を出していたと言う事実・・・。
「企業の様々な姿」が垣間見れた気がした。

考えてみれば「株主総会」という場は、本来普段面と向かって話すコトができない株主と企業が、より良い企業に成長する為に話合いをする場、だとも言える。
残念ながら、日本の場合「総会屋対策」など慣習からか?企業側の描いたシナリオ通りに短時間で終了する「シャンシャン総会」が、良い総会だと思われてきた。
それだけでは無く、「株主総会」後に出される報告書なども、「え!」という早さで、株主に送られる様になっている。
「フクシマ事故」後の東京電力の株主総会の記事を書くために、株主となったライターさんが「株主総会」から2日後ほどで、報告書が届き驚いた!と言う記事を読んだことがある。
おそらく、株主総会が行われる以前に報告書が印刷をされ、発送準備が整えられていて、「株主総会」修了直後に発送されたのでは?と言う記事の内容だった。

この様なことは、何も東京電力に限ったコトではないだろう。
ここ2,3年、分散化傾向が見られる「株主総会」だが、「集中日」という、申し合わせたような「株主総会」が集中する傾向があるのも事実だ。

そう考えると、日本の企業の多くは「株主と余り話したくない」と、思っているのでは?と感じるのだ。
たしかに「総会屋対策」ということもあっただろう。
「総会屋」の後は「ハゲタカファンド」と呼ばれた、「海外からの乗っ取り屋」が話題になった。
この頃盛んに言われたことばの一つが「(株式)会社は、誰にのためにあるのか?」という「企業の存在意義」が問われたこともあった。
確かにこの頃は「小泉旋風」まっただ中で、「ディトレーダー」と呼ばれた、「にわか投資家」が話題になっていた。

その様な経験が、企業を「シャンシャン総会」へと駆り立てているのかも知れない。
でもそれでは、本当の株主と会社と良い関係にはならない、と考えるのだ。
「企業の中で視野の狭まった考えから、生活者感覚の視点を株主から得る機会」が、株主総会だと考えれば、時間とは関係の無い充実した総会になるのでは?
そんな企業が増えてくれば、イノベーティブな企業も増えてくると思うし、何よりも企業が生活者に近くなり、経済そのものが活性化するのではないだろうか?

株主と企業は、敵対関係にあるのでは無いのだから。