日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

TPPと国産農作物・・・魅力+αを伝えることが大事

2015-11-06 19:02:21 | ビジネス

TPPの関税撤廃の中でも影響が大きいとされる、「農産物」の撤廃される時期が、今朝の新聞に掲載されていた。
即時撤廃となったのは「ブドウ」、その後6年目には「お茶」や「サクランボ」、「ソーセイジやその原料」、「マーガリン」や「ビスケット」などが、予定されている。
「ブドウ」の場合、国産はほぼ終了していて、青森産の「スチューベン」くらいが市場に出回る程度だろう。
とすれば、即時撤廃される「ブドウ」についても、「実質的には来年から」と考えるべきかもしれない。

これまで「日本の農業は、(輸入関税があるお蔭で)守られてきた」と、言われてきた。
その視点で、6年目までの撤廃品目を見ると、「輸入品を買いたい!」という品目が意外にも少ないのは、その影響だろうか?
「ブドウ」がなぜ、即時撤廃の対象となった理由というのはわからないが、少なくとも「お茶」や「サクランボ」などは、国内産や国内産品種のほうが人気がありそうだ。
「ソーセージ」や「マーガリン」などに関しては、「トランス脂肪酸」や「発がん性」の問題もあり6年後、日本国内での市場そのものが、どうなっているのか、わからないような気がする。
いくら「関税が撤廃され、安い価格で市場に出回る」ようになっても、その時の生活者がどのように考え、市場を創りだすのかは、政治的な目的とは関係がなく、市場そのもので受け入れられなければ、意味がないからだ。

そんな中、サントリーが面白いキャンペーンを打ち出している。
サントリー公式(youtube):Respect the Fruits of Japan. (LEJAY ルジェ フルーツジャー)
目的は、「LEJAY」というカクテルを販売するためなのだが、そのカクテルを美味しくするために「敬意を表して日本の果物を使って飲みましょう!」というのが、このキャンペーンだ。

使われる果物も、日本全国各地の果物で、「え!この果物をカクテルにするの?」というものもある。
そのような意外性も含め、この「国産果物に対して敬意を表する」というアプローチは、これまでになかったもので、面白いキャンペーンだと思う。

と同時に、このキャンペーンはこれまでの果物の食べ方とは違うアプローチをしている、という点でも面白いと思う。
「カクテル」というと、バーやホテルのバーラウンジで飲むものと思いがちだが、今年の夏流行した「ジャードリンク」と同じように、気軽に楽しんでも良いんじゃない!?という、これまでとは違う提案もしている。

TPPによって、様々な関税が撤廃される中一番の注目となっているのは、やはり農業分野(と医療分野)だと思う。
だからこそ、国産の農作物の魅力だけではなく、新しい食べ方・飲み方の提案が必要なのでは?と、教えてくれているように思う。