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バブル再び?

2015-11-28 20:02:04 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに「不動産向け融資、バブル期並み=金融庁、地銀の監視強化」という時事通信の記事が、取り上げられていた。
時事通信:不動産向け融資、バブル期並み=金融庁、地銀の監視強化

バブル→バブル崩壊を経験してきた世代としては、「大丈夫かな?」という気がしている。
特に「相続税対策のために、地方の県庁所在地などを中心に、借金をして賃貸用マンションを建設している」という点が、気になる。
おそらく、借金をしてでも賃貸用マンションを建設する、という方はもともとそれなりの土地を持っている方なのかもしれない。
そして「相続税」で取られるよりも、借金をしてでもマンションを建てて、賃貸収入を子供や孫への資産として渡したい、という考えなのかもしれない。

しかし、そう簡単なことなのだろうか?
例えば、「傾きマンション」に始まった「杭打ちの問題」。
毎日のように報道されている内容を読むと、どうやら「業界の体質的問題」があるように思える。
そんな中、借金をしてマンションを建てたとしても、入居する人はどれだけいるのだろうか?

バブルの時、本業とは違う事業に手を出し、本業は順調であったにもかかわらず、倒産した企業はいくつもあった。
企業の場合は倒産だが、個人の場合は倒産では済まない可能性もある。
実際、バブル期に家を購入し、支払うことができず家を手放した人や、借金に借金を重ね自己破産をしたケースもあったと聞く。

確かに、「自分が子供や孫のために!と思って作ってきた財産を、無下に税金として取られるなら・・・」と思われるのかもしれない。
その発想が、もしかしたら自分の子供や孫に借金を負わせる可能性もある、ということを考えてみる必要があるのではないだろうか?
そもそも「不動産バブル」は過去に何度も起き、そのたびに「崩壊」している。
そしてそのサイクルは、「忘れたころ」に起きている。

もう一つ考える必要があると思うのは、社会的問題になりつつある「空き家」だ。
親が住んでいた家を、処分したくても処分できず、そのまま放置している家が増えている。
その視点で考えると、今の日本の住宅供給というのは、過剰という状態かもしれない。
生活者側も「新築」にこだわらず、中古マンションをリノベーションして、自分の暮らしに合うように造りかえるという人も増えてきている。
そう考えると「相続税対策」として、マンションを建てるというのは、どうなのだろう?

「バブル期の頃と同じような、不動産向け融資が増えている」という話を聞くと、「今ではなく、数年後~10数年後を想像したほうが良いのでは?」という気がするのだ。