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遺伝子検査とソーシャルネットワーク

2014-06-03 21:04:40 | ビジネス

Yahooのトピックスに、産経新聞が掲載しているDeNAが遺伝子検査サービスに参入する、という記事を取り上げていた。
産経新聞:DeNAが遺伝子検査サービスに参入 東大医科研が協力

ここ2、3年何かと話題になる「遺伝子検査」。
民間の最大手と言われているのが、中国の企業だったと思う。
そしてその中国の企業が、日本でも「遺伝子検査サービス」を展開する為に、日本法人などを設立し一部の病院などへ積極的にアプローチをしている、と言うニュースが昨年暮れにあった。
その売りは「安価で遺伝子検査を行います」というコトだったと記憶している。

確か日本で「遺伝子検査」を行う為にかかる費用というのは、20~40万と言われている。
とても高額な費用が掛かるため、気軽に「遺伝子検査を行いたい」という気にはなれない。
その一方で、「遺伝子検査」そのものに対する倫理的な論議というものが十分に行われているとは言い切れない。
東大医研が、遺伝子研究を積極的に行う、というのはそれなりに社会的意味が十分あるコトだと思うし、遺伝子研究を行うコトによって、予防医学などが発展するだろう。
そのこと自体は問題は無いと思うのだが、気になるのは何故DeNAが参入するのか?と言う点だ。

ご存じの通りDeNAは、ソーシャルゲームで伸びてきた企業。
IT企業と言うよりも、ゲーム会社という印象しかない。
とすれば、そのソーシャルゲームで蓄積した技術を「遺伝子検査」に応用すると言うイメージが、わかないのだ。
強いていうなら、「ソーシャルゲーム」によって、様々な人がアクセスすると言う「ポータル的な入り口」だろうか?
「遺伝子分析」を「ソーシャルゲーム」のノウハウによって蓄積された、ビックデータを活用する、と言うコトだろうか?
何となく、その説明には無理がある様な気がする。
何故なら、「遺伝子分析」を行うのであれば、東大医研で行うコトが十分にできるからだ。

もう一つ、忘れてはいけないコトは「遺伝子検査」を受ける体制づくりが、遅れていると言う点だ。
「遺伝子」そのものは、その人にとって様々な身体的情報の塊である。
「個人情報の塊」と言っても過言では無い。
その管理をどうするのか?と言うコトが、まだまだ整っていないのに、ソーシャルゲームで伸びてきた企業が参入する、と言うことに抵抗感があるのは私だけだろうか?

医学の分野の中でも「遺伝子研究」というのは、とても注目されている分野だと思う。
様々な遺伝子の型やタイプによって、「がん」などの病気の仕組みがわかるだけではなく、そのコトが新薬などの研究へと結びついていくからだ。
倫理的には問題があっても、「デザイナーズベイビー」を言うことを、考える人がいるかも知れない。
その様な問題山積の「遺伝子検査」に、企業が参入するコトに対して疑問と不快感を持ってしまうのだ。