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4Kテレビと計画的廃品

2014-06-02 19:51:00 | ビジネス

今日から、4Kテレビの試験放送が始まった。
日経新聞:4K試験放送が開始 サッカーW杯の中継も実施へ

テレビの無い生活になってから、テレビという受信機そのものへの興味が薄れてしまったために、知らなかったのだが、どうやら4Kテレビを購入しただけでは、この試験放送を見ることができないと言う。
地デジの時は、地デジ対応テレビかチューナーを用意すれば、地デジ放送そのものを見ることは出来た。
しかし今回の4Kテレビは、テレビを買い換えるだけではなく、チューナーなども必要と言うコトらしい。
現在のところCSのみの放送ということで、チューナーなどが必要と言うことなのか?それともCSのみが4K放送対応であって、地上波は4K放送を行わない(行えない?)のかはよく分からないのだが、いずれにしても、今現在4Kテレビを視聴する為には、専用のテレビに買い換えるだけではなく、受信できるCSチューナーやICカードなどが必要と言うコトのようだ。

そんな4Kテレビの試験放送のニュースを聞いていたら、思い出した言葉がある「計画的廃品」という言葉だ。
例えば、プリンターなどある一定枚数を印刷すると故障を起こし、買い換えをしなくてはならなくなる、と言う様な機能(?)を付加するコトによって、新しい商品へと買い換えをすすめる、と言うモノ。
メーカー(と言うか業界団体?)の思惑で「程よい耐久性のある製品」を生産するコトで、商品が市場に出回りやすく、価格なども維持できる・・・と言うのが「計画的廃品化」と呼ばれている。

「計画的廃品化」と言っても、悪いコトばかりではない。
新しい機能が付加されるコトによって、生活が便利になったりそれまで使用することが難しかった人も使える様になったりする、と言うこともある種の「計画的廃品化」だからだ。

そう考えると、今回の4Kテレビはどちらなのだろう?
確かに高画質で臨場感溢れるスポーツや、コンサートライブが観られる、と言うのは大きな魅力だ。
反面地デジ化されてから数年も経っていない。
もし本格的に4Kテレビの普及をテレビの製造メーカーだけではなく、放送局や通信事業を管轄する政府が推し勧めるようになれば、生活者の多くは好むと好まざるとに関わらず、4Kテレビへの買い換えを強いられるコトになる。
地デジ化によって、テレビを買い換えてからさほど経過していなくてもだ。

4Kテレビって、本当に生活者にとってメリットの高いテレビ放送なのだろうか?と、考える試験放送のニュースだった。