日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

わずかながらも、景気回復の兆し?

2011-01-24 21:00:22 | ビジネス
今朝、FMラジオを聞いていたら「コンビニエンスストアーの売上が回復しつつある」というレポートがあった。
そこで気になってデータを調べてみると、確かに売上が微増ながら伸びている。
日本フライチャイズ協会「CVS2010年1月~12月売上」(注意:pdfファイル)
このデータを見ると1店舗あたりの売上だけではなく、客単価もわずかながら伸びている。

9月に売上が急増し、10月に落ち込んでいるのは「タバコの値上げ前の駆け込み需要」があったためだ。
11月になるとある程度売上と客単価が回復していることを考えると、「タバコの値上げの影響は???」という気がしてくる。

気になって、タバコの売上推移を(社)日本たばこ協会の平成22年度の紙巻たばこの売上(注意:pdfファイル)を調べてみると、10月の売上は9月の売上の約1/6以下にまで落ち込んでいるが、12月には前年とほぼ同じくらいにまで回復している。
10月の大幅な値上げで、禁煙をしたはずの愛煙家さんたちは、12月には挫折した・・・と言うコトだろうか?
それとも、9月に買いだめたタバコは、11月には既にほとんど吸い終わっていた、というコトだろうか?
いずれにしても「禁煙は難しい」というコトなのだろう。

横道に外れてしまったが、コンビニの売上が若干なりとも回復傾向にあると言うのは、生活者の節約志向が、少し変わってきたというコトなのではないだろうか?
もちろん、コンビニ自体の様々な努力があってのコトだ。
例えば、昨年ヒットした「コンビニ・プチ贅沢スィーツ」などだ。
コンビニの主流客は、男性と言うコトもありスィーツには力を入れてこなかったが、この「プチ贅沢スィーツ」によって、若い女性を顧客に取り込むことに成功した。
今は「男性向けスィーツ」の開発に熱心なようだ。
そればかりではない。
オリジナルのレトルト食品の開発などで、これまで「コンビニ利用者」と考えられていなかった生活者層も、取り込むような企業努力をしている。
その様な努力の甲斐もあり(?)最近ではコンビニ利用者の中心は、若年層から高齢者へと変わりつつあると言う指摘もある。

そのような変化を考えると、タバコの影響で顧客単価が若干上昇したと言うよりも、生活者の節約志向が少し緩んできたと考えた方が自然なのかも知れない。
その背景にあるのは、もしかしたら「価格以上の価値の提供」と言うコトなのでは?
「価格以上の価値の提供」という意味を考えるコトが、景気回復のポイントなのかも知れない。