日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

好きなものだけ・・・と言う感覚に疑問

2011-01-15 15:44:31 | ライフスタイル
昨夜、NHKの「bizスポ」の特集を見ていたら「ネットテレビ」について、特集がされていた。
昨年、Appleが「AppleTV」を発表した。
テレビそのものの楽しみ方が、変わりつつあるのかも知れない・・・と感じたニュースだったのだが、「ところで、ネットテレビって何?」というトコロもあったのだ。

最近の売れ筋PCというのは、ワンセグ対応だと言われている。
「テレビ番組をテレビと言う受像機で見る」と言う時代ではなくなりつつある、と言うコトなのだろう。
もしかしたら、今年の7月の「地デジ化」でワンセグ対応PCが売れているのかも知れない。
それだけ多様化しつつある「テレビ番組視聴スタイル」だが、この「ネットテレビ」が一般化すると、現在のテレビ局そのものの在り方が問われるようになる・・・と言うのが、番組の内容だったのだ。
言い換えれば「ネットテレビ」の普及は、「テレビ番組を見る」から「テレビ番組の見たい部分だけを見る」という視聴スタイルに変わると言うのだ。
その説明でやっと「ネットテレビとは?」というコトが、何となく分った次第だ。

と同時に、「ネットテレビ」だけではなく、今の社会は「好きなものだけ」というコトばかりに、特化しすぎているような気がしたのだ。
確かに「自分の見たいものだけ・好きなものだけ」に囲まれた生活は、楽しいだけではなく楽チンでもある。
例えば「音楽を聴く」と言うコトにしても、アルバム1枚を通して聴くのではなく、気に入った楽曲だけをダウンロードして聞く、と言うスタイルが一般的になりつつあるのではないだろうか?

でもそれでは、自分の感性や感覚などは磨かれないような気がするし、他者を嫌うだけの幼稚さのようなモノも感じるのだ。
様々な音楽(だけではないのだが)を聴いていく中で、その時々の自分にあった音楽と出会う楽しさなどがあってこそ、音楽の楽しさだと思うし、それは映画やテレビ番組でも同じなのでは?
何より、「自分とは違う感性・感覚を尊重する」という、寛容性というか度量のようなモノが身に付かないように思うのだ。
「自分とは違う」というコトは、他者に対する興味・関心に繋がるコトだけではなく、多様性と言うコトを知り・認め、その多様性の中から発想力や創造力が磨かれていく・・・と、社会的経験の中から感じている。

テレビ番組程度であれば、さほど社会に影響は無いと思うが、そのような思考が強くなった社会は、決して幸福な社会ではない・・・と、考えるのだ。