日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「七夕」じゃあロマンチックじゃない?

2010-07-07 19:55:35 | ビジネス
朝日新聞のWEBサイトを見ていたら、「サマーバレンタイン」というコトバがあった。
記事の内容は、「七夕」を「サマーバレンタイン」という名前で、新たな販売機会と捉え、様々な新商品を売り出そう、というコトのようだ。
もちろん、お手本となるのは2月の「バレンタインデー」。
ただ、夏場と言うこともありチョコレートと言う訳にはいかず、ゼリーなどの夏向きのお菓子や食品のようだ。

百貨店の売上低下が始まったのは、一体いつの頃からだろう?
今日の日銀の発表では、少し物価指数が上がったようだが、それでも生活者の財布の紐は固い。
この夏のボーナスの使い先として真っ先に上がったのは「貯蓄」という、調査もある。
だからこそ、売る立場としては「些細なコトでも、売るキッカケ作り」が大切と言うコトになる。
その一つが、この「サマーバレンタイン」というコトになるのだろう。

何故、「七夕」ではないのだろう?
「笹に、お願いごとを短冊に書いて吊るす」と言うのは、子どもっぽいというコトだろうか?
もちろんそんなコトだけでは、大きなビジネスチャンスにはならないというコトも分る。
「七夕」では、ロマンチックではない?と言うコトだろうか?
私個人としては、「サマーバレンタイン」という名前よりも「七夕」の方が、遥かにロマンチックで、様々なビジネス要素を含んでいるように感じるのだ。

実際、「七夕」には「素麺を頂く」という食文化が、その昔からあった(と、記憶している)。
何よりも、「七夕」を越すと蒸し暑い季節に向かうための、様々な生活の工夫があった。
そんな「生活の工夫」を、現代にアレンジして提案する、というのも一つの方法だと思う。
それだけでは、製菓メーカーはビジネスにはならないかも知れないが、何もこのような暦の行事は製菓メーカーのためにあるわけではない。
製菓メーカーにしても、この季節にあったモノを提案すればよいだけだ。

どうも、この「サマーバレンタイン」の発想の裏には、「カップル・ギフト」を創り上げた「ヴァレンタイン」の成功にとらわれ過ぎているように感じる。
「七夕」には、「バレンタイン」とは違う、とてもロマンチックな話がある。
とすれば、何も「バレンタイン」としなくても、十分「カップル・ギフト」という市場を、創るコトができるように思うのだ。



御手軽になった「モンドセレクション」

2010-07-07 10:53:58 | CMウォッチ
食べ物の話が続くようで、申し訳ない。
ここ数年、6月頃になると「モンドセレクション、金賞受賞」というコトバを、テレビCMで聞くコトが多くなってくる。
最初は、サントリーの「プレミアムモルツ」だったと思う。
この時は、ビールの本場である欧州で受賞したコトに、とても驚いたし、日本のビールも中々やるじゃない!と、思った。
それから、サントリーの「プレミアムモルツ」は、3年連続で最高金賞を受賞し、「プレミアムビール」の人気を決定付けたように思う。

その後、スーパーなどの食品売り場で「モンドセレクション受賞」という文字を、色々な商品で見かけるようになってきたように思う。
さすがに、健康食品にまで「モンドセレクション受賞」となると、「下手な鉄砲、数打てば・・・」という気がしてくるのは、私だけでは無いと思う。

そんなコトを思っていたら、ローソンのテレビCM「ウチカフェスィーツ」を見ていたら、「プレミアム・ロールケーキ」が、「モンドセレクション金賞」を受賞したらしい。

ご存知の方も多いと思うが、ローソンをはじめ最近のコンビニは「(プチ)プレミアム商品」が、人気になっている。
その中でも「ロールケーキ」の人気は高い。
もちろん、一昨年頃から始まった「ロールケーキ人気」があってのコトだが、最近では若い女性だけではなく、男性にも人気だと言う。
そんな人気商品が、「モンドセレクション金賞」を受賞したと言うのだ。

それはそれで、企業の「美味しさの追及と品質向上の努力の賜物」だと思うし、そのための努力は称えられても良いコトだと思う。
しかし、気になるのは「モンドセレクション」という賞と、「プレミアム商品」とはいえ、コンビニ商品とのイメージのギャップだ。
日本のコンビニ企業の努力とは別に、余りにも「御手軽過ぎ」て「モンドセレクション」というし賞の「有り難味」がやや薄れてしまうように感じてしまうのだ。

思い出してみれば、私が子どもの頃、色々なお菓子に「世界○○賞、受賞」という冠がついたお菓子が沢山あった。
子どもながらに「へ~、そんな凄いお菓子なんだ・・・」とは思ったが、見慣れてくると「それが何か?」という「有り難味度」が減ってしまったような気がする。
そしてこの「モンドセレクション」も、同じ様な印象へと変わりつつあるのでは?と言う、気がしている。