日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

百貨店もPB化?

2010-03-30 10:02:32 | ビジネス
先日産経新聞のWEBサイトに、地方百貨店に連携の動き拡大 婦人向けPB、共同発注で低価格もと言う記事が、掲載されていた。
既に大手スーパーでは当たり前になっているPB商品だが、その波は地方の百貨店にも波及し始めているようだ。

百貨店の売上が、減少し続けている。
その要因の一つが、百貨店で大きな売上を占めていた婦人服の売上不振だ。
もちろん、婦人服に限らず紳士服などの売上減少が、百貨店不振を招いている。
そこで、大手スーパーの売上の柱となっているPB商品に目をつけたという感じだ。
昨年は、西友がPB商品として「850円ジーンズ」が話題になった。
他にも、ユニクロのヒートテックに影響されたような商品が、店頭にユニクロ価格よりも安価でPB商品として売られ、人気があるようだ。
ただし、若干価格が高くてもユニクロの方が、人気が高いという事実も見逃せない。

だからと言って、百貨店が同じような手法を展開したからと言って、売上が上がるとは思えない。
百貨店の売上不振は、単なる価格だけの問題ではないように思うからだ。
もし、本気でPB商品を扱うというのであれば、もっと違う視点のPB商品でなくては、意味がないのでは?
何より、大手スーパーが展開しているコトと同じコトを百貨店で展開すれば、「一体何のための百貨店?」というコトになり、百貨店そのものの意味が問われるのではないだろうか。

百貨店が、海外有名ファッションブランドを店舗に招き入れて久しい。
結果、「百貨店は、場所貸屋になった」とも言う方もいらっしゃる程だ。
バブル以降、百貨店は自分たちの魅力づくりを半ば放棄し、他力本願的な海外有名ファッションブランドで、展開してきた結果が今のような状況を招いているのではないだろうか?
とすれば、大手スーパーが展開しているような安直なPB商品というのではなく、百貨店らしいPB商品でなくては、お客様は戻ってこないと思うのだ。

「百貨店らしいPB商品」というのは、国内外の若手ファッションデザイナーの支援を兼ねたPB商品の開発や、ファッションだけに限らず、国内外に埋もれているデザイン性に優れた日用品の発掘・PB商品化ではないだろうか?
特に、日本各地にはデザイン性・機能性に優れた日用品・食器がたくさんある。
そのような商品を、複数の地方百貨店が独自に発掘し、協力し商品化・販売というのが、百貨店らしいPB商品だと思うのだが・・・。