日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

想定外なのは、人付き合い?

2010-03-25 10:59:59 | アラカルト
最近、チョッと気になっているコトバがある。
それは「ソーシャルブレイン=社会脳」と言うコトバだ。
余り聞きなれないコトバだが、どうやらビジネスマンに限らず、人として必要な力のようだ。

例えば、家にいる時と会社や学校に行く時とでは服装が違うはずだ。
それは「他人の目線」が気になるからだろう。
先ごろ行われたバンクーバーオリンピックに出場した選手の服装が話題になったが、やはりそれは「その場にふさわしくない」と感じられる服装(正しくは、着こなし)だったからだ。
その意味で、彼は「他人の目線(=自分たちグループ外の目線)」を考えていなかった行動だと言える。

しかし、多くの人たちはそのようなコトを学校で勉強して、身に付けたわけではないと思う。
少なくとも、私と同世代以上(昭和30年代以前に生まれた人たち)は、家庭の中で言われたコトはあっても、その事に疑問を感じることもなく「不快な思いを周囲に与えたくない」と言った動機で、自然に身に付けていったのではないだろうか?

他にも、空いている電車に乗ったとき、何となく端に座ってしまったり、ある程度の間隔を空けて座ると言うのも、社会脳に影響された行動らしい。
特に、ある程度の距離を空けて座るのは「あなたに関心がない」と言うコトを、無意識のうちに現した行動で、逆に(電車内が空いているのに)見知らぬ人が自分の隣に座られた時に感じる「不快感」なども同じだという。

ところで、一時期盛んに聞いたコトバで「想定内」と言うコトバがあった。
ホリエモンことライブドアの堀江貴文さんが、記者会見の度に口にしたコトバだった。
彼は、自分の周囲で起こった様々な出来事を「想定内ですから」と言っていたのだが、それは本当に「想定内」だったのだろうか?と、疑問に感じたことはないだろうか?
実は、「想定内ですから」と言う彼の姿を見るたびに、虚勢を張っているように見えて仕方なかった。
と同時に、「彼は人と付き合うことが、苦手なのかも知れない・・・」とも感じていた。
と言うのも、社会脳と言う考えからすると、人付き合いほど想定外なことはないらしいからだ。

確かに、私が頭で考えているコトと他の人が考えていることは、同じモノ・コトを見ていても違う事が間々としてある。
と言うよりも、違っていて当然だ。
何故なら、他の人は私ではないから。
「違っている」と言うコトは理解していても、「何を考えているのか?」はまったく想像できない。
その意味で「人付き合いは想定外の連続」と言うコトになるらしい。

「言わなくても分る関係」と言うのは、同じ時間を過ごし、互いの事を十分理解した上で成り立つ関係で、そのような関係と言うのはさほど多くはない。
ただし、そこまでの関係を持つ事なく、ある程度理解できるようになるコトはある。
それが「経験」だ。
「可愛い子には旅をさせろ」と言う諺があるが、それは「様々な経験の中から社会脳やコミュニケーション能力を鍛えろ」と言うコトなのかも知れない。

社会に出ることも、大きな旅だ。
自分の内から、外に出るのはとても怖く勇気の要ることだ。
だが、その経験が人生を豊かにする。
受け入れる側も「人付き合いは想定外の連続」と思って、接することが大切なのかも知れない。