日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

化粧品事業に参入する企業

2010-03-26 20:24:45 | ビジネス
朝日新聞のWEBサイトに、「サントリー、通販化粧品事業に参入」と言う内容の記事が掲載されている。

数年年ほど前、フジフィルムが化粧品事業に参入した。
この時も当初は、通販のみでの販売だったのだが、今ではドラッグストアーなどでの取り扱いとなってきている。
そして、フジフィルムほどではないにしても、サントリーが化粧品事業へ参入すると言うのは、どうしてなのだろう?と、考えてしまった。

食品メーカーや医薬品メーカーが、化粧品事業に参入するケースはここ20年ほどで当たり前のようになってきた。
洗剤メーカーと言う印象の強かった花王が、化粧品事業に参入した時には相当な話題になったりしたが、最近では資生堂のライバル企業は同業の企業ではなく、まったく異業種の母体企業がライバル企業となってきている。

その背景にあるのは、「化粧品業界は、不況に比較的強い」と言われている点だろう。
メイクはしなくても、化粧水や乳液と言った「スキンケア」をしない女性は、アレルギーなどのトラブルを持っている女性以外では、まずいないと考えても良いだろう。
まして、女性雑誌などでは毎号の様に「美白」「ベビースキンのような肌」とか「陶器肌」と言ったコトバが並んでいる。
多くの女性にとって、「スキンケア」は日々欠かせない関心ごとでもあるのだ。

それだけではない。
「コラーゲン」、「アスタチキンサン」とか「ヒアルロン酸」、「プラセンタ」と言ったコトバが並び、「肌に良い成分が含まれていますよ~」とアピールし、今やスキンケア商品は、その配合成分と効果が売りのポイントとなっている。
このような「肌に良い成分」の多くが、ごく当たり前の食品に含まれている事が多いため、食品企業が化粧品事業に参入してくるのだ。
サントリーではないが、多くの日本酒メーカーが参入しているのは「醸造技術」が化粧品開発に繋がっている。
医薬品メーカーなどは「スキンケアを医薬の視点で開発している」と言う、強みをアピールしている。

サントリーの場合、既にサプリメントなどの開発や、洋酒造りでの醸造技術が今回の化粧品へと結びついているのだろう。
そして、異業種参入の先輩であるフジフィルムが通販だけではなく、ドラッグストアーなどへの販路を広げる結果になった状況とは違い、既にサプリメント販売などで通販顧客を獲得していると言う点で、通販での販売となったのだろう。

ただ、Yahooなどのポータルサイトには決まって、通販化粧品の広告が登場する。
そこから、サンプル請求をさせ、ユーザーになってもらうと言うのが、一般的だ。
と言うのも、今のスキンケア商品は、「使用実感」がなくては、顧客となってもらえないからだ。
その意味で、どのような展開をするのかチョッと気になっている。