日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

流行モノはロングセラーになるか?

2010-03-07 21:39:34 | アラカルト
以前、拙ブログで紹介した毎日新聞の「ずーっと愛して:ロングセラー物語」に、今回「ロゼット洗顔パスタ」が紹介されていた。

子供の頃「白子さん、黒子さん」が登場する、印象的なテレビCMとして記憶に残っている。
最近テレビCMで見かけることはなくなったが、ドラッグストアーなどに行くと、今でも昔懐かしいパッケージで売られている。
決して、メインの商品棚にあるわけではないのだが、時代が変わってもコンスタントに売れていると言う印象がある。

残念ながら私は使った事がないのだが、80年近くコンスタントに売れつづけると言うのは、トレンドといったモノとは無関係のような気がしていた。
ところが、この記事を読むと戦前・戦後を通して、長い間女性の間で持て囃され、高い支持を受けていたようだ。

もう一つ注目したいのは、この商品が、最近話題の「スパコスメ」のはしりであると言う点だ。
「スパコスメ」というのは、「温泉の効果を利用した、化粧品」のコトで、最近若い女性の間で人気になりつつある。
全国各地にある「美人の湯」と呼ばれる温泉成分を使った基礎化粧品が、地元の企業によって作られ、一つの地域振興策となっている場合もあるようだ。
それを、80年前に事業として起こしている先進性に興味が湧く。

これほど長く愛されている理由は、今でも日本女性の美肌条件の重要ポイントである「美白」をキーワードにしている点でも、「古いけど今的」という感じがする。
むしろ、日本女性は時代の変化とは関係なく「白い肌」を美の基準の一つで、それがこの商品をロングセラーにした、大きな理由なのだとわかる。

これまでこの企画記事で紹介された商品の多くは、「家族がいる風景」を思い浮かべる商品が多かったのだが、コノ商品に限っては「おばあちゃんも、お母さんも使っていたから」という理由として「家族の風景」があるが、「家族一緒の風景」はない。
「世代を超える」力というのは、愚直なまでな真摯なモノづくりなのかも知れない。
そんなコトを教えてくれる、商品だ。