はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

贈与の霊

2007年12月24日 | はなし
 スーパーやコンビニへ行くと、プラスチックのお供え餅を売っているが、あれはどうなのか。神様はプラスチックでもイメージで腹がふくれるのでしょうか。なにもしないよりしたほうがいいのか…? うーん…

 中沢新一氏の「贈与」に関しての著作を読んでいます。
 クリスマスも正月も、基本は「冬至の祭り」。人間と精霊の世界が最も接近する日です。日本のお盆は冬至ではないけれど、意味合いは同じでしょう。
 中沢氏によれば、「贈与」と貨幣による「交換」の違いは、「贈与」(プレゼント交換のことです)によってそこに「贈与の霊が動く」ところだという。まあつまり、「愛」が動くのです。
 ですからクリスマスは、人間と精霊が最も接近する日に、精霊に対してプレゼントをすることで、「贈与の霊」の活動を活発にして、世の中を元気にするという目的があります。お盆のお供え物と同じように、クリスマスも精霊にプレゼントをしていたのです。それがだんだん人間同士での交換になっていった。そうすることで、もともとは精霊世界とのおどろおどろした接近の日だったクリスマスが、明るいとっつきやすいものになりました。けど、その分、精霊と人間は遠くなって「贈与の霊」の動きは弱くなります。
 子供というのは人間の中でも精霊の世界に近い存在ですから、まあそれで、精霊のかわりに子供にプレゼントをするのです。初期のクリスマス祭りは子供たちが精霊代理として大人から贈り物を「強奪」していくというものだったという。そういえばうちの田舎にもそのようなお祭り(えびす様と呼んでいた)がありました。
 そう考えると、男と女の恋人のプレゼントというのは大人の人間同士で「閉じられた世界」での贈与ですから本来の目的としてはあまり意味がない。本来は、「精霊たち」に活発になってもらって、世の中を、より楽しくダイナミックなものにしてもらうという、社会の「エンジンシステム」としてのお祭りですから。
 ですから、クリスマスケーキを買って(できれば自分でつくって)、野山に持って行き、カラスなどに食べてもらう、というのが日本人流の正しいクリスマスなのではないか。…などと考えつつ、僕はなにもしません。  メリークリスマス! 晩飯は野菜炒めじゃ。

 東の空から「満月」が昇ってきましたよ。そのななめ上には「火星」が見えます。お月見お月見。メリークリスマス!
コメント
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