はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

B29爆撃機

2007年07月31日 | はなし
 イラストレーター小松崎茂は3月10日谷中のアパートから深夜の大空襲を見ている。当時30歳。
 B29爆撃機は低空を飛んだ。それはどうやらM69焼夷弾を効果的に使うためのようだ。M69焼夷弾はアメリカ軍が日本の家屋を焼くために開発された。日本の家屋は燃えやすいので、爆発の威力でふっとばすよりも、焼いちまえということだ。投下すると48発の子弾に分離し(クラスター構造という)一斉にふりそそぐ。子弾の大きさは直径8センチ長さ50センチ重さ2.4キロ。直接これに当たって貫通したり直撃して即死ということが多かったそうだ。衝突し、発火する。
 小松崎がアパートから見たのは、異様に赤い夜の空の風景だが、翌日の風景は「地獄でしたね」と言っている。

 小松崎茂氏は戦後、超売れっ子イラストレーターとなった。太っていて憎たらしいような顔だが、後に妻となる美人の彼女がいた。あまりに美人なので妙なうわさが飛んだりストーカーが現われたり… それで千葉の柏に引っ越して結婚した。86歳まで生きた。最後に描いた画は「富士山上空のB29の編隊」である。

 B29による空爆は、全国の都市に行われている。調べてみると「えっこんなところも攻撃するの?」というようなところもある。青森大空襲、福山大空襲なんてのもあったんだね。この無差別爆撃は、基地の破壊とともに、人民の気力をそぐというのが目的のようだ。つまり「早く降伏しろよ~」ってことだ。京都・広島・新潟などは空襲が少ないが、それは原爆投下候補地だったからなんだと。
 小松崎茂の絵(少年サンデーの表紙として使われたもの)を見て描いてみたが、こうして見るとB29爆撃機は、今のステルス戦闘機などにくらべるとずいぶん親しみのある姿をしている。大量殺人を目的としてつくられた兵器であることに変わりはないが。
コメント
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