朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載の「世界史レッスン<映画篇>」第49回の今日は、「プラトニック・ラブの終わり」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2010/10/post-3b6d.html#more
奇才と呼ばれたケン・ラッセル作品について書きました。「オネーギン」の手紙のアリアがとても印象的でした。
さて、今週はいよいよ最新刊「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社)が書店に並びます♪(下記画像をクリックするとアマゾンへゆきます)
この前も書きましたが、表紙は「怖い絵」の奥定泰之さん。とてもアイ・キャッチなステキな装丁ですよね~♪
帯の「運命の支配か、宿命への挑戦か」は、担当編集者のk.kさん。カッコいいコピーで嬉しいです☆
と、かように外側は完璧。内側はどうでしょうか……。多くの読者の方に楽しんでいただけたらいいなあ。
メアリー・スチュアート、マルガリータ・テレサ、イワン雷帝の七人の妃、ジョージ一世妃ゾフィア・ドロテア、アン・ブーリンの、5つの物語です。
特にアン・ブーリンは多くの作家に何度も取り上げられているので、それだけ人気が高いということでしょうね。でもだからといって、「わたしは全部知っいる」と切って捨てないでほしいというのが作者の気持ちです。
たとえばこれまでに何十冊、いえ、何百冊の信長の本が出たでしょう。そしてそれらの本はどれも必ずよく知られたエピソードが取り上げられています。初めての読者のために必要だからです。また、よく知っている人にとっても、やはりそこは絶対に読みたいところだからです。
そもそも、そのよく知られたエピソードは単に「書かれている」のではありません。それぞれの作者の個性で「描写されている」のです。つまり読み物というのは、「何が書かれているか」が面白いのではなく、「どう語られているか」が魅力の源泉なのです。でなければ、信長本はたった一冊あればいいではありませんか。
「怖い絵」を糾弾する人たちは、「自分は美術に造詣が深いから、ここに書かれていることは全部知っている」「だからダメだ」と言いますが、美術史的新説を出すには、ほとんど生涯をその研究に費やし、それでもようやく1つか2つ、発見できればいいほうです。その1つについて分厚い研究書が出版されるのです(とても尊いことです)。それは、でも美術エッセイというジャンルとは全く別ものです。水彩画を見て、油絵の具の盛り上がりがない、と指弾してもはじまらないのではないでしょうか。わたしがどう語っているか、わたしがこの絵をどう読んだか、そこを見てほしいなあ、とつくづく思います。
同じように、「残酷な王と悲しみの王妃」は歴史読み物であり、新説発表の研究書ではありません。しばし読者に今の時間を忘れさせ、遠い異国の王妃へと思いを馳せさせることができれば、著者としてはとてもとても嬉しいことなのです。
(今回は書き手として、ついリキが入ってしまいました。。。反省)
レンザブローで本書についてインタビューが載りました。お読みくださいね!⇒ http://renzaburo.jp/
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 6刷になりました♪
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」3刷中。
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)13刷中。
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。6刷中♪
☆「危険な世界史」(角川書店) 4刷中。
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆わたしのオペラ本 「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
奇才と呼ばれたケン・ラッセル作品について書きました。「オネーギン」の手紙のアリアがとても印象的でした。
さて、今週はいよいよ最新刊「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社)が書店に並びます♪(下記画像をクリックするとアマゾンへゆきます)
この前も書きましたが、表紙は「怖い絵」の奥定泰之さん。とてもアイ・キャッチなステキな装丁ですよね~♪
帯の「運命の支配か、宿命への挑戦か」は、担当編集者のk.kさん。カッコいいコピーで嬉しいです☆
と、かように外側は完璧。内側はどうでしょうか……。多くの読者の方に楽しんでいただけたらいいなあ。
メアリー・スチュアート、マルガリータ・テレサ、イワン雷帝の七人の妃、ジョージ一世妃ゾフィア・ドロテア、アン・ブーリンの、5つの物語です。
特にアン・ブーリンは多くの作家に何度も取り上げられているので、それだけ人気が高いということでしょうね。でもだからといって、「わたしは全部知っいる」と切って捨てないでほしいというのが作者の気持ちです。
たとえばこれまでに何十冊、いえ、何百冊の信長の本が出たでしょう。そしてそれらの本はどれも必ずよく知られたエピソードが取り上げられています。初めての読者のために必要だからです。また、よく知っている人にとっても、やはりそこは絶対に読みたいところだからです。
そもそも、そのよく知られたエピソードは単に「書かれている」のではありません。それぞれの作者の個性で「描写されている」のです。つまり読み物というのは、「何が書かれているか」が面白いのではなく、「どう語られているか」が魅力の源泉なのです。でなければ、信長本はたった一冊あればいいではありませんか。
「怖い絵」を糾弾する人たちは、「自分は美術に造詣が深いから、ここに書かれていることは全部知っている」「だからダメだ」と言いますが、美術史的新説を出すには、ほとんど生涯をその研究に費やし、それでもようやく1つか2つ、発見できればいいほうです。その1つについて分厚い研究書が出版されるのです(とても尊いことです)。それは、でも美術エッセイというジャンルとは全く別ものです。水彩画を見て、油絵の具の盛り上がりがない、と指弾してもはじまらないのではないでしょうか。わたしがどう語っているか、わたしがこの絵をどう読んだか、そこを見てほしいなあ、とつくづく思います。
同じように、「残酷な王と悲しみの王妃」は歴史読み物であり、新説発表の研究書ではありません。しばし読者に今の時間を忘れさせ、遠い異国の王妃へと思いを馳せさせることができれば、著者としてはとてもとても嬉しいことなのです。
(今回は書き手として、ついリキが入ってしまいました。。。反省)
レンザブローで本書についてインタビューが載りました。お読みくださいね!⇒ http://renzaburo.jp/
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 6刷になりました♪
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」3刷中。
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)13刷中。
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。6刷中♪
☆「危険な世界史」(角川書店) 4刷中。
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆わたしのオペラ本 「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。