中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

ブルガリア 旧ソ連兵の像

2013年08月27日 | 音楽&美術
 「ここは遠きブルガリア
  ドナウの彼方。。。」

 そんな歌があるくらい、日本からは心情的にも遠いブルガリア。マスコミにもほとんど取り上げられませんね。

 ところが最近、画像付きの大きなニュースが! ご覧になった方も多いと思います。

 この国はかつて共産圏に属し、1991年に共和制に変わり、旧ソ連に関する銅像などは撤去されたと言われていましたが、首都ソフィアにこんな大きなものが残っていたのですね。

 ソ連兵の群像です。写真で見る限りなかなか出来もよさそうなので、撤去論争に打ち勝ってきたのかもしれません。

 それが8月20日、一夜にしてピンク色に塗られてしまったというのです。45年前のこの日、ソ連は戦車でチェコの「プラハの春」を押しつぶしましたが、そこにブルガリア軍も加わっていたのです。そこでこのピンク化の横には「ブルガリアは謝罪する」と書かれていました。

 わたくし的には、このピンクはさほど感心しませんで、それより2011年の同じ趣旨でのペイントが冴えていると思いました。旗は星条旗となり、主役はスーパーマン、サンタさんやピエロなんかもいて、いやあ、面白い。大変な異化効果です。コピー像を隣に飾っておけば観光の目玉になったかも。

 画像はこちらです♪

http://www.afpbb.com/article/politics/2963256/11228068


☆☆講演会予定。

9月7日(土)13:00-16:00(途中休憩あり)
NHK文化センター名古屋
「怖い絵~名画で西洋史を知る」
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    ~知られざるフランス革命ーヴァレンヌ逃亡」(朝日新聞出版社)
 新聞評⇒http://chroniclelibrary.blogspot.jp/2012/04/asahi-shohyo_5455.html
     
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「この穀潰しめが!」

2013年08月20日 | 雑記
 しばらく前の雑誌原稿で「穀潰し」という言葉を使いました。すると担当編集者さんがこういう思い出話しを。

 現在の出版社ではなく、以前勤めていた放送局で、後輩の若い男性が上司から、
 「この穀潰しめが!」
 と怒鳴られたのだそうです。

 びっくり。いまだこういう言葉で怒る人がいるんだなあ、と。
 するとその後が笑えるんですが、案の定、怒られたほうはこの言葉の意味がわからないでいた由。何にもなりませんね~ まあ上司の顔を見れば怒っているのはわかるでしょうけど。

 もはや古語かも。わたしのPCでも「ごくつぶし」と打って漢字変換ができないくらいですから。。。


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ルーヴルーSANAA-東芝

2013年08月13日 | 音楽&美術
 このところ日本がルーヴル美術館と大きく関わっています。

 まず分館ルーヴル・ランスの建物を設計したのが、ご存知のようにサナアSANAA(=Sejima and Nishizawa and Associates)。妹島和世さんと西沢立衛さんという建築家ユニットでした。

 そして今度は本館の照明に東芝のLEDが採用されたそうです♪
 詳しくは「弐代目 青い日記帳」氏が書かれていますので、ぜひお読みください。

http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3326

 わたしは去年、東芝の社内研修で西洋美術の見方について講演をしたものですから、ごく個人的ですけどちょっぴり嬉しいです。

 さて「文藝春秋」9月号のカラーページ連載では、ターナーをとりあげました。お読みくださいね!

 作品は「吹雪、アルプスを越えるハンニバルとその軍勢」です。タイトルを書いていて、またまた腹が立ってきました。いったい誰がこんな長いタイトルを覚えられるんだ!!昔はこの作品は「ハンニバルのアルプス越え」という、簡潔明瞭なものでした。最近やたら長く直される例が増えています。たぶん美術研究者や学芸員さんが決めると思うのですが、長いばかりでセンスないったらありはしない(弩!)

 だいたい誰のためのタイトルなのでしょうか?
 「笑うコサック」だって「トルコのスルタンに手紙を書くザポロージャのコサック」ですよ!よほどのロシア通でない限り、ザポロージャなんて言葉を知りはしません。美術界の権威主義もたいがいにしてほしい。。。と、まあ、あまりに暑いので怒りの指数も高くなって、失礼しました。


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生霊と死霊

2013年08月06日 | 音楽&美術
 「黄昏」の語源は「誰そ彼」、つまり「あの人は誰?」
 誰かわからない人が歩いている時間帯というわけです。

 フランス語では「犬と狼の間」、つまり前から来るのが犬か狼か区別がつかない。日本語と似ています。

 高橋克彦さんのエッセーに「黄昏どきの街は急に人が増える。この世ならぬ者も混じっているからだ」というようなことが書いてありました。怖いけど、ちょっとロマンティック♪

 それと書き手の名前を忘れてしまいましたが、その人は幼いころから霊感が強く、道端で歌っていると霊が集まってきたのだとか。誰にでも見えると思っていたので、自分にしか見えていないことに驚いたとも。

 そしてこれはわたしが直接聞いたのですが、その人も自称霊能者。人間の声による歌には吸引力があって、黄昏時以降に歌うと確かに霊が集まってくるのだと。歌手の中には、ステージへ向かって生霊や死霊が飛んでくるのがはっきり見える人もいるそうです。

 ほんまかいな、といつの間にか忘れていましたが。。。

 ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で、バックステージツアーに参加したことがあります。歌劇場の裏をすっかり見せてくれる面白いツアーで、参加者は十人くらいでしたか、衣装やら練習風景やら小道具大道具の置き場などいろいろ見て、最後は大舞台へ実際に上がらせてもらえました。

 そこはとてつもなく広く、前には何千人もが座る椅子が上から下までびっしり並んでいます。ここに実際に観客がひしめき、彼らの視線を浴びて歌をうたうというのは、途轍もない自信とエネルギーがなければできるものじゃないなと思いました。

 その瞬間、忘れていた霊の話を思い出したのです。
 なるほど歌に惹かれてやってきてもおかしくないなあ。。。と。

 それにしても生霊と死霊の見分け方は?


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