朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第74回目の今日は、「ゲーテの派手な失恋」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/07/post_dcc2.html
小国とはいえ一国の君主を仲にたててプロポーズしながら不首尾だった、ゲーテの派手な失恋について書きました。
しかしさすが作家の業とでも言うべきか、意気消沈して帰郷する馬車の中で、彼は長詩「マリーエンバートの悲歌」を完成させている。
「不快と悔恨と自責と哀愁が
重苦しい大気の中にたれこめる」
これがゲーテの実質的な最後の恋愛だった。とはいえこの詩を書きつつ彼は、以前の恋人に宛てて熱烈なラブレターも出しているのだ!懲りていない?
クレッチマーの説によれば、ゲーテは典型的な循環気質で、2年の高揚期と7年の沈滞期をくりかえしたのだという。高揚期には恋愛し、新しい作品のアイディアが浮かび、行動的だったが、沈滞期は鬱に近い状態だったらしい。
「彼の恋愛は常にある一定の時期に限られていたし、選ばれた女性が必ずしも特別に秀でた人間であることを必要としなかった」
「いったん恋情が燃えあがると、多くのばあい彼は、短期間に同時に数人の女性に対して傾倒した」
「女性が彼の詩作高揚を呼び起こすのではなく、逆に、かねて燃えあがっていた興奮が、たまたま彼の視野に入った女性に対する恋愛の原因となったのは明らかだ」
この説はあんがい当たっていそうな気がする。だいたいゲーテは生涯で十指にあまる大恋愛をしたことで知られるが、命を燃やす恋が、そんなに幾度もできるものなのか?たいていの女性が、なんとなく彼に不信感を持つのはそこだろう。
ゲーテの人間性やその生き方を丸ごと肯定し、憧れ、崇拝してやまないのは、だから多く男たちなのだ。
☆新著「怖い絵」(朝日出版社)
☆☆アマゾンの読者評で、この本のグリューネヴァルトの章を読んで「泣いてしまいました」というのがありました。著者としては嬉しいことです♪
①ドガ「エトワール、または舞台の踊り子」
②ティントレット「受胎告知」
③ムンク「思春期」
④クノップフ「見捨てられた街」
⑤ブロンツィーノ「愛の寓意」
⑥ブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」
⑦ルドン「キュクロプス」
⑧ボッティチェリ「ナスタジオ・デリ・オネスティの物語」
⑨ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」
⑩アルテミジア・ジェンティレスキ「ホロフェルネスの首を斬るユーディト」
⑪ホルバイン「ヘンリー8世像」
⑫ベーコン「ベラスケス<教皇インノケンティウス10世像>による習作」
⑬ホガース「グラハム家の子どもたち」
⑭ダヴィッド「マリー・アントワネット最後の肖像」
⑮グリューネヴァルト「イーゼンハイムの祭壇画」
⑯ジョルジョーネ「老婆の肖像」
⑰レーピン「イワン雷帝とその息子」
⑱コレッジョ「ガニュメデスの誘拐」
⑲ジェリコー「メデュース号の筏」
⑳ラ・トゥール「いかさま師」
小国とはいえ一国の君主を仲にたててプロポーズしながら不首尾だった、ゲーテの派手な失恋について書きました。
しかしさすが作家の業とでも言うべきか、意気消沈して帰郷する馬車の中で、彼は長詩「マリーエンバートの悲歌」を完成させている。
「不快と悔恨と自責と哀愁が
重苦しい大気の中にたれこめる」
これがゲーテの実質的な最後の恋愛だった。とはいえこの詩を書きつつ彼は、以前の恋人に宛てて熱烈なラブレターも出しているのだ!懲りていない?
クレッチマーの説によれば、ゲーテは典型的な循環気質で、2年の高揚期と7年の沈滞期をくりかえしたのだという。高揚期には恋愛し、新しい作品のアイディアが浮かび、行動的だったが、沈滞期は鬱に近い状態だったらしい。
「彼の恋愛は常にある一定の時期に限られていたし、選ばれた女性が必ずしも特別に秀でた人間であることを必要としなかった」
「いったん恋情が燃えあがると、多くのばあい彼は、短期間に同時に数人の女性に対して傾倒した」
「女性が彼の詩作高揚を呼び起こすのではなく、逆に、かねて燃えあがっていた興奮が、たまたま彼の視野に入った女性に対する恋愛の原因となったのは明らかだ」
この説はあんがい当たっていそうな気がする。だいたいゲーテは生涯で十指にあまる大恋愛をしたことで知られるが、命を燃やす恋が、そんなに幾度もできるものなのか?たいていの女性が、なんとなく彼に不信感を持つのはそこだろう。
ゲーテの人間性やその生き方を丸ごと肯定し、憧れ、崇拝してやまないのは、だから多く男たちなのだ。
☆新著「怖い絵」(朝日出版社)
☆☆アマゾンの読者評で、この本のグリューネヴァルトの章を読んで「泣いてしまいました」というのがありました。著者としては嬉しいことです♪
①ドガ「エトワール、または舞台の踊り子」
②ティントレット「受胎告知」
③ムンク「思春期」
④クノップフ「見捨てられた街」
⑤ブロンツィーノ「愛の寓意」
⑥ブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」
⑦ルドン「キュクロプス」
⑧ボッティチェリ「ナスタジオ・デリ・オネスティの物語」
⑨ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」
⑩アルテミジア・ジェンティレスキ「ホロフェルネスの首を斬るユーディト」
⑪ホルバイン「ヘンリー8世像」
⑫ベーコン「ベラスケス<教皇インノケンティウス10世像>による習作」
⑬ホガース「グラハム家の子どもたち」
⑭ダヴィッド「マリー・アントワネット最後の肖像」
⑮グリューネヴァルト「イーゼンハイムの祭壇画」
⑯ジョルジョーネ「老婆の肖像」
⑰レーピン「イワン雷帝とその息子」
⑱コレッジョ「ガニュメデスの誘拐」
⑲ジェリコー「メデュース号の筏」
⑳ラ・トゥール「いかさま師」