中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

国立新美術館「THEハプスブルク展」講演会のお礼とお詫び

2009年10月27日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsプラザ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第25回の今日は、「パロディ満載のフランケンシュタイン映画」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/10/1818-5426.html#more
 ちっとも怖くないフランケンシュタイン映画について書きました。

 メル・ブルックスの映画はいつも泥臭くて閉口しますが、でもやっぱり笑えます。ミュージカル「プロデューサーズ」も、昔、彼が別タイトルで作った映画をブロードウェイでヒットさせ、再度映画化したもの。
 『ヤング・フランケンシュタイン』もそれを狙っているものと思われます。期待、大。

 話変わって、24日(土)の国立新美術館での講演会のご報告です。(「THEハプスブルク」公式HPにアップされましたので、こちらもお読みください)⇒ http://www.habsburgs.jp/2009/10/post-f80a.html

 定員260人のホールでやることになり、美術館側はこれまでの講演会どおりの手順で進めていたようです。つまり問い合わせ電話に対し、「30分前にくれば大丈夫です」「整理券は発行しません」とお答えしていたというのです。

 ところが開館してすぐ列ができたため、急遽、整理券を配ることになり、結果として、電話での指示どおりにいらしてくださった方々は入れなくなってしまったのです!

 ホールにはさらに椅子を40脚入れて300人入場にしたのですが(消防法の関係で、立ち見はNGなのだそう)、それでも講演1時間前にはもう満員になってしまったとのこと。多くの方にお断りしなければならなくなり、ほんとうに申し訳ありません。

 特に電話でわざわざ問い合わせてくださった方に、すまないなあ、と思っています(怒るのも当然ですよね)。

 これまでこの美術館では、講演で整理券を配ったことがなかったための混乱ということでした。それだけおおぜいの方に足を運んでいただいたというわけで、わたしとしてはとてもありがたく、嬉しいことでした。ありがとうございます♪ でも全員に聴いていただけず、残念だし、申し訳なかったです。重ねてお詫びいたします。

 もし整理券を取れず、このブログを読んでくださっている方がいらっしゃいましたら、今度、早稲田祭で講演をしますので、是非そちらへいらしてください。どうぞよろしくお願いします。⇒ http://www.wasedasai.net/2009/feature/art/speech.html#link

 
 さてハプスブルク展ですが、わたしの講演日に入場者10万人突破しました♪

 これほどの名作が多数やってくる美術展は数年ぶりですし、この不景気ですので、今後また数年は見られないのではないかと思います。絶対見逃さないようにしてくださいね!!

 先日放送された、案内役・美輪明宏さんのハプスブルク番組が再放送されます
 ⇒11月1日(日)朝4:45 TBSテレビ

 まだ眠っている人が多い時間ですので、録画でごらんくださいね。


☆展覧会へいらっしゃる前にはぜひ拙著で予習してくださいまし。肖像画に描かれた人々の運命を知ると、絵はきっとまた新たな魅力を増すはずです。

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、9刷中。
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)



☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
  新聞での紹介から抜粋ーー「思わず見たい映画をピックアップしたくなるエッセー集」「映画の印象的なシーンに触発され、著者一流の物の見方を遺憾なく発揮している」「このテーマでこの映画?と驚くような選択も。公開当時は興味を覚えなかった作品でも、改めて見たいと思うきっかけになるかも」

恐怖と愛の映画102 (文春文庫)


☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。4刷中♪

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☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
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☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。

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☆最新刊「危険な世界史」(角川書店) 2刷になり、帯が黄色から白に変わりました♪
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

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☆「怖い絵2」、7刷中。

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中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)


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座敷わらし

2009年10月20日 | 雑記
 座敷わらし(童子or童衆?)の旅館として有名だった岩手県の旅館が火事で消失し、とても残念だ。

 もうだいぶ前になるが、ある会合でこの旅館の「槐(えんじゅ)の間」に宿泊したAさんの話を聞いたことがある。

 自称「霊感の強い者」たち6人で一泊したときのこと。

 幽霊を日常的に「視る」という、一番のツワモノが、まっ先に大いびきをかいて眠ってしまい、朝まで夢もみず曝睡だったとか。

 Aさんはなかなか寝付けず、ようやくウトウトしたとき、ものすごい音たてて何かが枕もとを、部屋の端から端まで走り抜けていったので飛び起き、電灯を点けたのに、他の皆が全く気づかず眠っているのでゾッとした由。

 朝起きて、その話をすると、隣のBさんも何か気配を感じて目が覚めて明かりを点けたという。そのときAさんは眠っていたが、夢を見ているかのように、しきりに両腕をふりまわしていて、それはまるで胸の上に何かが載っていて苦しいのでのけようとしているみたいな仕草だったらしい。揺り動かしたのに起きないので電気を点けっぱなしで、また眠ってしまったとのこと。

 でも朝、電灯は点いていなかった。。。

 ホラー小説とは違い、いかにも中途半端な、でもだからかえって怖いような、妙な話だった。「遠野物語」ですわねえ。


☆☆「THEハプスブルク展」での講演会が近づいてきました。授業と違って緊張します。ドキドキ。
 24日(土)2時。国立新美術館。上野ではなく六本木(乃木坂)ですので、お間違えのなきよう!

 http://www.habsburgs.jp/2009/10/post-2e9a.html


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「THEハプスブルク」を美輪明宏さんが紹介

2009年10月13日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第24回の今日は「全世界に見つめられながら」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/10/post-3e6c.html#more
 一昨年公開されたコッポラ作品『マリー・アントワネット』について書きました。キルスティン・ダンスト、可愛くて好きですが、残念ながらハプスブルクの高貴なプリンセスというより、ヨーロッパのセレブに嫁いだヤンキー娘にしか見えなかったですねえ。

 ところでもうハプスブルク展(最寄り駅は乃木坂or六本木)はご覧になりましたか?

 国立新美術館のいつもはやや殺風景な壁が、テーマごとにロイヤルブルー、深紅、緑、茶になっていたのに気づかれたと思います。絵画が映えていましたね!

 わたしが行ったとき、エリザベート、老フランツ・ヨーゼフ、プロスペロ王子、クラナッハの「サロメ」、フェリペ二世の甲冑、明治天皇からの贈呈品に人だかりがしていました。

 ミュージアムショップは上野に比べて狭いのが難。
 本があまり置いていないのです。しかも!わたしの「ハプスブルク家12の物語」は売り切れでした。。。(涙)

 本展覧会のテレビ放送があります。10月18日 日曜、午後2時、TBS。
 美輪明宏さんがパーソナリティです。お楽しみに!

 今日はもうひとつ、お知らせ。
 以前書きましたが、大塚美術館で「怖い絵ツアー」が催されました。好評により、11月と12月にも行なわれるそうです。「原寸大で「怖い絵」を体験しよう!」が合言葉。迫力の大きさを味わいに、ぜひ一度、足をお運びください。
⇒ http://www.o-museum.or.jp/japanese/event/new/index.html#top


☆THEハプスブルク展へ行く前にはぜひ拙著で予習してくださいまし。肖像画に描かれた人々の運命を知ると、絵はきっとまた新たな魅力を増すはずです。

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、8刷中。
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)



☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
  新聞での紹介から抜粋ーー「思わず見たい映画をピックアップしたくなるエッセー集」「映画の印象的なシーンに触発され、著者一流の物の見方を遺憾なく発揮している」「このテーマでこの映画?と驚くような選択も。公開当時は興味を覚えなかった作品でも、改めて見たいと思うきっかけになるかも」

恐怖と愛の映画102 (文春文庫)


☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。4刷中♪

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☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
おとなのための「オペラ」入門 (講談社+アルファ文庫 D 61-1)

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☆最新刊「危険な世界史」(角川書店) 2刷になり、帯が黄色から白に変わりました♪
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

危険な世界史

☆「怖い絵2」、7刷中。

怖い絵2

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オペラ「オテロ」in 新国立劇場

2009年10月06日 | 音楽&美術
 先日、「オテロ」を観に行ってきました。新国立劇場2009/2010シーズンのオープニング公演かつ新制作です。

 すばらしい美術で、舞台にヴェニスの町がそっくり再現されていました。ほんとうの水も張ってあり、オテロの心の動きにしたがって静かだったり漣立ったりするのです。

 たまたま休憩時間に他の取材が入っていたもので、劇場の広報部の方ともお話しする機会がありました。水はなんと50トンも使われていた由。でも問題は水量より、わずかの洩れでその下にある電気の配線をダメにしたら大変だということで、毎回の徹底的なチェックに神経を使うのだとか。

 この水は運河らしい色を出すため、特別に彩色されていたのですが、それも排水を考えて環境にやさしい材料を使ったのだそうです(なんというこまやかな心遣い!)

 それとこの日はお相撲の黒海関が観客席(と言っても特別製の大きな椅子)にいらしたそうです。デズデーモナ役のソプラノ、タマール・イヴェーリさんが大の相撲ファンで、同じグルジア出身の黒海関をご招待したとのこと。

 演出も明快でした。
 ヴェニスの複雑な蜘蛛の巣のごとき小路はイヤーゴそのもので、オテロはそこにはまり込んだ異物なのだ、と。

 それにしてもわたしはいつも思うのですが、どうしてヴェルディはシェークスピアのこの戯曲を、全幕音楽化しなかったのでしょう?第一幕をカットしたために、伏線がひとつなくなってしまい、オテロがともするとただのDV亭主に見えてしまう。

 シェークスピアは第一幕で、デズデーモナの父親にこんなふうに言わせているのです。「気をつけろよ、オテロ、彼女は父親を騙すような女だ、おまえもいつか騙される」

 父親が絶対で、結婚は父親の命じるままだった家父長制時代、その父親の目を盗んでオテロと秘密結婚したデズデーモナの一途さは、別の光を当てれば確かにそんなふうにも見えなくもない。オテロの心に、本人すら気づかない毒がまわった瞬間です。

 この伏線があればこそ、たかがハンカチ一枚でイヤーゴの嘘を信じ込む不自然さが納得されるのに。。。

 でも逆にデズデーモナの哀れさは募ったともいえるかな。4幕目、死を予感して歌うアリア<柳のうた>に思わず涙がこぼれそうになりました。


☆☆「ベルばらkids」での講演会告知⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/10/post-7e25.html 

☆「THEハプスブルク展」公式HPで、読売新聞デスク前田恭二氏とわたしの「ハプスブルク七番勝負」の第1回がアップされましたのでお読みください
 ⇒ http://www.habsburgs.jp/2009/08/post-79e9.html
 
 そして本展覧会へ行く前にはぜひ拙著で予習してくださいまし。肖像画に描かれた人々の運命を知ると、絵はきっとまた新たな魅力を増すはずです。

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、8刷中。
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)



☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
  新聞での紹介から抜粋ーー「思わず見たい映画をピックアップしたくなるエッセー集」「映画の印象的なシーンに触発され、著者一流の物の見方を遺憾なく発揮している」「このテーマでこの映画?と驚くような選択も。公開当時は興味を覚えなかった作品でも、改めて見たいと思うきっかけになるかも」

恐怖と愛の映画102 (文春文庫)


☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。3刷中♪

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☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
おとなのための「オペラ」入門 (講談社+アルファ文庫 D 61-1)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。

歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)

☆最新刊「危険な世界史」(角川書店) 2刷になり、帯が黄色から白に変わりました♪
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

危険な世界史

☆「怖い絵2」、7刷中。

怖い絵2

☆「怖い絵」13刷中。

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