中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

魔女狩り終焉まで(世界史レッスン<映画篇>)

2009年02月24日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第10回の今日は、「アメリカの魔女狩り」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/02/post-2dc4.html
 映画『クルーシブル』について書きました。

 もうすぐ18世紀になるというのにまだ魔女裁判か、と暗澹とするが、アメリカはこれでも終焉は早い方で、ロビンズの研究によれば(若干、異説もあるようだが)、各国の魔女裁判の最終年は、以下ーー

 オランダ    1591年
 イングランド  1717年
 スコットランド 1722年
 フランス    1745年
 ドイツ     1775年
 スペイン    1781年
 スイス     1782年
 イタリア    1791年
 ポーランド   1793年

 オランダとポーランドとの開きが200年もあり、暗い気持にさせられる。

 アメリカでの最後の魔女裁判が1692年のこのセイレム事件だが、少女たちの集団ヒステリーをひとりの狂信的な学者が自らの権威づけに最大限に利用したというのが特徴的といえよう。

 現代でもこういう学者がいるなあ、とつくづく思った。自分の立てた説の正しさをこの世の絶対真理と信じ込み、異論を唱える者に対してはパワハラを行使しても黙らせようとする。(わたしも今そんな被害にあっている最中ですが、しかしまあ、拷問されたり火炙りされないだけマシと思うことにしています。。。)
 
 さて、『クルーシブル』だが、原作はアーサー・ミラーの『坩堝(るつぼ)』。魔女裁判を執筆当時のアカ狩りと重ねて描いた。

 ミラーの二度目の奥様はといえば、あのマリリン・モンロー。拙著『歴史が語る 恋の嵐』にも取り上げたのでお読みください♪

 ちなみに『恋の嵐』の登場人物と恋の年齢はーー

〇大納言久我雅忠の女(むすめ)二条(14歳)
〇アルテミジア・ジェンティレスキ(15歳)
〇マリー・キュリー(18歳)
〇ヴィルヘルミーネ・フォン・ツェンゲ(18歳)
〇ザビーナ・シュピールライン(19歳)
〇アン・ブーリン(20歳)
〇松井須磨子(25歳)
〇ホーエンベルク公爵夫人ゾフィ(25歳)
〇ポッパエア・サビナ(26歳)
〇コージマ・ヴァーグナー(27歳)
〇マリリン・モンロー(30歳)
〇マリア・モンテッソーリ(30歳)
〇ディアーヌ・ド・ポワチエ(31歳)
〇絵島(33歳)
〇マリア・ルイサ(34歳)
〇クララ・シューマン(34歳)
〇アガサ・クリスティ(39歳)
〇イザベラ・バード(41歳)
〇マリー・ローランサン(42歳)
〇アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ(44歳)
〇エカテリーナ2世(45歳)
〇ヴィクトリア女王(45歳)
〇エリザベス1世(55歳)
〇マルグリット・デュラス(66歳) 

☆今後の講演など

3月は(講演会じゃないですけど)、NHKBS「週刊ブックレビュー」出演予定。⇒ http://www.nhk.or.jp/book/prog/2003preview01.html

 4月3日(金)は、銀座プランタンで、6時半からのレクチャー。これは神戸での講演に準じるものなので、やはりマルガリータちゃんのお話。⇒ http://www.printemps-ginza.co.jp/school/index.html

 4月9日(木)は朝日カルチャー新宿にて、「怖い絵」関連のレクチャー。⇒ http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=38551&userflg=0

 5月23日(土)はJTBカルチャー新宿で、同じく「怖い絵」。でも朝日とは別ヴァージョンの予定です。⇒ http://jtbculture.com/search/detail.php?seq=3&ge=1&se=

 6月12日(金)は銀座の国際フォーラムで、日本呼吸器学会の基調講演。これはお医者様の学会員のみの参加になります。⇒ http://www.jrs.or.jp/jrs49/convocation.html



☆来週発刊ーー「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。<愛のフェア>本の一冊ですので、帯の写真は松山ケンイチさん♪「女の恋は 激しく、哀しい」がキャッチコピーです。

歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷になりました♪

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

危険な世界史

☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『美術の窓』最新号で紹介されました。ごらんください。

怖い絵2


☆『怖い絵』、10刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

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今後の講演会予定

2009年02月17日 | 紹介
 毎日毎日、パソコンの前に座っています。

 快調に進むことは少なく、コーヒーを飲みチョコを食べながらぼわあっとしていたり、調べものをしていてどんどん無関係の箇所を読みふけってしまったり、妹と電話で長話したり。。。一日はなんて短いんでしょう。

 ものを書くって、けっこう辛い。

 作家や作曲家は総じて短命の人が多い気がします。一方、画家や指揮者は長生きのイメージ。脳や体の使う箇所が違うのかしら。

 ま、それはいいとして、今年前半の講演会スケジュールはだいたい以下のようになっています。

 前回書きましたが先週は神戸の兵庫県立美術館で、「マルガリータ」講演をしました。これについては美術館の公式ブログで、写真入りの紹介がありますのでごらんください⇒ http://www.artm.pref.hyogo.jp/diary/wien/index.html

 3月は(講演会じゃないですけど)、NHKBS「週刊ブックレビュー」出演予定。⇒ http://www.nhk.or.jp/book/prog/2003preview01.html

 4月3日(金)は、銀座プランタンで、6時半からのレクチャー。これは神戸での講演に準じるものなので、やはりマルガリータちゃんのお話。⇒ http://www.printemps-ginza.co.jp/school/index.html

 4月9日(木)は朝日カルチャー新宿にて、「怖い絵」関連のレクチャー。⇒ http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=38551&userflg=0

 5月23日(土)はJTBカルチャー新宿で、同じく「怖い絵」。でも朝日とは別ヴァージョンの予定です。⇒ http://jtbculture.com/search/detail.php?seq=3&ge=1&se=

 6月12日(金)は銀座の国際フォーラムで、日本呼吸器学会の基調講演。これはお医者様の学会員のみの参加になります。⇒ http://www.jrs.or.jp/jrs49/convocation.html

 それぞれ予定日が近くなりましたら、またご案内させてください。どうぞよろしく!

☆来週発刊ー「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。帯の写真はありませんが、松山ケンイチさん♪

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☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷になりました♪

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☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

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☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『一枚の絵』1月号で、紹介と本のプレゼントを行なっています。ごらんください。

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☆『怖い絵』、10刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

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マルガリータ講演in神戸のご報告

2009年02月10日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞公式ブログ「ベルばらkidsぷらざ」にて連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第九回の今日は、「仮面の下には何が?」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/02/post-a98b.html#more
 デュマ原作『鉄仮面』を現代的にアレンジした『仮面の男』について書きました。

 さて、先日の日曜日は、神戸の兵庫県立美術館でベラスケスの描いたマルガリータ王女についての講演をしました。

 こじんまりとするのかと思っていましたら、250人のホールだというので焦りまくり、10人くらいしか聴講する人がいなかったらどうしよう、と当日まで心配していました。

 ところが行くとびっくり。
 30分前に着いたのですが、もう廊下にずらっと行列ができていたのです。

 最終的には500人を超える方々が来てくださいました。嬉しかったです。ほんとうにありがとうございました。

 そして謝らなければなりません。ホールは250人しか入りませんので、近くのレクチャールームで視聴できるように手配をしてあったそうですが、そこも100人定員。立ち見になりました。しかも立ち見も満員となり、あふれた方たちはエントランスの小さなテレビで、1時間半、やはり立って見てもらうことになったのです。

 ご不便をおかけして、すみませんでした。そしてわたしの拙い話を最後まで聞いてくださり、感謝しています。ありがとうございました!

 講演はスライドを見ながらのものでしたので、ホールは暗くしてありました。そのかわり、ものすごく強烈なライトがわたしに当たり、実をいうと目がくらむとはあのことですね。眼の前に座っている人の顔など、ひとりも見えません。

 まぶしいので時々、ライトを避けようと体をずらすとマイクに声が入らなくなり、というのを繰り返しました。心の中では、いやあ、まいったな、目が痛い、とか思っているものですから、もしかしたらしかめっ面になったかもしれません。ごめんなさい。

 でもとりあえず無事に終了してほっとしました。帰りの新幹線ではリラックスしてミステリを読めました♪

☆☆美術館の公式ブログでも紹介されました⇒ http://www.artm.pref.hyogo.jp/diary/wien/index.html

☆もうすぐ刊行の『歴史が語る 恋の嵐』の画像が見られるようになりました。「画家魂が燃えた」とおっしゃってくださった朝倉めぐみさんの、キュートな表紙をごらんください。⇒ http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200809000383

☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、5刷中。

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
危険な世界史

☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『一枚の絵』1月号で、紹介と本のプレゼントを行なっています。ごらんください。

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☆『怖い絵』、10刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

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朝倉めぐみさんの表紙&明大広報

2009年02月04日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 いつも火曜日に更新するこのブログですが、1日遅れてしまいました。というのも週末から妹たちと三姉妹で、短い旅行をしてきたのです。

 離れて暮らしているので、毎年のこの小さな旅はとっても楽しい♪
 三人というのは絶妙な数で、二人だと喧嘩したらなかなか仲直りがしにくいですけど、面白いもので、必ず誰かが緩衝材になってくれるので、いい関係が保てるのかも。

 顔も性格も全然似ていないのも、良かったことのひとつ。あまりに違う個性なので競争心みたいなのが全くわかないのです。

 というわけで「日々の疲れも取れ」、といいたいところが、実はへろへろで帰宅。早起きして日中は目一杯遊び、真夜中過ぎまでおしゃべりして寝不足、といういつもながらのパターンで。。。

 帰ると『歴史が語る 恋の嵐』の校正が届いていました。あ~あ。出かける前に仕上げておきたかったのになあ(印刷所が間に合わなかったようです)。

 でも先日、この本の表紙ラフが見られたんです。朝倉めぐみさんの絵!とってもステキですよ。しかもちょっぴりエロティック。どうぞお楽しみにね。まだ画像はありませんが、角川での紹介はこちら⇒  http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200809000383

 神戸の兵庫県立美術館での講演(8日(日))がいよいよ近づいてきました。カルロス二世の姉マルガリータちゃんのお話です。もしお近くでしたら、是非いらしてくださいまし。⇒ http://www.artm.pref.hyogo.jp/diary/wien/index.html

 それと、『危険な世界史』について。
 明大広報1月1日号で、スタインベック研究家の大須賀寿子さんが生き生きした文章で紹介してくださいました。ネットで読めるようになりましたので、ごらんください⇒ http://www.meiji.ac.jp/koho/meidaikouhou/20090101/r_book2.html


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048839985/hanatumuhiton-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">危険な世界史

☆「怖い絵2
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☆『怖い絵
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中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)



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