中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

35カラットのブルーダイヤモンド

2008年12月23日 | 紹介
 朝日新聞公式ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第6回目の今日は「無人島でも階級意識」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/12/post-bc46.html#more
 『ロビンソン・クルーソー』について書きました。

 さて、先日、すごいニュースが世界をかけめぐりましたが、それは35カラットのブルーダイヤモンドがオークションにかけられ、22億円で落札された、というものです。

 この特大の宝石は、「ラス・メニーナス」に描かれたあの可愛いマルガリータ王女が、オーストリアの叔父のところへお嫁入りするとき、父フェリペ4世から贈られたもののひとつだったのです(傾きかけていたとはいえ、スペイン・ハプスブルク家のリッチぶりがうかがえますね!)

 35カラットの大きさを実感するため、兵庫県立美術館の学芸員吉田さんが「フェイク写真」を作っていますので、ごらんください⇒ http://www.artm.pref.hyogo.jp/diary/wien/index.html

 先日お知らせしましたように(「神戸<ウィーン美術史美術館展>講演会」)、来年この美術館でマルガリータについて講演予定のわたしとしては、まさにぴったりのニュースでした♪

 さてもうそろそろ2008年も終わりです。毎日新聞書評欄で恒例の<今年の3冊>が発表されましたが、建築史の藤森照信東大教授が、『怖い絵2』を選んでくださいました。嬉しいことです♪ ⇒ http://mainichi.jp/enta/book/hondana/archive/news/2008/12/20081214ddm015070062000c.html

 ちなみに2007年度は日経新聞<今年の3冊>で、井上章一氏が『怖い絵』を選んでくださったのでした。
 幸せな本だと思います。

 来年は完結篇『怖い絵3』を出す予定ですので、どうぞお楽しみに!

 今年1年、我が「花つむひとの部屋」へご訪問くださった皆様に感謝いたします。メリークリスマス&ハッピーニューイヤー! 来年もすばらしい年でありますように!

 では冬休みに入ります。
 2009年は1月6日から始めますので、どうぞこのブログのことを覚えておいてくださいまし!


☆☆集英社WEB文芸「レンザブロー」で先月から開始した連載「王妃たちの光と闇」第一章<メアリー・スチュアート>の第二回目は、こちら⇒ http://renzaburo.jp/

☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、5刷中。
今発売中の『週刊読書人』(2009年1月9日号)の<ワイド特集ー私のモチーフ>にて、「絵が語る生々しいドラマ」というタイトルで小文を書きました。お読みください♪ 
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
危険な世界史

☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『一枚の絵』1月号で、紹介と本のプレゼントを行なっています。ごらんください。

怖い絵2


☆『怖い絵』、10刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

怖い絵
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中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)



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不完全燃焼の恋?

2008年12月16日 | 雑記
 先週末の朝日新聞beには、故・越路吹雪(宝塚の男役を経て歌手・舞台女優となった大スター)と長年交流のあった岩谷時子氏の詩が載っていた。

 彼女は越路吹雪の歌うシャンソンなどを翻訳し、作詞家としても名高い人。ふたりの「友情」は、越路の夫君から嫉妬されたほどだった。

 越路の死後、彼女は「眠られぬ夜の長恨歌」と題する詩を書いた。これが凄い!

  四十年近い友情は
  月日と共に昇華され、
  あなたは今
  私の胎内に宿る
  愛し子になった
   (中略)
  おんなに生まれながら
  まだ知らぬ陣痛を
  私に起こせ」

 女と生まれたことが、あるいは相手が女であったことが、無念でならなかったのだろうか?それとも異性愛のみを正しい愛とする世界を恨んだのだろうか?

 この世で十全には叶えられなかった思いを来世に託すのだ、という強い念に圧倒される。。。


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、5刷中。光文社HPトピックスでも、神戸の講演会について読めます⇒ http://www.kobunsha.com/news/index.html#a000093
 
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
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☆「怖い絵2」、5刷中。

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神戸「ウィーン美術史美術館展」講演会

2008年12月09日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 まだかなり先の話ですが、記念講演会をすることになりました(ドキドキ)。

 神戸の兵庫県立美術館で来年開催される「ウィーン美術史美術館所蔵<静物画の秘密展>」です。2月8日(日)14時から。タイトルは「ベラスケスのマルガリータ王女ーー政略結婚に儚く散った生涯」⇒ http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_0901/event.html#a3

 この展覧会に出品される「薔薇色の衣装のマルガリータ王女」にちなんだ講演です。ベラスケスは子どもをほんとに愛らしく描くので有名で、3歳くらいのこのマルガリータちゃんも、かわゆいこと、かわゆいこと!(若桑みどり先生は「成長するにつれてブスになった」とズバッと書かれていましたが・・・(^^:)

 講演では『ハプスブルク家12の物語』や『怖い絵2』に書いたことなどを中心に、スライドを見たり、CDを流したりして、なるべく楽しいものにしたいと思っています。お近くの方は是非いらしてくださいまし!

 このウィーン美術史美術館ですが、わたしが一番好きな美術館です。豪華な館内、適度な広さ、選り抜きの絵画、いつ行ってもそんなに込み合っていなくて落ち着いて鑑賞できます。半分見終えて疲れたら、中央にあるラウンジでおいしいコーヒーとケーキで一休み、そして残りの半分を見て、充実した半日!という感じ。

 ルーヴルやプラド、エルミタージュ、となるとこうはゆきません。広大すぎ、所蔵品が多すぎ、刺激が強すぎてぐったり。。。まあ、数日かけて見ればいいわけですけど。フルコースのフランス料理より、和食のランチがちょうどいい、というのに似てますね♪

 さて、朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第5回目の今日は、「アメリカの地名に残る王たち」を書きました。⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/12/post-4886.html#more ダニエル・ディ・ルイス主演の『ラスト・オブ・モヒカン』についてです。


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、5刷中。光文社HPトピックスでも講演会について読めます⇒ http://www.kobunsha.com/news/index.html#a000093
 
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
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☆「怖い絵2」、刊行半年。5刷になりました♪

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☆『怖い絵』、10刷になりました。ありがとうございます♪

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村治佳織さんの「ハプスブルク家12の物語」評

2008年12月02日 | 
 先週土曜日(11/29)の産経新聞朝刊に、ギタリスト村治佳織さんによる拙著『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』評がカラー写真付きで大きく載りました。

 「美術書でもなければ、お堅い歴史書とも違う、そのどちらの要素も携えた魅力ある一冊」との、とっても嬉しいご紹介でした。この記事はネット配信でも読めますので、どうぞごらんください⇒ http://sankei.jp.msn.com/culture/books/081129/bks0811290811003-n1.htm

 村治さんとはお会いしたことはないのですが、ちょっと不思議なご縁だな、と思ったのは、10月に「週刊新潮」の「掲示板」コーナーに短文を書いたとき、たまたま彼女も同じところに書いていらしたのです(男女2人ずつ4人登場するコーナーでした)。

 話し変わってーーこの前、あるパーティに出たときのこと。

 7、8人で丸テーブルに座り、それぞれ勝手なおしゃべりをしていました。わたしも初対面の男性と話しが弾んでいたのですが、その人が「あれ?」というので見ると、さっきまでグラスに半分以下だったはずの目の前のウィスキーが、いつの間にか満々になっています。

 「誰かいれてくれたのかな?」
 すると近くにいた人が年配女性を指し、「彼女はとっても気がきくから」。
 その彼女は気配りを誉められ、微笑んでいます。男性は「どうも」と言って飲みました。

 ミステリ愛好家のわたしは「??」で頭がいっぱいになりました。なぜならそのテーブルにあったのはビール瓶だけで、ウィスキーやワインはウェイターに頼んで運んでもらわなければならないはずなのです。彼女はずっと座っていたし、ウェイターが近寄ってきた記憶もありません。

 男性は黙って飲み続け、話しを続けましたが、ついにわたしは聞きました。
 「もしかしてそれ、ビールじゃありませんか?」
 「いや、大丈夫です」

 やっぱり!
 気配りの彼女はウィスキーの氷割りに、ビールをどぼどぼ注いでいたのでした。

 それでもって、わたしはこの男性に(というより、おそらくはほとんどの中年男性が同じ行動をするのじゃないかしらん)大いに感動しましたね。文句ひとつ言わず、黙ってまずいチャンポンのお酒を飲み干してしまおうとしていたのですから。しかもまたひょいと注がれては困ると、その後はずっと手にグラスを持ち続けていたのです。

 女性なら、また若い男性なら、たいてい何か一言いうのではないでしょうか。あるいは黙って飲むのをやめるとか。それをこうしてじっと耐えるのは、中年男性に多いような気がします(勝手に思うだけですけど)。自分ならとてもできないと思うので、こうしたキャパシティの広さって、ステキだなと思った次第。


 ☆☆集英社WEB文芸「レンザブロー」で先月から開始した連載「王妃たちの光と闇」第一章<メアリー・スチュアート>の第二回目は、今週金曜日(12/5)です。⇒ http://renzaburo.jp/


 ☆☆集英社『青春と読書12月号』に「革命の激震、周辺国を揺るがす」を書きました。⇒ http://seidoku.shueisha.co.jp/seishun.html


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、5刷中。 
 日経ビジネスのウェブサイト「日刊新書レビュー」で紹介されました⇒ http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081104/176188/

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
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☆「怖い絵2」、刊行半年。5刷になりました♪

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☆『怖い絵』、10刷になりました。ありがとうございます♪

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